学部・大学院区分法・博後
時間割コード4300730
科目区分法学研究科開講科目
Courses Offered by the Graduate School of Law
科目名 【日本語】社会保障法基礎研究
科目名 【英語】Fundamental Studies in Social Security Law
担当教員 【日本語】中野 妙子 ○
担当教員 【英語】NAKANO Taeko ○
単位数4
開講期・開講時間帯秋 金曜日 3時限
Fall Fri 3
対象学年1年
1
授業形態講義
Lecture


授業の目的 【日本語】
社会保障は、疾病、高齢、障害など、私たちの生活の様々な局面に密接に関わる問題である。例えば、病気になって病院で受診したときに、私たちが比較的安価な額を支払うだけで治療を受けることができるのは、医療の提供を保障する社会保険制度として医療保険制度が存在するおかげである。 講義では、わが国の社会保障制度を構成する医療保険、年金保険、労働保険、介護保険・社会福祉、生活保護の各制度について、その法制度と関連する学説・判例を理解する(研究能力の基礎の涵養)とともに、学説や判例の議論を踏まえて制度の当事者間に生じる法的問題を分析・解決する能力を身に着ける(総合的問題処理能力の涵養)ことを目指す。
授業の目的 【英語】

The aim of this course is to help students acquire an understanding of the legal system of the social security system in Japan. It deals with the public health insurance, the public pension insurance, the industrial accident compensation insurance, the social welfare and the public assistance.
This course will be taught in Japanese.
到達目標 【日本語】
授業終了時に、以下のことができるようになることを目標とする。 ・社会保障の各制度の法的構造を正しく説明できる(研究能力の基礎の涵養)。 ・社会保障法に関係する学説および判例を正しく説明できる(研究能力の基礎の涵養)。 ・社会保障制度の当事者間の法律関係や、そこで生じうる法的問題について、授業で得た知識を用いて論理的に分析し、解決を提示することができる(総合的問題処理能力の涵養)。
到達目標 【英語】
The goals of this course are to - obtain basic knowledge about Japanese social security system - solve basic legal questions related to Japanese social security system
授業の内容や構成

