学部・大学院区分法・専学
時間割コード9360200
科目区分展開・先端科目
Advanced/Applied Courses
科目名 【日本語】労働法Ⅱ
科目名 【英語】Labor Law Ⅱ
担当教員 【日本語】矢野 昌浩 ○
担当教員 【英語】YANO Masahiro ○
単位数2
開講期・開講時間帯秋 金曜日 5時限
Fall Fri 5
対象学年1年
1
授業形態演習
Lecture


授業の目的 【日本語】
「労働法 II 」では、「労働法Ⅰ」を引き継ぎつつ、労働者の自由・平等、労災補償、非正規雇用規制、集団的労使関係法に関するレクチャーを、判例解説をまじえながら行う。受講生に適宜質問を行う。それとともに、労働法の実務編として、労働紛争の実務的な解決に焦点を当て、最近の典型的な個別労働紛争事例を素材としながら、具体例に即した紛争解決方法を扱う。実務を重視するという視点から、4回の講義は弁護士との共同で行う。以上の学習を通じて、優れた専門能力と広範な知識を身につけることを目指す。
授業の目的 【英語】
I will give a series of lectures on freedom and equality at workplace, workers' accident compensation, non-regular employment regulations, and collective labor relations law.
到達目標 【日本語】
(1)労働法の基本的な理論・判例が理解できるようになる。
(2)具体的な労働紛争の解決のための解釈論を考えることができるようになる。
到達目標 【英語】
授業の内容や構成
回 / テーマ / 講義内容 / 授業時間外の学修活動 / 関連ページ

1
労働者の人権 10/2
労働者の人権:不当な人身拘束の禁止(強制労働の禁止、契約期間の制限、違約金・賠償予定の禁止、前借金相殺の禁止、強制貯金の禁止・任意的貯蓄金管理の規制、寄宿舎における私生活の自由など)、中間搾取の排除、公民権の保障、ハラスメント、プライバシー
予習のため、当日の講義範囲に関する情報提供をこの欄では行う。「①」は百選の判例番号(「参考判例」として挙げるものについては授業で取り上げない可能性が高い)、「②」は水町労働法の編・章・節等である。
①11、参考判例(12~13、16)
② 181~185頁、204~213頁 (第3編第2章1-1、同1-3)
事前にレジュメ・資料を配布するので、それにも目を通しておくこと(以下同様)。
左欄参照(以下同様)

2
雇用平等 10/9
雇用平等:労基法3条、労基法4条、男女平等取扱いの公序法理、均等法、労基法の女性保護規定との関係、近年の裁判例
①15、17
② 186~204頁、286~288頁 (第3編第2章1-2、同4-2)

3
安全衛生・労災補償
10/16
安全衛生:労安衛法
労災補償:民法の原則、労基法上の規制、労災保険法、業務上外認定、いわゆる過労死・過労自殺、労災民訴
①45、48、参考判例(44、46、47、49、50)
② 267~285頁 (第3編第2章3)

4
←当初の「4」と「5」を入替え20201016
パート・有期・派遣
10/23
パート:パート労働法8条・9条
有期:労契法17条~20条、雇止め規制、最近の労契法20条裁判、パート労働法・労契法改正の動向
派遣:「労働者供給」との関係、派遣法改正の経緯と動向
①78、79、81
② 299~336頁 (第3編第3章)

5
中間テスト
10/30
中間テスト1と講評
授業1~ 4 が出題範囲であるので、その準備をすること

6
非正規雇用の諸問題
11/6
田巻弁護士をゲストに迎え、非正規雇用の法律問題を論じる
事前配布資料

7
性差別訴訟
11/13
横地弁護士をゲストに迎え、ハラスメントの事件について論じる
事前配布資料

8
労働紛争の解決
11/20
田原弁護士をゲストに迎え、解雇、労働者の同意、労働紛争の解決システムに関わる問題について議論する
事前配布資料

9
企業組織変動と労働関係
11/27
企業組織変動と労働関係:合併、事業譲渡、会社分割、法人格否認の法理
①64、65、66
② 136~142頁 (第3編第1章2-1(4))

