学部・大学院区分多・博前
時間割コード3213105
科目区分C類(実習)
Category C
科目名 【日本語】整数論実習1
科目名 【英語】Practical Class on Number Theory 1
コースナンバリングコード
担当教員 【日本語】
担当教員 【英語】
単位数1
開講期・開講時間帯
授業形態
学科・専攻
多元数理科学研究科
必修・選択


授業の目的 【日本語】
非可換類体論とは代数的整数論における高木-Artin の古典類体論の一般化を目指すものである.
現在は多くの先駆者の研究を経て

(1) ガロア表現(代数的, 幾何学的対象であり, 代数多様体から生じることが多い)
(2) 保型表現(解析的対象である保型形式を表現論的に捉えたもの. 保型形式はそれが持つ離散対称性故に数学, 理論物理学などの多くの分野に現れる.)

という全く異なる対象の間の関係として理解されている (Langlands 対応).
数論においては L-関数が基本的な研究対象であるが, 上記の対応は L-関数を保つことが予想されており, 極めて非自明関係式を与える (非可換相互律).

この少人数クラスでは,上にあげたテーマを理解するのに必要な数論幾何学的な準備(スキーム論)を主体に学習する.特に, 楕円曲線やそのモジュライなどの基本的な対象について学ぶ.

Non-commutative class field theory aims for a vast generalization of the classical class field theory of Takagi-Artin. After contributions of pioneers, it is understood as a correspondence between
(1) : Galois representations (algebraic and geometric objects, which mainly arise from algebraic varieties)
(2): Automorphic representations (representation theoretic avatar of automorphic forms, which have discrete symmetries and hence appear in many areas such as mathematical physics)
(Langlands correspondence). It is highly non-trivial that the above correspondence would preserve L-functions on both sides, which is seen as a reciprocity law.
In this class, the prerequisites are discussed, i.e., the arithmetic geometric aspects of varieties (scheme theory). In particular, basic objects such as elliptic curves and their moduli are discussed as an example of the correspondence.

授業の目的 【英語】
到達目標 【日本語】
このテーマに関し, 過去の文献を単なる知識として覚えるだけでなく, 自分で計算し, 自分で考えて理解を深めること.
そしてそれを他の人に対し伝えられるようにすること.
到達目標 【英語】
授業の内容や構成
参考としているテキストや論文などを輪講形式で発表してもらい, それに沿って discussion session を行う.

Discussion session based on textbooks as indicated.
履修条件
希望者数が講義担当者の受け入れ上限を超える場合は事前相談の内容に応じて調整を行う.

レベル1の知識(学部 3 年生までに学習する程度のもの)に加え, ガロア理論の基礎的な知識があることが望ましい.
線型代数や群論, 位相空間論などの基礎的な部分の理解は必須である.
関数論についても適宜解説を加えるが, 楕円曲線の研究に必須であることに注意しておく.

This course is taught in Japanese.
関連する科目
ガロア理論の理解は必須になるので, 対応する講義を聴講すること.
楕円曲線から開始することが多いが, その場合は代数曲線についての最低限の代数幾何学の知識が必要となる.
数論的応用を考慮する場合はスキーム論を使った方がより正確な把握ができるので, 他の開講クラスの聴講などが望ましい.
成績評価の方法と基準
参考としているテキストを基本に輪講形式で発表を行うが, 担当分についての発表内容により評価する.
また, 少人数クラス報告など, 研究科への提出物を作成する場合には, それも評価対象とする.
教科書・テキスト
J. Silverman, The arithmetic of elliptic curves, GTM, Springer.
参考書
R. Hartshone, Algebraic geometry, GTM, Springer.
H. Hida,Elementary theory of L-functions and Eisenstein series, LMS.
A. W. Knapp, Elliptic curves, Princeton Univ. Press.
N.~Koblitz, Introduction to elliptic curves and modular forms, Springer.
J. P. Serre,Abelian l-adic representations and elliptic curves, Research notes in Mathematics (和訳あり).
課外学習等(授業時間外学習の指示)
注意事項
他言語がオリジナルの文献であるが日本語訳が出されている場合はオリジナルの文献を読むことを推奨する.
他学科聴講の可否
他学科聴講の条件
まず多元数理科学研究科の学生に対しこの講議が開講されていることを条件とする. その上で, さらに事前面談により充分な準備が出来ていると判断したときのみ許可する.
レベル
4
キーワード
楕円曲線, 保形形式, ガロア表現, 非可換類体論, Langlands 対応, パーフェクトイド空間
履修の際のアドバイス
挙げている参考書以外のものであっても, 受講者にとってこの講義の趣旨に合うものである場合には相談に乗るので, 主体的に調べておくこと.
授業開講形態等
遠隔授業(オンデマンド型)で行う場合の追加措置