本授業の目的およびねらい | | 本授業科目は,人文・社会科学系分野の学問体系を認識するとともに,自主的判断能力を培うことが目的である。 具体的には、社会に生起する諸問題のなかに潜む憲法学的な論点を発見し、分析する能力を身につけることが目的となる。 現実社会において憲法がどのように機能しているのか/いないのかを検討することを通じて、憲法学の基礎的知識を身につけるとともに、抱える諸問題を憲法学的観点から論じる能力を習得することを、本講義のねらいとする。 |
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教科書・テキスト | | 特に指定しない。ただし、六法(ハンディなもので可)を持参すること。 六法は定期試験の際にも必要となるため、各自で用意してもらいたい。 |
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注意事項 | | レジュメは、原則として、NUCTを利用して各自プリントアウトしてもらう。受講後に、レジュメに掲載する練習問題を使って復習をしておくこと。 |
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本授業に関する参照Webページ | | |
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担当教員からのメッセージ | | Courses designed to promote an understanding of the study of humanitiesand social sciences and to foster independent decision-making capabilities.
法学部以外に在籍する学生諸氏にとって、「法」や「法学」は馴染みの薄い、複雑なものと思われるかもしれない。また、「法」とはいわゆる六法全書のなかに存在するもので、その中身を覚えることが「法を学ぶ」ことだと思っているかもしれない。しかし、それは大いなる誤解である。法とは日常生活のなかに存在するごく身近なものであり、「法を学ぶ」ことは決して六法全書に書かれていることを暗記することではない。法が常に紛争とともにあることは、法をめぐる考え方が常に複数存在し、対立していることを表す。法の世界に単純な唯一の正解は存在しないとも言える。 本講義が検討の対象とする日本国憲法もまたしかりである。みなさんの多くは高等学校までの学習で、日本国憲法の条文を読んだり、その内容を覚えたりしたことがあるだろう。 だが、法学としてこれを学ぶ場合には、条文そのものを覚えることは極言すればどうでもいい。それよりも、それが実際にどのような具体的制度や事件として現実に立ち現われているのか/いないのかを知り、それをめぐってどのような考え方の対立があるのかを検討しその是非について理論的に自分の考え方を示すことこそが重要になる。 ただし、それは単に自分の「主張」を述べることとは異なる。憲法学には多くの議論の蓄積があり、各国の憲法にはそれぞれの歴史・社会的背景がある。「法学的な主張」としての説得性を獲得するためには、そうした既存の議論をきちんと理解し、踏まえることが、当然求められる。 日常生活のなかで見聞きする様々な事柄について「憲法がどのように影響を与えているのか/いないのか」を理解し、その是非を他者に説得的に論じられるようになること。それが本講義の目的である。意欲のある学生諸氏の参加を望む。 |
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