授業の目的 【日本語】 Goals of the Course(JPN) | | 形を研究する数学である幾何学への入門.外側から見た形は素朴な意味での形である.しかし現代幾何学では外側がない状況で内在的意味での形が重要である.また,内在的な形を研究するために外側を考えることも重要である.形には,局所的な側面と大域的な側面がある.局所と大域の関連は,この講義で取り上げる重要な幾何学の問題である.本講義の目的は,現代幾何学のこれらの考え方を,曲線と曲面を素材として,非自明かつ最も素朴な形で紹介することである. Geometry is a branch of mathematics which studies shape of things. This course is an introduction to geometry. Comparison of shape from two view points outside/inside, local/global. Many examples of arguments (simplest but non-trivial) are provided. |
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授業の目的 【英語】 Goals of the Course | | |
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到達目標 【日本語】 Objectives of the Course(JPN)) | | 本講義の到達目標は,outside/inside および local/global の比較の雛形である「Gauss の驚異の定理」と「Gauss-Bonnetの定理とその応用例を理解すること」である. |
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到達目標 【英語】 Objectives of the Course | | |
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授業の内容や構成 Course Content / Plan | | 平面及び空間曲線論の概要(ウォーミングアップ).閉曲面の位相的分類.曲面の定義.曲面と複素関数論(リーマン面入門).3次元空間内の曲面と抽象的な曲面.曲面上の測量(第一基本形式).外から見た曲面の曲がり具合(第二基本形式). Gaussの驚異の定理(内在的曲面論の誕生). (局所および大域)Gauss-Bonnetの定理.GBの応用例:(i) Poincare-Hopfの指数定理, (ii) 曲面上の関数の臨界点と位相. 双曲平面(非ユークリッド幾何)と複素関数論 (Casorati-Weierstrassの定理,一意化定理の特別な場合など). |
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履修条件 Course Prerequisites | | 微積分と線形代数の十分なバックグラウンドが必要である.また,複素関数論と位相空間論のそれぞれの初歩のみを仮定する.複素関数論と曲面の関わりは本講義のテーマの一つである.群論が現れるが,これは「群とその空間への作用」の具体例と考えて欲しい.一方,本講義では,これらの数学と幾何学の関わりがテーマとなるので,本講義を通して復習できるだけでなく,理解を深めることが可能である. |
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関連する科目 Related Courses | | 全ての科目と関連している.特に位相空間論,複素関数論,測度論,群論.これらの数学は,本講義で具体例として何度も現れるであろう. |
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成績評価の方法と基準 Course Evaluation Method and Criteria | | レポートと期末テスト(遠隔テストは実施が難しいので,期末レポートになる可能性が高い)をそれぞれ4点,6点として,合わせて10点満点とする.合格基準は、合わせて6点以上をとることである. 普通に日頃のレポートを提出し、期末レポートを提出すれば,自然に合格できるはずである. |
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不可(F)と欠席(W)の基準 Criteria for "Fail (F)" & "Absent (W)" grades | | |
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参考書 Reference Book | | [1] 宮岡礼子著「曲線と曲面の現代幾何学」岩波書店 (2019) . ポイントをおさえたあっさりした記述で,読みやすい教科書になっている.古典理論と現代幾何学の橋渡しがうまくいっている.
[2] 長野正著「曲面の数学」培風館 (1967) . 数学的イマジネーションを身につけられる本. 自分はできると思っている人には,おすすめ.序文に高校生にも読めると書いてあるが,もしこれが読めれば 自分の数学のセンスに自信を持っていいだろう.
[3] N. J. Hitchin, ``Geometry of Surfaces'' (2004, onlineで入手可) . 本講義で最も参考にした講義ノート.文化の香りたつ格調高い講義録. |
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教科書・テキスト Textbook | | ここ数年の講義で使っている講義ノートを編集し直して15回分に区切ったものをNUCTにアップロードする. 同時にレポート問題をアップロードする. 本講義では特定の教科書は指定しない.各自で好きな本や講義録を図書館やオンラインで見つけるのも,数学の学習の重要な一部である.本講義のスタイルに近い本2冊と講義録1本を,参考書としてあげておく. |
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課外学習等(授業時間外学習の指示) Study Load(Self-directed Learning Outside Course Hours) | | |
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注意事項 Notice for Students | | 曲面論を展開する講義スタイルには微分形式を使うか使わないかで分けられる(中間的なものもある).本講義では微分形式をほとんど使わないやり方を選択する.その理由は,微分形式を使った形式的な議論をやる前に,素朴な幾何的直観を養う方が先だろう,と私が思っているのが主な理由である.また,微分形式は3年後期の幾何学要論IIで取り上げられることになっているからでもある(が,これは担当者によって変わることもあるだろう).なお,参考書 [1] [2] は,微分形式を使って曲面論を展開していて,微分形式の良質な入門にもなっている. |
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他学科聴講の可否 Propriety of Other department student's attendance | | |
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他学科聴講の条件 Conditions for Other department student's attendance | | |
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レベル Level | | |
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キーワード Keyword | | 曲線.曲面.第一基本形式(リーマン計量).第二基本形式.測地線.ガウス曲率.位相不変量.計量不変量. 外在的と内在的.Gauissの驚異の定理.局所と大域.局所および大域 Gauss-Bonnetの定理. |
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履修の際のアドバイス Advice | | 曲面の数学は,1変数及び多変数微積分,線形代数,複素関数論,位相の格好の応用の場である.これらの基礎的な数学の理解を深めることになる.この基礎の上に,幾何学の問題意識を学び,それらの一部がどのようにして解かれるかを学ぶのが,本講義でやることである.学生は,幾何学の問題意識とそれを解決するアイディアとは何なのかを意識しながら,曲面論を学んで欲しい. |
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授業開講形態等 Lecture format, etc. | | |
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遠隔授業(オンデマンド型)で行う場合の追加措置 Additional measures for remote class (on-demand class) | | |
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