学部・大学院区分医学部(保)
時間割コード1723571
科目名 【日本語】生体防御学
科目名 【英語】Immunology
コースナンバリングコード
担当教員 【日本語】川部 勤 ○ 松島 充代子
担当教員 【英語】KAWABE Tsutomu ○ Matsushima Miyoko
単位数1
開講期・開講時間帯春1期 木曜日 4時限
Spring1 Thu 4
必修・選択
選択


授業の目的 【日本語】
健康な状態を維持するためには外部からの攻撃ばかりでなく内部で起こる異常に対しても生体を防御する機構が必要である。本科目では,免疫学を理解するために必要である基礎的な知識を中心に習得することを目標とする。生体内における免疫応答の原理と特徴を明らかにし、その破綻による疾患の病態生理についてもアレルギーと自己免疫病、また感染症に対する免疫応答を例に学習する。生体での免疫応答を通して科学的論理性および柔軟で創造的な思考法を身に付ける。
授業の目的 【英語】
In order to maintain a healthy state, a mechanism that protects the living body against not only external attacks but also abnormalities that occur inside is necessary. The main objective of this course is to learn basic knowledge necessary for understanding immunology, such as the principles and characteristics of immune responses in vivo, and about the pathophysiology of diseases caused by their failure by taking immune responses to allergies, autoimmune diseases, and infectious diseases as examples. Students learn scientific logic and flexible and creative thinking through the immune response in the living body.
到達目標 【日本語】
免疫学を理解するために必要である基礎的な生体内における免疫応答の原理と特徴が説明できる。
生体防御の破綻による疾患の病態生理について、アレルギーと自己免疫病、また感染症に対する免疫応答について説明できる。
到達目標 【英語】
The principles and features of the basic in vivo immune response necessary to understand immunology can be explained.
The pathophysiology of diseases caused by the breakdown of host defenses, such as allergic and autoimmune diseases and immune responses to infectious diseases can be explained.
授業の内容や構成
下記の予定で行う。
1. 免疫系のしくみ
自然免疫と獲得免疫,免疫記憶と免疫寛容(トレランス)
2. 抗体とT細胞抗原レセプター(TCR)
抗原を認識する分子,抗体の各クラスの機能,遺伝子の再構成による多様性の形成
3. 主要組織適合性複合体(MHC)
個体によって異なるMHC分子,移植における主要な抗原,自己MHCと抗原ペプチドの複合体によるT細胞への抗原提示,免疫応答の個体差
4. 免疫細胞の分化・成熟
胸腺と骨髄における免疫系の形成,自己反応性リンパ球の除去と外来抗原反応性リンパ球の成熟・分化,リンパ節・脾臓と免疫応答
5. 免疫応答と細胞間相互作用
MHC/抗原ペプチド複合体とTCR,細胞表面の接着分子,サイトカインとサイトカインレセプター,Th1細胞応答とTh2細胞応答,体液性免疫と細胞性免疫
6. アレルギーと自己免疫病
生体にとって有害な免疫(アレルギー,自己免疫病,移植片拒絶など)
7. 感染免疫 (開講回数によっては、補講もしくは欠講)
8. まとめと評価
履修条件・関連する科目
履修条件:高校レベルの生物学の知識を履修の前提条件とする。
成績評価の方法と基準
出席のみならず、講義の際の平常点、必要に応じてレポートを参考にするが、原則A-Fの評定は成績評価試験(原則択一問題)の素点に基づいて行う。6割以上の出席がないもの、明確な理由のない成績評価試験の欠席者は「欠席」とする。
教科書・テキスト
中島泉他著『シンプル免疫学改訂第5版』(南江堂,2017)
参考書
窪田哲朗他編 『最新臨床検査学講座 免疫検査学』(医歯薬出版,2017)
折笠道昭編集 標準臨床検査学『免疫検査学』(医学書院,2013)
山田俊幸他編『新版 臨床免疫学 第3版(臨床検査技師テキストシリーズ)』(講談社サイエンティフィック,2014)
福岡良博他著『臨床免疫学』(医歯薬出版,2011)
熊ノ郷淳他編『免疫学コア講義改訂4版』(南山堂,2017)
中島泉他著『シンプル免疫学改訂第5版』(南江堂,2017)
矢田純一著『医系免疫学改訂15版』(中外医学社,2018)
Abbas他著(松島綱治他監訳)『分子細胞免疫学原著第9版』(エルゼビアジャパン,2018)
Murphy他著(笹月健彦監訳)『免疫生物学(原書第9版)』(南江堂,2019)
これ以外にも医系学生向けの教科書は多数出版されているので利用するとよい。
課外学習等(授業時間外学習の指示)
授業前に教科書や参考図書の該当する関連部分を読んで調べておく。予習状況の確認のために新しい内容を講義する際に小テストを行うことがある。講義の中で重要な事項について毎回、小問という形で課題を課す。小問は自主学習用として次回の授業時に提出する。
授業の進め方
スライド中心に教科書とプリントを参考にして講義を行う。授業前に教科書や参考書の該当部分を読んで調べておくことが必要で、予備知識があることを前提に講義を進める。
注意事項
高校時代に学ぶ生物が確実に理解されていることが前提条件であり、開講前にしっかりと高校での生物学を復習しておくこと。
本授業に関する参照Webページ
担当教員からのメッセージ
高校時代に学ぶ生物は理解の基盤であり、高校の生物が理解できていないと講義は難解なものとなる。多専攻にわたる講義のため、履修を諦めた学生は履修取り下げを期限までに行ってほしい。
使用言語
日本語
授業開講形態等
遠隔授業(オンデマンド型)で行う場合の追加措置