学部・大学院区分
Undergraduate / Graduate
法学部
時間割コード
Registration Code
0300770
科目区分
Course Category
専門科目
Specialized Courses
科目名 【日本語】
Course Title
マスコミと政治
科目名 【英語】
Course Title
Mass Communication and Politics
担当教員 【日本語】
Instructor
木田 勇輔 ○
担当教員 【英語】
Instructor
KIDA Yusuke ○
単位数
Credits
2
開講期・開講時間帯
Term / Day / Period
春 火曜日 2時限
Spring Tue 2
対象学年
Year
3年
3
授業形態
Course style
講義
Lecture


授業の目的 【日本語】
Goals of the Course(JPN)
いわゆる「マスコミ」よりも幅広くインターネットやソーシャルメディアなども含めたメディアと政治現象との関連について扱う授業である。前半ではメディアの発達史を概説しながら、主としてマスメディア(マスコミ)と政治とのかかわりについて講義する。後半はソーシャルメディアをはじめとしたインターネットメディアの出現を踏まえ、メディア社会と政治がどのように変化していくのかを考えてゆきたい。
授業の目的 【英語】
Goals of the Course
This course explores how media interact with political phenomenons. In this course, the word "media" connotes not only mass media but also new media such as the Internet and social media. The early part of the course provides an overviewof the relationship between mass media and politics with the history of media development. In the latter part, we address the issue how media society and politics are changing with the growth of the Internet media such as social media.
到達目標 【日本語】
Objectives of the Course(JPN)
(1)メディアテクノロジーの発達の歴史についての基礎知識を押さえ、(2)コミュニケーション、世論、公共圏といったメディアと政治に関する基礎的な概念を理解し、(3)メディア研究の理論をもとにメディアが政治といかに結びついているのかを各自が位置づけ、(4)今日のメディア環境が政治現象にどのような影響を与えていくのかという点を批判的に分析できるようになることが発展的な目標である。
到達目標 【英語】
Objectives of the Course
Students who complete this course are expected to:
1. Acquire the the basic knowledge of the history of media technology
2. Understand key concepts of "media and politics" such as communication, public opinion, and public sphere
3. Evaluate the interaction between media and politics based on the theories of media and communiocation studies
4. Critically analyze how today's media environment affects a political phenomenon.
授業の内容や構成
Course Content / Plan
1 イントロダクション
私たちは新聞、テレビ、ラジオ、雑誌、書籍、といった様々なメディアを通じて情報を得ている。加えて、近年ではソーシャルメディアや動画サイトなどのネットメディアの重要性も高まっている。こうした時代における世論や政治のあり方について、問題提起を行う。

2 メディア研究の歴史と潮流
メディア研究の歴史を見渡すとともに、ジャーナリズム研究、マスコミュニケーション研究、カルチュラルスタディーズ、マクルーハンのメディア論、情報社会論などの主要な潮流を紹介する。

3 マスメディアの歴史1:メディア史をたどる
文字や木版・活版印刷術などメディアの歴史をたどることで、情報伝達の手段が人間社会の発達とどのように連動してきたのかという点を概説する。

4 スメディアの歴史:新聞編
マスメディアの中でも早期に成立した新聞の歴史をたどり、それらが世論の形成にどのような影響を与えたのかという点について考える。

5 マスメディアの歴史:映画・ラジオ・テレビ編
映画・ラジオ・テレビといった映像や電波を使った20世紀のメディアテクノロジーの発展を紹介しながら、マスコミュニケーションが一般化した「メディア社会」の特性について考える。

6 メディアとプロパガンダ
メディア研究の発展ともかかわりの深いプロパガンダについて、歴史的な事例を取り上げながら概説する。とくにナチスドイツおよびヒトラーの事例を重点的に取り上げる。

7 ユダヤ系亡命知識人とメディア研究
アメリカをはじめとした国々に亡命したユダヤ系知識人の業績は、メディア研究をはじめとした人文社会学全体に大きな影響を与えた。この回ではラザースフェルド、アドルノ、フロム、ベンヤミン、アーレントなどを取り上げる。

8 マスメディアの影響力に関する理論1
マスメディアの影響力についての理論の発展を取り上げる。古典的な弾丸効果モデル(『火星からの襲来』)と限定効果論(『ピープルズ・チョイス』『パーソナル・インフルエンス』)について取り上げる。とくに後者については政治学における投票行動研究への影響についても解説する。

9 マスメディアの影響力に関する理論2
マスメディアの影響力について議題設定、培養理論、エンコーディング・デコーディング、沈黙のらせんなどの諸理論を取り上げ、それぞれについて解説する。

