授業の目的 【日本語】 Goals of the Course(JPN) | | 本講義では、古今東西の通貨と信用の歴史を振り返る作業を踏まえて、現代の金融の諸課題(たとえば、非常に攻撃的な量的金融緩和、暗号通貨の普及、金融危機の予防と対応など)を解明する視座を得ることを目的とする。 |
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授業の目的 【英語】 Goals of the Course | | This lecture devotes its two thirds to a history of credits and currencies in both western and eastern countries including Japan, and the remaining one third to discussions of current policy issues, including cryptocurrencies, quantitative easing, and financial crises, in the historical contexts. |
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到達目標 【日本語】 Objectives of the Course(JPN) | | 受講生が、金融史、経済史にかかわる理論的、実証的な研究を深いレベルで理解するとともに、そこから得た知見を現在の金融制度や金融行政、あるいは、金融政策へ応用できる能力を養う。 |
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授業の内容や構成 Course Content / Plan | | 1 人間関係のなかにある金融:約束と信用、貨幣の聖俗、信用の膨張と抑制 2 共同体における交換と信用:信用なき物々交換と略奪、信用と貨幣の螺旋階段、記憶としての貨幣 3 銀行の誕生:譲渡可能な預金、預託から預金へ、口頭の約束から文書の契約へ 4 信用創造:信用を超越する信用、株式会社の誕生、中央銀行の誕生、バブル狂騒曲、国家の金融から産業の金融へ 5 越境する通貨と信用:外国為替手形、金本位制の栄光と挫折、基軸通貨、非常時の外国為替 6 銀の世界、金の世界:新大陸の銀と価格革命、金本位制度とゴールドラッシュ、19世紀米国の通貨論争、貨幣数量説の起源 7 中央銀行の形:決済のプラットフォーム、最後の貸し手、物価の安定と経済の安定、セニョリッジ 8 貨幣と信用の日本史:古代の貨幣と信用、中世の信用と徳政、戦国時代の国際金融、江戸時代金融の爛熟、戦争と金融、沖縄返還と通貨 9 利子をめぐる攻防:近代のための神学に向けて 10 破約に対する過酷と寛容:返済をめぐるモラルとペナルティー 11 証券取引の風景:店頭の取引、取引所の取引 12 デリバティブの世界:「信用を超越した信用」を超越する信用 13 金融史から見た暗号通貨の世界:暗号通貨は信用貨幣なのか、鋳貨なのか 14 金融史から見た金融危機への対応:危機における人間たち 15 金融史から見た攻撃的な量的緩和政策:量的緩和による信用創造の限界、負の金利政策の帰結 |
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履修条件・関連する科目 Course Prerequisites and Related Courses | | マクロ経済学、ミクロ経済学、計量経済学の基本的な知識を有すること。 |
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成績評価の方法と基準 Course Evaluation Method and Criteria | | 毎回、講義に即した小テストを宿題に課すとともに、学期の最後に提出期限1週間を目途とした持ち帰りの試験を課す。評価については、講義ごとに提出してもらう小テスト(40%)、期末レポート(60%)で評価する。全体として、C–評点以上を合格要件とする。成績評価の基準は、毎回の講義の内容について、予習をし、講義を受け、宿題を含み復習してきたのかどうか、そして、そうした学習行為の成果が期末提出レポートに十分に反映されているかどうかで評価を行う。 |
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教科書・参考書 Textbook/Reference Book | | 最初の講義で関連論文のリーディングズを配布する。参考書としては、デヴィッド・グレーバー『負債論:貨幣と暴力の5000年』(以文社、2016年)を批判的に用いていく。 |
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課外学習等(授業時間外学習の指示) Study Load(Self-directed Learning Outside Course Hours) | | 毎回の講義において、当該回の講義に関する小テストを宿題に課すとともに、次回の講義内容に関する予習文献を指定する。学期の最後には、期限を1週間と設けた期末レポートを課す。 |
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注意事項 Notice for Students | | 受講者が毎週、論文や参考書を精読しておくことを前提とする講義である。 |
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授業開講形態等 Lecture format, etc. | | 教育レベルが1以下の場合、原則として対⾯授業とする。ただし、対⾯授業を希望しない学生には遠隔(同時双⽅向型またはオンデマンド型)でも受講できるよう、「対面・遠隔(同時双⽅向型またはオンデマンド型)の併⽤」とする。遠隔はNUCT等で行う。なお、オンデマンド型の場合、教員への質問および授業に関する受講学⽣間の意⾒交換は、NUCT機能「メッセージ」により⾏うこと。 ※履修登録後(本通知以後)に授業形態等に変更がある場合には、NUCTの授業サイトで案内します。 |
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遠隔授業(オンデマンド型)で行う場合の追加措置 Additional measures for remote class (on-demand class) | | |
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