10
過労死・過労自殺の法的検討
12/4
岩井弁護士をゲストに迎え、過労死・過労自殺事件を中心に検討する
事前配布資料

11
中間試験12/11
中間試験2と講評
授業5~10が出題範囲であるので、その準備をすること

12
労働組合
12/18
労働組合:労組法2条、資格審査制度(労組法5条1項)、いわゆる管理職組合、脱退の自由、ユニオン・ショップ、組合自治の原則と限界(組合の統制力・組合員の協力義務の限界)、チェック・オフ
①82、83、84、85、参考判例(86、87、104)
② 339~352頁 (第4編第1章1)

13
団体交渉
12/25
団体交渉:労組法7条2号、義務的交渉事項、誠実交渉義務、複数組合併存と使用者の中立保持義務、団交拒否の救済
①102、105、参考判例(110)
② 352~361頁 (第4編第1章2(1))

14
団体行動
1/8
団体行動:組合活動と争議行為、争議行為の概念、争議行為の正当性判断基準、組合活動の正当性判断基準、争議行為と賃金、使用者の争議対抗行為
①93、86、87、97、98、参考判例(92、94~96、98)
② 373~384頁( 第4編第2章1)

15
不当労働行為
1/15
不当労働行為:労組法7条、不当労働行為制度の趣旨、不利益取扱い、支配介入、労働委員会による救済(大量観察方式、効果裁量)
①100、101.103、106、参考判例(99、102、104、105、107~109)
② 385~407頁 (第4編第2章2)

16
期末試験
期末試験と講評
授業の1~15が出題範囲であるので、その準備をすること、解答にあたっては、前提知識として「労働法Ⅰ」での学習内容が必要となる。講評は採点終了後にCanvasを通じて行う。

履修条件・関連する科目
労働法 I を履修していること。
成績評価の方法と基準
講義の途中で、択一式・穴埋め・用語の解説記述の形式による中間試験を行う( 2 回)
期末試験は、判例をベースにした事例問題を出題する
中間試験と期末試験の配分:30対60=計90%
課題の予習状況や講義中の質問への解答について「平常点」:10%
教科書・テキスト
①別冊ジュリスト『労働法判例百選・第 9 版』(有斐閣、 2016 )
②水町勇一郎『労働法 第 8 版』(有斐閣、 2020 )
*②の第8版が2020年3月10日付で刊行されます。それを踏まえた下記の「授業時間外の学修活動」の必要に応じた修正は、第1回授業日の1週間前を目途に行います。 →2020年4月6日対応
参考書
①唐津博・和田肇・矢野昌浩編『新版・労働法重要判例を読む Ⅰ ・ Ⅱ 』(日本評論社、 2013 )
②菅野和夫『労働法 第12版』(弘文堂、2019)
③荒木尚志ほか『ケースブック労働法 第 4 版』(有斐閣、 2015 )
課外学習等(授業時間外学習の指示)
*授業前に予習対象として指示しているテキスト類と資料類に事前に目を通し、レジュメに書かれている質問への回答を考えておくこと。
注意事項
「労働法Ⅰ」と同様に、口頭と板書による授業を進める。「教科書」で挙げた①・②は授業を行う上での教材として活用し、その記述の順序・内容通りには授業は進行しない。
20200918追記↓
①全講義回を教室で対面で行う ②登校を希望しない学生のための受講手段:Zoomでのオンラインか録音によるオンデマンド ③登校しないことが成績評価上不利益に扱われることはない ④登校する学生が守るべき事項 ・マスクを着用すること。 ・番号札の付された座席のみを使用すること。 ・自己が使用した座席の番号を記録しておくこと。 ・講義前後に手指消毒や手洗いを行うこと。 ・体調不良の場合は登校しないこと。 ⑤今後の感染状況によっては、遠隔講義に切り替える可能性がある
授業開講形態等
遠隔授業(オンデマンド型)で行う場合の追加措置