学部・大学院区分法・専学
時間割コード9363400
科目区分展開・先端科目
Advanced/Applied Courses
科目名 【日本語】法整備支援論
科目名 【英語】Introduction to Legal Assistance
担当教員 【日本語】岡 克彦 ○
担当教員 【英語】OKA Katsuhiko ○
単位数2
開講期・開講時間帯秋 水曜日 3時限
Fall Wed 3
対象学年1年
1
授業形態演習
Lecture


授業の目的 【日本語】
1990年代中葉から日本政府は,ベトナム,カンボジア,ウズベキスタンなどのアジア諸国に対する法整備支援を開始した。本講義では,法整備支援とは何かについて解説し,法における国際協力のあり方について考察する。法整備支援に関わってきた研究者・実務家をゲスト講師として迎えるほか、法整備支援対象国からの留学生を授業に迎え、かれらと現地の具体的な法的問題について議論・検討する。
授業の目的 【英語】
到達目標 【日本語】
(1)「法における国際協力」の必要性を理解する。 (2) ODA(政府開発援助)のあり方を理解する。 (3) 法整備支援についての理論動向を理解する。 (4) 法整備支援対象国の抱える問題を理解し、実践的なアプローチの方法を考えることができるようになる。
到達目標 【英語】
授業の内容や構成
1

開講にあたって

法整備支援論の講義の全体像を明らかにする。 法整備支援対象国の司法制度と法解釈の特徴についての基礎的知識を習得する。

法整備支援対象国の司法制度の特質を比較する。


2

法整備支援対象国の審級制度と法意識

ベトナム、ウズベキスタンの民事手続に存在する監督審制度について、その母法であるソビエト法を含めて検討し、法整備支援対象国の法意識について考える。

法整備支援対象国の法意識について分析する。


3

ODAの一環としての法整備支援(1)

法整備支援とは何かについて、政府開発援助(ODA)との関係から検討する。アジア諸国に対する法整備支援について、関係組織、内容を概観する。

法整備支援に関する報告書を読む。


4

ODAの一環としての法整備支援(2)

アメリカ合衆国が60年代,70年代に行った「法と開発運動」と、90年代から登場した「新しい法と開発運動」の特徴を考察する。

法と開発をめぐる論点を調べる。


5

ODAの一環としての法整備支援(3)

法整備支援とは何かについて、政府開発援助(ODA)との関係から検討する。アジア諸国に対する法整備支援について、関係組織、内容を概観する。

法整備支援に関する報告書を読む。


6

名古屋大学の法整備支援活動

名古屋大学が日本法教育研究センターで行っている活動を中心に、名古屋大学の法整備支援がどのように展開され、現状においてどのような問題を含むかを考察する。

講義で配布する資料を読む。


7

日本の法整備支援協力機関(1)

日本弁護士連合会による法整備支援活動を知る。 日弁連及び弁護士の取り組みを知る。

アジア諸国における弁護士の活動を調べる。


8

日本の法整備支援協力機関(2)

法務省法務総合研究所国際協力部の活動を知る。裁判官及び検事の取り組みを知る。

法務総合研究所についての資料を調べる。


9

日本の法整備支援協力機関(3)

法整備支援に民間企業がどのように関わってきたかを知る。

配布する資料を読む。


10

ミャンマーにおける法整備支援

ミャンマーの支援に関わった実務家の話を聞き、ミャンマーの法整備支援の問題を考える。

配布資料を読む。


11

カンボジアにおける法整備支援

カンボジアからの留学生の研究テーマを採り上げ、留学生と議論することで、カンボジアの抱える法的問題を理解する。

留学生の研究レポートを読む。


12

ベトナムにおける法整備支援

ベトナムの法整備支援に携わった実務家の話を聞き、ベトナムの法的現状を理解する。

配付資料を読む。


13

中国における法整備支援

中国行政法に関する整備支援に携わった研究者の話を聞き、中国における法整備支援の問題を考える。

配付資料を読む。


14

モンゴルにおける法整備支援

モンゴル行政法に関する整備支援に携わった研究者の話を聞き、中国における法整備支援の問題を考える。

配付資料を読む。


15

ウズベキスタンにおける法整備支援

ウズベキスタン行政法に関する整備支援に携わった研究者の話を聞き、ウズベキスタンにおける法整備支援の問題を考える。

配付資料を読む。


16

まとめ

レポート及び講評



履修条件・関連する科目
法における国際協力に関心を持っていること。 配付資料には英語資料も含まれるので、それを理解できる程度の基礎的な英語能力を有していること。
成績評価の方法と基準
(1)授業への積極的参加・発言を重視する(50%の評点)。 (2)レポートにより評価を行う(50%の評点)。 上記の2つにより成績評価を行う。
教科書・テキスト
特に、指定しない。
参考書
鮎京正訓「法整備支援とは何か」名古屋大学出版会、2011年。
三ヶ月章「法学入門」弘文堂、1982年。 松尾弘「よい統治と法の支配:開発法学の挑戦」日本評論社、2009年。 香川孝三・金子由芳編「法整備支援論―制度構築の国際協力入門」ミネルヴァ書房、2007年。 鮎京正訓「日本とアジアをつなぐ法整備支援のすすめ」旬報社、2017年。 JICA編「世界を変える日本式『法づくり』―途上国とともに歩む法整備支援」文藝春秋社、2018年。 その他、必要に応じて資料を配布する。
課外学習等(授業時間外学習の指示)
提示した参考文献および新聞などで法整備支援地域の状況や課題を予め知っておいた上で授業に臨むと、各項目の講義内容の理解がより深まっていく。
注意事項
講義には、法整備支援に実際に関わってきた専門家や留学生を招いて行う予定である。専門家としては、本学で法整備支援に関わって来られた鮎京正訓名誉教授、市橋克哉教授のほか、JICAの塚原正典弁護士、木本真理子弁護士、棚橋玲子弁護士、法務総合研究所国際協力部長の森永太郎検事をゲストとして招き、法整備支援の実務について講義をしてもらう予定である。
* 本授業の方法は、原則として遠隔授業で行う。ただし、数回程度の授業については対面授業を行う。遠隔授業の場合は、ZOOMによるライブ授業を予定している(詳細については後日にCANVAS上でアナウンスをするので、事前によく確認しておくように)。
授業開講形態等
遠隔授業(オンデマンド型)で行う場合の追加措置