授業の目的 【日本語】 | | 法学部の「憲法1(総論・統治機構)」を日本語コースの留学生向けに開講するものである。 憲法関連科目の総論として、憲法の概念、近代憲法の歴史と基本原理、日本の憲法史などを取り上げ、各論として、統治機構の憲法論(天皇制度、平和主義、国会、内閣、司法、財政、地方自治)を扱う(講義時間の関係で、すべての項目を網羅的に講ずることはできない。また、講義計画の順序通りに講義をするとは限らない)。 通例の体系書にならい、日本国憲法の解釈論上の基本問題に重点をおいて講義するが、その際、憲法判例はもちろんのこと、解釈の前提となる憲法の歴史や諸外国の理論、現実の日本社会がかかえるアクチュアルな憲法問題などにも、可能なかぎり言及したい。
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授業の目的 【英語】 | | Give overviews of the current Japanese Constitutional Law (general theory and governmental system) . Will also touch upon actual problems of the Constitutional politics in Japan. |
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到達目標 【日本語】 | | 現在、日本の憲法状況は激動の時期を迎えている。揺れ動く時代のただなかで、進むべき方向性を見誤らないために、憲法の存在意義を支える基礎理念とその歴史的根拠への深い洞察力を身につける。くわえて、現実社会におけるホットな憲法問題をキャッチする鋭敏な感性と、それを高度な解釈論で読み解くクールな論理的思考力を養うことができる。 こうした憲法感覚と解釈理論の修得は、留学生の出身国における憲法問題を理論的に考察する上でも有益であろう。 |
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到達目標 【英語】 | | |
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授業の内容や構成 | | 回 / テーマ / 講義内容 / 授業時間外の学修活動 / 関連ページ
1 10/2 (金) 開講にあたって 憲法学習の全体像 (1)「憲法」とは何か (2)日本国憲法の構造と講義編成 (3)憲法学の基本文献 とくになし
2 近代憲法と現代憲法 憲法の歴史と現在 (1)再び「憲法」とは何か (2)近代国家と市民革命 (3)近代立憲主義の原理と変容 (4)現代憲法の登場 (5)国際化の中の立憲主義 テキスト該当頁の予習
3 日本国憲法の成立 大日本帝国憲法の歴史と日本国憲法制定史 (1)大日本帝国憲法体制 (2)敗戦と日本国憲法制定 テキスト該当頁の予習
4 天皇制度 天皇制度の構造と解釈 (1)天皇制と天皇制度 (2)天皇の地位 (3)天皇の権能 (4)天皇制度と憲法学 テキスト該当頁の予習
5 軍事によらない平和 非軍事平和主義の理念と現実 (1)日本国憲法の平和主義の特質 (2)憲法9条の規範構造と解釈 (3)日本国憲法の平和主義と国際協調・国際平和 テキスト該当頁の予習
6 国会 国民代表議会と政党制 (1)国民代表機関としての国会 (2)代表民主制と政党 (3)国会の構成と活動 (4)国会の権能 (5)国政調査権 テキスト該当頁の予習
7 内閣 議院内閣制と官僚制 (1)議院内閣制 (2)内閣の地位 (3)内閣の組織 (4)内閣の権能と責任 (5)「行政国家」と官僚制 テキスト該当頁の予習
8 司法 裁判所と違憲審査制 (1)裁判所と司法権 (2)司法権の独立 (3)裁判所の構成と権限 (4)違憲審査制 テキスト該当頁の予習
9 財政 財政と税制 (1)財政民主主義 (2)租税法律主義 (3)国費支出における国会中心主義 (4)国費支出の制限 テキスト該当頁の予習
10 地方自治 地方自治の理念と制度 (1)地方自治制度の存在理由 (2)地方公共団体の組織と権限 (3)住民の自治権 テキスト該当頁の予習
11 憲法の変動と保障 三たび「憲法」とは何か (1)国法体系と憲法 (2)憲法の制定と変動 (3)憲法の保障 テキスト該当頁の予習
12 閉講にあたって 日本国憲法のゆくえ
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履修条件・関連する科目 | | とくにないが、受講生には、マスコミで報道され、または身近に見え隠れしている憲法問題に関心をもちつつ講義にのぞむことを期待する(日本語新聞を毎日読むことが望ましい)。 |
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成績評価の方法と基準 | | 基本的に、学期末の筆記試験による(100点満点)。 60点以上を「合格」、60点未満を「不合格」とする。 |
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教科書・テキスト | | 本 秀紀編『憲法講義 第2版』(日本評論社、2018年) 野中俊彦・江橋崇編著『憲法判例集〔第11版〕』(有斐閣新書、2016年) ※教科書の使い方については、最初の講義で指示する(Kindle版も出版されているので、そちらを使用してもよい)。 ※法学部授業「憲法Ⅰ」のウェブシラバスに登録し、「アナウンス」欄を参照して、テキストの該当箇所を予習してくること(随時、復習も行うこと)。 ※毎回の授業に六法を持参すること(六法を購入できない場合は、最低限、日本国憲法と大日本帝国憲法の条文は用意すること)。 |
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参考書 | | なぜ憲法なんて勉強しなくちゃならなのか知りたい人は、 浦部法穂『憲法学教室〔第3版〕』日本評論社 オーソドックスな憲法理論をもっと詳しく勉強したい人は、 芦部信喜『憲法学1~3[増補版]』有斐閣 新手の憲法理論で頭の体操がしたい人は、 長谷部恭男『憲法〔第7版〕』新世社 (そのほか詳しくは、初回および各回の講義の際に紹介する。 また、レジュメと資料をそのつど配付する。) |
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課外学習等(授業時間外学習の指示) | | 予習・復習とも、ウェブシラバス(CANVAS)のアナウンス欄で指示する。 |
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注意事項 | | 講義内容への質問・意見を歓迎する。講義時間の合間であれば随時、研究室(310号室)への訪問の場合は、あらかじめe-mail(moto@law.nagoya-u.ac.jp)で予約をとること。 本講義は対面遠隔併用授業です。受講希望者はあらかじめ担当教員(moto@law.nagoya-u.ac.jp)に連絡して下さい。また、本講義は学部授業「憲法Ⅰ」と同時開講なので、同科目の「要綱」ページ(https://canvas.law.nagoya-u.ac.jp/courses/2742/assignments/syllabus)の最下段にあるURLからメンバー登録をして下さい。 |
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授業開講形態等 | | |
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遠隔授業(オンデマンド型)で行う場合の追加措置 | | |
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