テーマ

講義内容

授業時間外の学修活動

関連ページ

1

イントロダクション

イントロダクション



2

総論

・社会保障法の概念 ・社会保障の目的と機能 ・社会保障の方法 ・社会保障と憲法

教科書の該当部分を予習すること。 授業の最後に次回に取り上げる判例を指定するので、百選で予習すること。


3

年金保険

・日本の年金制度の構造 ・被保険者および保険者 ・年金給付 ・年金保険給付と損害賠償の調整 ・年金保険の財源

教科書の該当部分を予習すること。 授業の最後に次回に取り上げる判例を指定するので、百選で予習すること。


4

医療保険

・公的医療保険制度の構造 ・被保険者および保険者 ・医療保険給付 ・医療保険の財源 ・高齢者医療

教科書の該当部分を予習すること。 授業の最後に次回に取り上げる判例を指定するので、百選で予習すること。


5

労災保険

・労災保険の適用関係 ・業務災害の認定 ・通勤災害の認定 ・労災保険の財源 ・労災保険給付と損害賠償の調整

教科書の該当部分を予習すること。 授業の最後に次回に取り上げる判例を指定するので、百選で予習すること。


6

介護保険・社会福祉

・社会福祉総論 ・介護保険:保険者・被保険者、給付の仕組み、財源 ・児童福祉:子ども・子育て支援新制度

教科書の該当部分を予習すること。 授業の最後に次回に取り上げる判例を指定するので、百選で予習すること。


7

生活保護

・生活保護の基本原理 ・保護の種類と方法 ・保護の終了

教科書の該当部分を予習すること。 授業の最後に次回に取り上げる判例を指定するので、百選で予習すること。


履修条件・関連する科目
本講義は受講生が憲法・民法・行政法・労働法の知識を有することを前提として進めるので、これらの科目を履修してきていることが望ましい。
It is required to study Japanese Constitutional Law, Japanese Civil Law, Japanese Administrative Law and Japanese Labor Law in advance.
成績評価の方法と基準
期末試験による(100%)。 期末試験は論述式であり、社会保障の各制度の法的構造を正しく説明できること、関係する学説および判例を正しく説明できること、社会保障制度の当事者間の法律関係やそこで生じうる法的問題の解決策について、授業で得た知識を用いて論述できることを、合格の基準とする。
Your overall grade in the class will be calculated according to the term-end examination(100%). The examination will be held in Japanese.
教科書・テキスト
笠木映里ほか『社会保障法』有斐閣(2018年) 岩村正彦・菊池馨実編代『社会保障・福祉六法』(信山社、2016年)
Eri Kasagi, m.m., Shakai Hosho Ho (Social Security Law), Yuhikaku, 2018. Masahiko IWAMURA, Yoshimi KIKUCHI, ed., Shakai Hosho Hukushi Roppo (Law of Social Security and Welfare), Shinzansha, 2016
参考書
講義中、判例の学習のために、岩村正彦編『社会保障判例百選〔第5版〕』(有斐閣、2016年)をしばしば参照する。取り上げる判例は、事前に予告をするので、予習をしておくこと。 ※判例百選は、9月現在、名古屋大学附属図書館HPよりアクセスできるMaruzen eBook Libraryで試読可能です。ただし印刷やダウンロードはできません。 その他の参考文献として、社会保障法の基礎的な教科書としては、 ・ 加藤智章ほか『社会保障法〔第7版〕』有斐閣(2019年) (Maruzen eBook Libraryで試読可能) ・西村健一郎『社会保障法入門〔第3版〕』有斐閣(2017年) (Maruzen eBook Libraryで試読可能) ・菊池馨実編『ブリッジブック社会保障法〔第2版〕』信山社(2018年) ・黒田有志弥ほか『社会保障法』有斐閣(2019年) 制度を視覚的に理解するための教材として、 ・岩村正彦ほか編著『目で見る社会保障法教材〔第5版〕』有斐閣(2013年) 各論点についてより深く学びたい場合は、 ・日本社会保障法学会編『新・講座社会保障法』全3巻法律文化社(2012年) ・菊池馨実『社会保障法〔第2版〕』有斐閣(2018年)
などの文献があるので、講義の復習やより深い学習に役立ててほしい。 なお、授業開講までに改訂版が出版される可能性に留意してほしい。
Masahiko IWAMURA, ed., Shakai Hosho Hanrei Hyakusen (Cases in Social Security Law), 5th ed., Yuhikaku, 2016.
課外学習等(授業時間外学習の指示)
各回のレジュメで、教科書および判例百選の予習範囲を指示するので、通読したうえで授業に臨むこと。
注意事項
本講義で取り上げる法律の多くはポケットサイズの六法では収録されていないので、指定の『社会保障・福祉六法』を用意してください。 試験時には書込み・解説・判例のない六法(『社会保障・福祉六法』を含む)の持ち込みを許可する予定です。『社会保障・福祉六法』を購入しないことに伴う不利益は自己責任で負ってください。 『社会保障法令便覧』(労働調査会)は、解説付きのため期末試験時に持ち込めませんので、注意してください 。 ※新型コロナウィルス感染症の影響により、期末試験の実施方法には変更が生じる可能性があります。
前年度の期末試験問題を「ページ」に掲載するので、参考にしたい人はメンバー登録の上で閲覧してください。
この講義は社会保障「法」の講義であり、履修条件に記載したように学部3年次までの法学部科目を学習していることを前提としています。いわゆる社会保障「論」の授業ではありませんので注意してください。
なお、本講義は学部講義(社会保障法)と同一である。
この講義では、アナウンスや資料配布にはCANVASを使用します。受講者は、本ページ下部のURLから「コース への登録」を行ってください。
------【以下、9/18追記】------ ①この授業はすべての授業回を遠隔で行います。 ②遠隔授業は、Zoomによりリアルタイムで行います。ZoomのミーティングURLはCANVASのアナウンスでお知らせします。 ③他の対面授業を受講するために登校している学生は、ACフォーラム(アジア法交流館2階)で学内Wi-Fiを利用して受講することも可能です。また、リアルタイムで受講できない者のために、講義の録音を期間限定で提供する予定です。 ④ACフォーラムで受講する場合は、下記の注意事項を守ってください。 ・マスクを着用すること。 ・番号札の付された座席のみを使用すること。 ・自己が使用した座席の番号を記録しておくこと。 ・入退室の際に手指消毒や手洗いを行うこと。 ・イヤホンを使用すること。 ・体調に不安がある場合は決して登校しないこと。 ⑤今後の感染状況によっては、ACフォーラムでの受講ができなくなる可能性があることを、予めご了承ください。
Students are strongly recommended to buy " Shakai Hosho Hukushi Roppo". Keep the silence in the classroom. This course will be taught in Japanese.
授業開講形態等
遠隔授業(オンデマンド型)で行う場合の追加措置