授業の目的 【日本語】 Goals of the Course(JPN) | | この講義では、憲法Ⅰの履修を前提として、人権分野における憲法学説・判例を概説する。違憲審査制を採用した日本国憲法の下では、人権問題の多くが裁判という場で議論されている。そのため、単に条文解釈を覚えるのではなく、現実に人権が保障されているのか/いないのかを憲法判決を通じて分析する能力を身につけることを、この講義の主題とする。 講義では冒頭、違憲審査制の基礎知識を講じた後、通例の体系書にならい、日本国憲法の解釈論上の基本問題に重点をおいて講義をする。限られた時間内で人権規定を網羅的に取り上げることはできないため、人権の中核をなす精神的自由権および平等を中心に取り扱う。その際、可能な限り、人権保障の歴史や比較憲法の知識などにも言及することで、受講者が人権保障の問題をより深く理解し、自分なりにそれを分析・検討する力を身につけられるような講義にしたいと考えている。 |
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授業の目的 【英語】 Goals of the Course | | In this course, students will be given an overview of constitutional theories and judicial precedents in the field of human rights. Under the Constitution of Japan, which adopts a system of constitutional review, many human rights issues are discussed in court. For this reason, the subject of this lecture is not merely to learn how to interpret the text, but to examine, through constitutional judgment, whether or not human rights are appropriately guaranteed.
At the beginning, students will be given a lecture on the basic knowledge of the constitutional review system. And then, students will learn on the basic problems of the interpretation of the Constitution of Japan. B ecause of time constraints, we will focuses on the articles concerning the freedom of expression and equality. |
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到達目標 【日本語】 Objectives of the Course(JPN) | | 憲法Ⅰの履修を前提として、この講義を履修することで、以下の知識・能力を身に付けることができる。
①人権分野のうち、主に、精神的自由権および平等に関する基本判例を正確に理解し、その当否を考察できる。
②人権分野のうち、主に、精神的自由権および平等に関する学説を正確に理解する。
③裁判を通じた人権保障システムを正確に理解し、人権の中核をなす精神的自由権および平等に関する具体的な人権問題の検討にあたり、その知識を用いることができる。
以上を通じて、日本国憲法の保障する人権およびその保障システムに関する専門的知識と総合的判断能力を身につけることを目標とする。 |
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到達目標 【英語】 Objectives of the Course | | Students will be able to acquire the following knowledge and abilities by taking this course on the premise that they will be taking Constitution I.
(1) In the field of human rights, it is possible to accurately understand and consider the appropriateness of basic precedents, mainly on the right to mental freedom and equality.
(2) In the field of human rights, it is necessary to accurately understand the theories mainly concerning the right of mental freedom and equality.
(3) An accurate understanding of the human rights protection system through trials and the knowledge of the system may be used in considering specific human rights issues related to the right to mental freedom and equality, which constitute the core of human rights.
The objective of this course is to acquire expert knowledge and comprehensive judgment skills related to the human rights guaranteed by the Constitution of Japan and its guarantee system. |
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授業の内容や構成 Course Content / Plan | | 1:概論:基本的人権を保障する意義/全2コマ(予定)
明治憲法や諸外国の憲法との比較において、日本国憲法が「基本的人権の保障」を定めていることの意義を理解する。
2:司法権の観念と違憲審査制/全2コマ(予定)
司法権の観念と違憲審査制に関する基本的事項を理解する。その上で、日本の違憲審査制度の動態を理解する。
3:総論(1):人権享有主体性/全2コマ(予定)
憲法の保障する基本的人権を享有するのは誰か、という問題について、特に「外国人の人権」と「法人の人権」の問題を取り上げて講義する。
4:総論(2)人権の限界/全2コマ(予定)
「人権の限界」(法律による制約が許される範囲・理由)に関する基本事項を講義し、その制約のあり方を講義する。
5:表現の自由(1)総論/全2コマ(予定)
人権のなかでも「最も重要」といわれる表現の自由について、その特徴および基本的内容を明らかにする。 表現の自由の限界について、具体的な判例・学説を取り上げつつ講義する。
6:表現の自由(2)各論/全4コマ(予定)
