学部・大学院区分法・専学
時間割コード9312101
科目区分法律基本科目(必修)
Basic Law Courses
科目名 【日本語】民事訴訟法Ⅱ
科目名 【英語】Civil Procedure Ⅱ
担当教員 【日本語】川嶋 隆憲 ○
担当教員 【英語】KAWASHIMA Takanori ○
単位数2
開講期・開講時間帯秋 金曜日 1時限
Fall Fri 1
対象学年1年
1
授業形態演習
Lecture


授業の目的 【日本語】
本講義は、民事訴訟法Ⅰに続き、上訴・再審、複雑訴訟等を扱う。
民事訴訟法Ⅱでは、裁判に対する通常の不服申立手段である上訴や非常の不服申立手段である再審、訴訟の客体が複数となる複数請求訴訟や訴訟の主体が複数となる多数当事者訴訟など、民事訴訟法Ⅰで学んだ第一審手続の理解を前提として、その展開・応用となる手続について学ぶ。
本講義の主たる目的は、上訴・再審、複雑訴訟の手続に固有の概念や 原則を修得することにあるが、これらの理解を通じて、改めて民事訴訟法Ⅰで修得した基本概念や基礎理論の意義や機能を考える機会ともしたい。
なお、本講義では、「法科大学院における共通的な到達目標」を踏まえた講義と討議を行う。
授業の目的 【英語】
This course deals with fundamental rules and principles of civil procedure law, mainly addressing civil appeals, civil retrial and complex litigation. It also provides opportunities to review the basic understanding we learned at the last semester, Civil Procedure LawⅠ.
到達目標 【日本語】
① 民事訴訟法の基本概念および基本原則を正確に理解している。
② 具体的な事案について法律上の問題点を把握することができる。
③ 法律上の問題点に関する学説・判例の状況を的確に理解している。
④ 見解の分かれる問題について反対説を意識した多面的な考察ができる。
⑤ 事案に応じて実体法との関係を意識した議論を展開することができる。
⑥ 個別の論点の位置づけを手続全体の流れとの関係で体系的に理解している。
到達目標 【英語】
授業の内容や構成
1

上訴・再審①
10/2

1.不服申立制度の全体像を把握する。
2.上訴の一般的な要件と効果を理解する。
3.控訴の利益の有無を事案に即して検討する。

レジュメの事例について、関連する判例・学説を調べ、検討しておくこと。


2

上訴・再審②
10/9

1.控訴審の手続の構造と基本的な流れを把握する。
2.控訴審における原判決変更の可否・限度を事案に即して 検討する。

レジュメの事例について、関連する判例・学説を調べ、検討しておくこと。


3

上訴・再審③
10/16

1.上告と上告受理の相違点を理解する。
2.上告審の手続の構造と基本的な流れを、控訴審との比較で理解する。
3.上告理由ないし上告受理申立理由の有無を事案に即して検討する。

レジュメの事例について、関連する判例・学説を調べ、検討しておくこと。


4

上訴・再審④
10/23

1.再審手続の構造と基本的な流れを理解する。
2. 再審事由その他の再審要件の有無を事案に即して検討する。
3.当事者以外の第三者による再審の訴えの適否を事案に即して検討する。

