学部・大学院区分
Undergraduate / Graduate
教育学部
時間割コード
Registration Code
0210040
科目名 【日本語】
Course Title
教育社会史講義Ⅱ
科目名 【英語】
Course Title
Lecture on Social History of Education II
コースナンバリングコード
Course Numbering Code
EDUED3112J
担当教員 【日本語】
Instructor
江頭 智宏 ○
担当教員 【英語】
Instructor
EGASHIRA Tomohiro ○
単位数
Credits
2
開講期・開講時間帯
Term / Day / Period
秋 木曜日 2時限
Fall Thu 2
対象学年
Year
2年
2
コース・専攻等
Subject
コース専門科目(生涯教育開発コース)
必修・選択
Required / Selected
選択必修Ⅱ


授業の目的 【日本語】
Goals of the Course(JPN)
19世紀~20世紀のドイツの中等教育史およびドイツ新教育運動の歴史について考察することを通して、省察と探究の精神、論理的・批判的思考力、ならびに判断力を涵養することを本授業の目的とします。
授業の目的 【英語】
Goals of the Course
This course aims to cultivate the spirit of reflection and inquiry, logical and critical thinking skills, and judgement ability through consideration of the history of German secondary education in the 19th and 20th centuries and the history of the new educational movement in Germany.
到達目標 【日本語】
Objectives of the Course(JPN)
近現代ドイツを事例としながら、中等教育の特質について歴史的に理解することや、「光」の部分も「影」の部分も含む新教育運動の多様な側面について理解することを通して、今後の教育の在り方についての視座を得ることを到達目標とします。
到達目標 【英語】
Objectives of the Course
授業の内容や構成
Course Content / Plan
 本講義では、関連し合う三つのテーマを取り上げながら、ドイツの近現代教育史について検討します。
 一つめは、ギムナジウムを中心とした19~20世紀のドイツの中等教育の歴史です。ヨーロッパの中等教育は、中世のラテン語学校を淵源とし、長らくエリート教育としての性格を有してきましたが、20世紀に入るとその内実が広がると共に大衆化されていきました。本講義では、こうした全般的な中等教育観の変遷を踏まえながら、古典語(ギリシア語・ラテン語)の教育を重視することを通して大学進学の機会を独占したギムナジウム中心の中等教育の体制が、政治的・社会的変化等に伴って変化していく過程について、他の中等教育機関との関係に焦点を当てながら描いていきます。また、ナチス期における中等教育の変容や、第二次世界大戦後のギムナジウム改革についても言及します。
 二つめは、第二帝政期からヴァイマル期にかけてのドイツの新教育運動です。新教育運動とは、児童中心主義、体験活動の重視、知育偏重からの脱却などを具体的な特徴とし、総じて学習者の視点を重んじた教育改革運動です。それゆえ、一つめで取り上げたギムナジウム体制を象徴する古典語中心教育とは異なる方向性にあったと言えます。新教育運動は、日本も含めて世界各地で展開されましたが、ドイツはその一大中心地であり、同時代の日本にも大きな影響を与えました。多岐に亘るドイツの新教育運動の中でも、本講義では、芸術教育運動、田園教育舎、労作学校、自由ヴァルドルフ学校、イエナ・プランなどを事例として取り上げます。新教育運動は一般に進歩的な教育改革運動であったため、ナチスは政権掌握後に新教育運動を総じて弾圧しましたが、一方で両者は複雑な関係にあった部分もあります。
 そのことも探るため、三つめに、ヴァイマル期から戦後までの学校田園寮運動の歴史を取り上げます。現在のドイツの学校でも広く浸透している学校田園寮は、学齢期の児童生徒が自然豊かな場所に設けられた学校田園寮と呼ばれる宿泊型教育施設に学級単位で一定期間滞在しながら、都会の学校ではできないことを体験するような教育活動です。本講義では、公立学校を舞台として展開された新教育運動としてのヴァイマル期の学校田園寮運動と、ナチス政権下での学校田園寮運動の変容並びに利用に言及するほか、フランクフルトのヴェクシャイデ学校田園寮や、ノイケルン区が所有していた学校田園寮などを事例として、戦後における学校田園寮とナチスの記憶の風化の問題についても考えていきます。
 なお、講義の理解に資するために、映画(『嘆きの天使』『エリート養成機関ナポラ』『飛ぶ教室』など)や担当教員が撮影した写真を積極的に用います。
 ドイツの中等教育の歴史、ドイツ新教育運動、学校田園寮運動の歴史の順番で下記のように講義をしていきます。
 (01) ギムナジウム体制の確立
 (02) ギムナジウムと実科系学校の同格化
 (03) リヒャートとヴァイマル期の中等学校改革
 (04) ナチス期における中等教育の変容
 (05) 第二次世界大戦後のギムナジウム改革
 (06) リヒトヴァルクと芸術教育運動
 (07) リーツ,ヴィネケン,ゲヘープと田園教育舎
 (08) ケルシェンシュタイナーと労作学校
 (09) シュタイナーと自由ヴァルドルフ学校
 (10) ペーターゼンとイエナ・プラン
 (11) 新教育運動としての学校田園寮運動
 (12) ナチス政権の成立と学校田園寮運動の称賛
 (13) 学校田園寮運動とヒトラー・ユーゲントの抗争
 (14) 第二次世界大戦下の学校田園寮運動と学童疎開
 (15) 第二次世界大戦後の学校田園寮運動とナチスの記憶の風化
履修条件・関連する科目
Course Prerequisites and Related Courses
履修条件は要しません。
成績評価の方法と基準
Course Evaluation Method and Criteria
学期末の試験(80%)、小レポート(20%)で評価します。
教科書・テキスト
Textbook
教科書は指定しません。毎回の授業で講義資料を配付します。
参考書
Reference Book
授業のなかで適宜紹介します。
課外学習等(授業時間外学習の指示)
Study Load(Self-directed Learning Outside Course Hours)
講義内容について、受講後、ノート等で自分なりに整理しておいてください。
注意事項
Notice for Students
特にありません。
他学部生、他専攻生、他研究科生の受講の可否
Propriety of other undergraduate students, other major students, and other graduate students attendance
3年生以上可
授業開講形態等
Lecture format, etc.
授業は対面で行います。履修登録後に授業形態等に変更がある場合には、NUCTの授業サイトで案内します。
遠隔授業(オンデマンド型)で行う場合の追加措置
Additional measures for remote class (on-demand class)