授業の目的 【日本語】 | | 本授業では、主に18~19世紀のヨーロッパを主対象とし、当時の子どもたちに焦点を当てます。アリエスによっても明らかにされていますが、当時のヨーロッパでは、子どもは1人の人格をもった人間であると共に大人とは異なった「子ども」という固有の特性をもった存在であるという認識が形成されていった時代です。しかしその一方で、子どもは大人によって自由に形成することができると共に、厳しく処罰もされなければならない存在であるという認識もまだ強く見られました。またそれらの認識を反映して、子どもの保護や救済に向けた動向や政策も強く現れるようになった一方で、保護や救済とは無縁に子どもへの処遇がなされてもいました。本授業では、こうした当時の子どもに対する認識や処遇のせめぎ合いについて、関連する文献(日本語)を講読しながら自由に議論します。そしてそのことを通して、西洋の教育史や子どもの歴史に関する専門的知識を習得するとともに、現在の私たちの子ども観について省察していくことを目的 |
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授業の目的 【英語】 | | This course deals with the view on chilrden in the 18th century to 19th century in Western countries, foucusing on foundling, child labor and corporal punishment etc. And this course aims to improve the specialized knowledge about the history of education and children in Western countries and to encourage reflection to one's own the view on chilrden. |
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到達目標 【日本語】 | | 次の2点を到達目標とします。1.西洋における18~19世紀の子ども巡る状況について理解することができる。2.子ども観について歴史的に考察することを通して、私たち自身の子ども観について改めて深い省察をすることができる。 |
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到達目標 【英語】 | | |
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授業の内容や構成 | | 最初に、フランスの歴史家P.アリエスの「子ども期の発見」について検討します。続いて、子どもたちが直面した困難に焦点を当てますが、とりわけ産業革命期に安価な労働者として子どもたちが用いられ酷使された児童労働の問題や、歴史の陰に隠れがちな捨子や孤児の問題について検討します。ちなみに2007年に熊本市で「こうのとりのゆりかご」(いわゆる「赤ちゃんポスト」)が設置され、様々な議論を呼びながらも今日に至っていますが、その原型となるものは中世のイタリアにさかのぼるとされます。すなわち、ヨーロッパの歴史に目を向けることは、今日的な問題について考えることと深い関わりをもっていると言えます。最後に、子どもが直面した教育上の問題として、子どもの発達への意図的な介入といえる早期教育の問題や、「原罪」の考え方にも裏打ちされた家庭や学校での子どもへの体罰の問題について検討します。究極的なまでの規律をもって子どもの発達への介入を行った医師シュレーバーの教育についても取り上げます。15回のスケジュールは次の通りです。01.オリエンテーション02.子ども観について①03.子ども観について②04.児童労働の中の子どもたち①05.児童労働の中の子どもたち②06.児童労働の中の子どもたち③07.捨てられた子どもたち①08.捨てられた子どもたち②09.捨てられた子どもたち③10.発達への介入と早期教育①11.発達への介入と早期教育②12.発達への介入と早期教育③13.子どもたちへの体罰①14.子どもたちへの体罰②15.授業のまとめ |
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履修条件・関連する科目 | | |
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成績評価の方法と基準 | | 本授業では次の方法で評価します。・報告の内容(30%)・討論への参加状況(40%)・小レポート(30%)100点満点で総点60点以上を合格とします。 |
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教科書・テキスト | | |
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参考書 | | |
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課外学習等(授業時間外学習の指示) | | |
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注意事項 | | |
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他学部生の受講の可否 | | |
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授業開講形態等 | | |
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遠隔授業(オンデマンド型)で行う場合の追加措置 | | |
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