レジュメの事例について、関連する判例・学説を調べ、検討しておくこと。


5

複数請求訴訟①
10/30

1.複雑訴訟の全体像を把握する。
2.請求の客観的併合の形態について理解する。
3.請求の客観的併合事案における上訴審の手続規律を事案に即して検討する。

レジュメの事例について、関連する判例・学説を調べ、検討しておくこと。


6

複数請求訴訟②
11/6

1. 訴えの変更、反訴、中間確認の訴えの適否を事案に即して検討する。
2.弁論の併合・分離について理解する。

レジュメの事例について、関連する判例・学説を調べ、検討しておくこと。


7

中間試験
11/13

範囲等は追って指示する。


日程は授業の進度等により変更する可能性がある。

8

多数当事者訴訟①
11/20

1.多数当事者訴訟の全体像を把握する。
2.通常共同訴訟となる場合を理解する。
3.共同訴訟人独立の原則とその例外を事案に即して検討する。

レジュメの事例について、関連する判例・学説を調べ、検討しておくこと。


9

多数当事者訴訟②
11/27

1.主観的追加的併合の概念を理解する。
2.主観的予備的併合の概念を理解する。
3.同時審判申出共同訴訟の概念を理解する。

レジュメの事例について、関連する判例・学説を調べ、検討しておくこと。


10

多数当事者訴訟③
12/4

1.必要的共同訴訟を、通常共同訴訟との比較で理解する。
2.固有必要的共同訴訟となる場合を事案に即して検討する。

レジュメの事例について、関連する判例・学説を調べ、検討しておくこと。


11

多数当事者訴訟④
12/11

1.固有必要的共同訴訟における提訴非同調者の扱いについて検討する。
2.固有必要的共同訴訟と類似必要的共同訴訟の相違点を理解する。

レジュメの事例について、関連する判例・学説を調べ、検討しておくこと。


12

多数当事者訴訟⑤
12/18

1.訴訟参加制度の全体像を把握する。
2.補助参加の利益の有無を事案に即して検討する。
3.補助参加人について生じる判決の効力を事案に即して検討する。

レジュメの事例について、関連する判例・学説を調べ、検討しておくこと。


13

多数当事者訴訟⑥
12/25

1.共同訴訟的補助参加を、補助参加との比較で理解する。
2.訴訟告知による参加的効力の発生の有無・範囲を事案に即して検討する。

レジュメの事例について、関連する判例・学説を調べ、検討しておくこと。


14

多数当事者訴訟⑦
1/8

1.独立当事者参加の適否を事案に即して検討する。
2.独立当事者参加がなされた場合の上訴審の手続規律を事案に即して検討する。
3.共同訴訟参加の概念を理解する。

レジュメの事例について、関連する判例・学説を調べ、検討しておくこと。


15

多数当事者訴訟⑧
1/22

1.当然承継と手続の中断・受継を理解する。
2.参加承継と引受承継の手続規律を理解する。
3.任意的当事者変更の概念を理解する。

レジュメの事例について、関連する判例・学説を調べ、検討しておくこと。


16

期末試験・講評

範囲等は追って指示する。



履修条件・関連する科目
民事訴訟法Ⅰを履修していること。
成績評価の方法と基準
1.平常点(講義への出席、討論における発言およびその内容)20点、
2.中間試験20点、及び、
3.学期末試験60点、の総合評価による。
到達目標①について:中間試験、学期末試験、平常点
到達目標②について:中間試験、学期末試験、平常点
到達目標③について:中間試験、学期末試験、平常点
到達目標④について:中間試験、学期末試験、平常点
到達目標⑤について:中間試験、学期末試験、平常点
到達目標⑥について:平常点
合否の判断は名古屋大学の評価基準に基づいて行う。
教科書・テキスト
特に指定しない。
参考書
・基本的な判例の理解のために、高橋宏志=高田裕成=畑瑞穂編『民事訴訟法判例百選〔第5版〕』(有斐閣,2015年)
・基本的な概念と関連する議論状況に関して、高橋宏志『重点講義・民事訴訟法【上】(第2版補訂版)』(有斐閣,2013)、同『重点講義・民事訴訟法【下】〔第2版補訂版〕』(有斐閣,2014)
・近時の体系書として、中野貞一郎=松浦馨=鈴木正裕編『新民事訴訟法講義〔第3版〕』(有斐閣,2018年)、伊藤眞『民事訴訟法〔第6版〕』(有斐閣,2018年)など
課外学習等(授業時間外学習の指示)
事前にアップされる講義資料をもとに、専門書の該当部分や関連する文献等にあらかじめ目を通しておく。また、講義資料に設けられた設題について、あらかじめ検討しておく。
注意事項
予習を前提とした授業を行う。関連する項目だけでなく、基礎となる実体法・手続法の概念や原則についても振り返っておくことが望ましい。
欠席する場合は、事前にメール等で連絡のこと。
[2020.9.18追記]
① 全講義回につき、遠隔授業を実施します。中間試験・期末試験の実施方法については、別途お知らせします。
② 遠隔授業は、Microsoft Teamsの利用を予定しています。
③ 教室利用が可能な警戒レベルでは、所定の時限(金曜1限または同2限)に所定の教室(第2講義室)を利用して遠隔授業に参加することも可能です。
④ 教室を利用する場合は、感染拡大防止のため、下記の事項にご留意ください。
・マスクを着用する
・番号札の付された座席のみを使用する
・自己が使用した座席の番号を記録しておく
・講義前後に手指消毒や手洗いを行う
・体調に不安がある場合には登校しない
⑤ 今後の感染状況によっては、教室での受講ができなくなる可能性があります。大学からのアナウンスをこまめにご確認ください。
授業開講形態等
遠隔授業(オンデマンド型)で行う場合の追加措置