学部・大学院区分
Undergraduate / Graduate
学部
科目区分
Course Category
基礎セミナー
First Year Seminar
科目名 【日本語】
Course Title
基礎セミナーB
科目名 【英語】
Course Title
First Year Seminar B
使用言語
Language Used in the Course
日本語
テーマ(基礎セミナーのみ)
Theme of First Year Seminar(First Year Seminar Only)
細胞を観る,記載する,そして伝える
担当教員 【日本語】
Instructor
宮田 卓樹 ○
担当教員 【英語】
Instructor
MIYATA Takaki ○
単位数
Credits
2
開講期・開講時間帯
Term / Day / Period
Ⅱ 月曜日 5時限
II Mon 5


授業の目的 【日本語】
Goals of the Course [JPN]
本授業科目は,初年次生を大学教育へ導入し,自立した学習能力を身につけるとともに,文・理に共通した基礎的学力や技能を養うために,多面的な知的トレーニングによって,コモンベーシックとしての読み,書き,話す能力のかん養を図るとともに,真理探究の方法と面白さを学ぶことが目的である。
生きた個体・器官・組織・細胞を観る,記載する,そして伝えるという取り組みを,コオロギ,胎生期マウスを対象として行い,体験や観察の結果を記載し,他者に伝え,かつ聴衆として発表者に対して質問し,「個による観察」に始まった理解の「共有」を通じた深めを体得する.
授業の目的 【英語】
Goals of the Course [ENG]
This course aims at developing students' capabilities in (1) asking questions and (2) telling/showing them to other students, and thereby (3) facilitating constructive discussions.
授業の達成目標 【日本語】
Objectives of the Course [JPN]
臨床,研究,あるいは行政などすべての医学部出身者にとり,質問を発するということは,他の職種でもそうであるように,重要・不可欠な「商売道具」である.本セミナーでは,各自が「受け持ち医・現場担当者」として「担当相手(コオロギ,胎生期マウス組織)」に向き合い,独自の問いを持つことを目指す.そしてそうして「湧いた」あるいは「苦労して見つけた」問いに基づく自らの考察等を他の学生に対して披露し,相互に,発表者に対する質問を発しあい,議論を深める.
授業の達成目標 【英語】
Objectives of the Course [ENG]
This course encourages each student to observe living objects (crickets and mouse tissues), to describe how the objects are, and to tell the observer’s findings to other students who are expected to ask as many questions as possible, together exemplifying a scientific way to deepen understanding of the objects and related issues based on their own experiences and mutual stimulations.
教科書
Textbook
教科書はとくに指定しないが,毎回の授業で講義資料を配布する.
研究室内の各種書物を自由に参照してよい.
課外学修等
Study Load (Self-directed Learning Outside Course Hours)
コオロギ期間,マウス期間ともに,①運動・脳・神経,②循環,③呼吸,④消化,⑤泌尿・生殖という5つのシステムを担当する5チームに分かれて受け持ち学習(解剖を含む)を行うので,それぞれのシステムの解剖学的情報をインターネットや研究室の図書等から得ておく(旅行や登山などに際して地図を参照しルートを考えておくような準備をしておく)必要がある.どこをどう「切る・掘る」べきか,代案ルートは,など,練っておく必要がある.
注意事項
Notice for Students
研究室内で,(1)実体顕微鏡の使用法(椅子への座り方,両岸と接眼レンズ x2 の合わせ方,を含む),(2)微小ピンセット・微小ハサミ・シリコンゴム製(手製)まな板・対象固定用ピンの使用法・クリーニング法,などを順次教える.

体調不良等で欠席の場合は,小グループの仲間に連絡のこと.
本授業に関するWebページ
Reference website for this Course
名大の講義 Topics No.10 What is 基礎セミナー?
担当教員からのメッセージ
Message from the Instructor
コオロギの飼育,麻酔,実体顕微鏡を用いての解剖,マウス胎仔の解剖,臓器採取,顕微鏡撮影,細胞培養,観察,などなど,体験・実習形式を重視します.皆さんの積極的な「ふしぎにおもうこころ」,「質問という行為」,を期待します.

<上記「名大の講義 Topics No.10 What is 基礎セミナー?」中のインタビューより抜粋>
Qこの授業を通して、先生が学生に最も伝えたいことは何でしょうか?
(1)人体に由来する教材を使っての学習が続き、やがて生きたヒト相手の臨床実習に進むという医学科の1年生に対して、本セミナーが、生きているコオロギ、さっきまでは生きていたマウスの胎仔、臓器のモト、組織、細胞など、(これから続く科目群あれこれがそうであることの前触れとして)「命」にどっぷり漬かった実習であることを意識してもらえたらと願っています。教科書・参考書の情報は、ボタンを押せば自動販売機から出て来る、あるいはモニター画面から美しく飛び出して来るなにか便利なもの、などではなく、手間をかけ、実験動物の命を奪って得られる(た)もの、めんどうくささや、肉感など、本物につきまとうあれこれを通ってたどり着くもの...である、というような感覚・体験を持って欲しいというのが一つでしょうか。
(2)「新しい(知らない)相手」に対して、好奇心を持ち、誠実に向き合う、問う、ということに、(きっと不慣れであろうから)少しずつ慣れて欲しいと思っています。未知なる病気や、はじめて会う患者、新しいメカニズム・謎などに対して、知的な関心・誠意をもって向き合う、見守ることは、将来の彼らの(ほとんどがそうなるであろう臨床医だろうが、本当は少数派として確保したく願う基礎研究者だろうが)日々の営みにとってとても大切です。本物に触れるという実体験をきっかけとして、「知的な腰軽さ」、積極性のようなものを持ってほしい。「ヒト」「医」には関心がもともと高かろうことは承知で、むしろ「そうでない何か(生き物)」だろうが積極的になれる、そこに潜むヒトとの共通性や相違に対して向き合える、そうした広さ・普遍性を意識できる、とんでもなく未知な相手だろうがひるまない(ならば余計に闘志が湧く)という、将来を担う若人に期待したいありようを念頭に、コオロギは貴重な対象であると考え、ずっと用いています。

基礎セミナーの改変(日程変更)のため,「コオロギ」は,2021年度が最終回となる可能性大です.
実務経験のある教員等による授業科目(大学等における修学の支援に関する法律施行規則に基づくもの)
Courses taught by Instructors with practical experience
授業開講形態等
Lecture format, etc.
https://office.ilas.nagoya-u.ac.jp/2021-fall-implementation/