10 メディアと戦後日本政治
戦後日本におけるメディアの歴史について、とくにテレビと自民党との関係を中心に取り上げる。また、近年の自民党のPR戦略についても議論する。

11 情報社会における政治
インターネットの歴史を概説し、それとともに発展してきた情報社会論について取り上げる。また、情報社会論的な言説が政治をどのように扱ってきたのかという点についても議論する。

12 現代の情報環境と世論の形成
インターネット空間はかつて新たな「公共圏」の基礎として期待されたが、近年では世論の分断を深めるものとして批判を受けている。この回では主要な議論を紹介し、変化しつつある現代のメディア環境を捉えていく。

13 メディアと社会運動
近年のインターネットは社会運動を発生させ、その賛同者を獲得していく場としても機能している。ここではアラブの春やウォールストリート運動などの事例も取り上げつつ、「ハッシュタグアクティビズム」の問題点についても考えていく。

14 メディアと排外主義
ポピュリズムと並んで近年研究が進んでいるのは排外主義であり、インターネットが排外主義的な言説を生み出す場となっていると指摘されてきた。この回では主要な研究を紹介するとともに、オンライン排外主義のもたらす問題点について考えていきたい。

15 メディアとポピュリズム
ポピュリズムの歴史について概説するとともに、様々なメディアを用いて自らの支持層を形成する現代のポピュリストについて考察する。 とくに現代におけるメディア政治の具体的な事例として、アメリカのトランプ政権を取り上げる。
履修条件・関連する科目
Course Prerequisites and Related Courses
必須ではないが、政治学関連の科目(「現代日本の政治と行政」「政治学原論」「西洋政治史」など)を履修してきたことが望ましい。また、社会学や社会心理学、メディア論などの関連領域にも関心を持っていることが望ましい。
成績評価の方法と基準
Course Evaluation Method and Criteria
小課題(50%)、期末レポート(50%)。小課題では各回の内容の要約ができているか、期末レポートでは各回で学んだ内容を各自で整理したうえで現代社会におけるメディアのあり方を論じられていることを合格の目安とする。合格の基準は両者の合計が100点満点中60点を超えることである。
教科書・テキスト
Textbook
特定の教科書は指定しないが、授業資料(スライド)をLMSにアップロードする。また、参考文献リストを別に紹介する。
参考書
Reference Book
佐藤卓己『現代メディア史 新版』(岩波書店)、伊藤明己『メディアとコミュニケーションの文化史』(世界思想社)、谷口将紀『政治とマスメディア』(東京大学出版会)、逢坂巌『日本政治とメディア』(中公新書)。
課外学習等(授業時間外学習の指示)
Study Load(Self-directed Learning Outside Course Hours)
LMSを使用して、毎回コメントシート課題を出す。指定期日までに提出すること。
注意事項
Notice for Students
毎回振り返りを兼ねたコメントシートが課題となり、その達成度が成績に反映されるため、授業に継続的に出席・参加することが必要である。講義内で授業内容に関連する映像作品を複数取り上げるので、関心があるものについては積極的に試聴してほしい。
授業開講形態等
Lecture format, etc.

授業開講形態(対面遠隔併用で実施する授業一覧)は、名古屋大学大学院法学研究科ホームページの「NEWS ニュース」に掲載します。URL:https://www.law.nagoya-u.ac.jp/
※履修登録後に授業形態等に変更がある場合には、NUCTの授業サイトで案内します。
List of hybrid classes employing both face-to-face and remote teaching methods will be posted in the "News" of the homepage of the Graduate School of Law.
URL:https://www.law.nagoya-u.ac.jp
*If there are any changes in the teaching methods after the period of course registration, it will be announced on NUCT.
遠隔授業(オンデマンド型)で行う場合の追加措置
Additional measures for remote class (on-demand class)

遠隔授業はNUCTで行う。教員への質問方法、学生同士の意見交換の方法は次のとおりとする。なお、教員より別の指示がある場合は、その指示に従うこと。
・教員への質問は、NUCT機能「メッセージ」により行うこと。
・授業に関する受講学生間の意見交換は、NUCT機能「メッセージ」により行うこと。
(※担当教員が「フォーラム」機能を追加設定した場合は「フォーラム」も利用可。)
Remote classes are conducted via NUCT. Questions to instructors should be asked using the NUCT "Message" function.
Student discussions will be conducted using the NUCT "Message" function. (If the instructor has added the "Forum" function, the "Forum" can also be used.)
Follow your instructor's directions if your instructor has any other directions.