人権のなかでも「最も重要」といわれる表現の自由について、その特徴および基本的内容を明らかにする。 表現の自由の限界について、具体的な判例・学説を取り上げつつ講義する。
7:平等(1)総論/全2コマ(予定)
「法の下の平等」に関する基本的知識を理解する。
8:平等(2)各論/全4コマ(予定)
「法の下の平等」に関する学説・判例を理解し、その問題点を明らかにする。
9:思想・良心の自由/全2コマ(予定)
「精神的自由」が何故保障されなくてはならないかを、他の人権(経済的自由など)との比較において理解する。 思想・良心の自由に関する学説・判例を整理し、その問題点を明らかにする。
10:信教の自由と政教分離(1)総論/全2コマ(予定)
信教の自由および政教分離の保障の意義を理解する。人権保障とは区別される制度保障についても、ここで取り扱う。
11:信教の自由と政教分離(2)各論/全4コマ(予定)
信教の自由および政教分離に関する学説・判例を整理し、その問題点を明らかにする。
12:学問の自由/全2コマ(予定)
学問の自由に関する基本的知識・学説・判例を理解し、整理し、その問題点を明らかにする。 |
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履修条件・関連する科目 Course Prerequisites and Related Courses | | 特になし。憲法1を受講していることが望ましいが、そうでない場合、特に総論(立憲主義の歴史)および司法権については、概説書等で自習しておくことを勧める。 |
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成績評価の方法と基準 Course Evaluation Method and Criteria | | 期末試験(100%)による 。期末試験は論述式の試験である。 100点満点で60点以上を合格とし、60点以上64点までをC-、65点以上74点までをC、70点以上79点までをB、80点以上94点までをA、95点以上をA+とする。
*ただし、2009年度以前の入学者を対象とするカリキュラムが適用される学生については、入学時の成績評価基準が適用される。 |
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教科書・テキスト Textbook | | 教科書は特に指定しない。講義はレジュメに従って行う(レジュメはNUCTにupするので、各自ダウンロードして用いること)。 判例集は一冊は手元に用意してもらいたい。講義では以下のものをベースに進める。
・野中俊彦・江橋崇『憲法判例集』[第11版](有斐閣新書、2016) |
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参考書 Reference Book | | さしあたり、概説書として、以下のものが参考となるだろう。その他の参考文献については、必要に応じて講義内で適宜指示する。
・本秀紀編『憲法講義』[第2版](日本評論社、2018)
・辻村みよ子『憲法』[第6版](日本評論社、2018)
・野中俊彦・中村睦男・高橋和之・高見勝利『憲法〔第5版〕』Ⅰ・Ⅱ(有斐閣、2012)
・芦部信喜(高橋和之補訂)『憲法』[第7版](岩波書店、2019)
・浦部法穂『憲法学教室』[全訂第3版](日本評論社、2016)
・佐藤幸治『日本国憲法論』(成文堂、2011) |
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課外学習等(授業時間外学習の指示) Study Load(Self-directed Learning Outside Course Hours) | | レジュメに記載した判例を事前に読んでおくこと、および、レジュメに記載した練習問題を用いて講義内容を復習しておくこと。 |
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注意事項 Notice for Students | | なるべく新聞を読むこと。現実の政治社会問題に関心のない人にとって、憲法学をマスターすることはかなり困難であると思う。テレビやネット上のニュースで満足せず、新聞をぜひ読んで欲しい。
講義のレジュメはNUCTにupする。各自印刷して持参されたい。
This lecture will be taught in Japanese.
■講義内容・履修方法についての詳細は以下をご覧ください。
https://ct.nagoya-u.ac.jp/x/0Fs8Dw |
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授業開講形態等 Lecture format, etc. | | 授業開講形態(対面遠隔併用で実施する授業一覧)は、名古屋大学大学院法学研究科ホームページの「NEWS ニュース」に掲載します。URL:https://www.law.nagoya-u.ac.jp/
※履修登録後に授業形態等に変更がある場合には、NUCTの授業サイトで案内します。
List of hybrid classes employing both face-to-face and remote teaching methods will be posted in the "News" of the homepage of the Graduate School of Law.
URL:https://www.law.nagoya-u.ac.jp
*If there are any changes in the teaching methods after the period of course registration, it will be announced on NUCT. |
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遠隔授業(オンデマンド型)で行う場合の追加措置 Additional measures for remote class (on-demand class) | | 遠隔授業はNUCTで行う。教員への質問方法、学生同士の意見交換の方法は次のとおりとする。なお、教員より別の指示がある場合は、その指示に従うこと。
・教員への質問は、NUCT機能「メッセージ」により行うこと。
・授業に関する受講学生間の意見交換は、NUCT機能「メッセージ」により行うこと。
(※担当教員が「フォーラム」機能を追加設定した場合は「フォーラム」も利用可。)
Remote classes are conducted via NUCT. Questions to instructors should be asked using the NUCT "Message" function.
Student discussions will be conducted using the NUCT "Message" function. (If the instructor has added the "Forum" function, the "Forum" can also be used.)
Follow your instructor's directions if your instructor has any other directions. |
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