授業の目的 【日本語】 Goals of the Course(JPN) | | 物理学と数学は目標や価値観がまったく異なる学問であるが,互いに刺激を与えながら長年に渡り発展してきた.物理学の目標の一つは自然現象に定量的説明を与えることである. 19世紀になると, 原子仮説を基にさまざまな自然現象が解明されはじめ, 原子そのものの物理法則への関心が高まっていた. 20世紀に入り, プランク, アインシュタイン, ボーア, シュレーディンガー, ハイゼンベルグ, ディラック, パウリをはじめとする多数の物理学者による狂人的アイデアの積み重ねにより, 量子力学という新しい物理法則が見出された.観測問題など深刻な未解決問題を含みながらも原子スケールの実験事実をことごとく精確に説明しうる理論体系であった. その後(重力以外の)場の理論の量子化が与えられ素粒子の標準模型として結実している.
この講義では量子力学の基礎を一通り解説し,周辺の話題について概説する.物理学としての基本的な内容を主に議論するが,数学的側面や発展した話題についても触れたい. |
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授業の目的 【英語】 Goals of the Course | | I would like to discuss some elementary topics on quantum mechanics from the viewpoint of physics. |
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到達目標 【日本語】 Objectives of the Course(JPN)) | | 量子力学の基礎を習得し、数学と物理学の違いを理解する。 |
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到達目標 【英語】 Objectives of the Course | | We learn basic of quantum mechanics and understand the difference between mathematics and physics. |
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授業の内容や構成 Course Content / Plan | | 詳しいシラバスは初回の講義にて紹介する. 以下のテーマを取り扱う予定である(変更の可能性は十分にあり):
1) 解析力学の復習 2) 前期量子論 3) 量子力学の体系 4) シュレーディンガー方程式の解法(調和振動子, 水素原子など) 5) 角運動量とスピン 6) 多粒子系の理論(ボゾンとフェルミオン) 7) 経路積分 8) WKB近似 9) 対称性と保存則 10) 電磁場中の荷電粒子 11) 発展した話題(超対称性量子力学, ウィッテンのモース理論, 場の量子論の初歩) |
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履修条件 Course Prerequisites | | 線形代数・微積分の知識およびある程度の計算力があれば十分である. 物理学の素養は仮定しない. 解析力学・変分法・リー群の表現論などは講義の中で必要になればその分だけ適宜解説する. |
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関連する科目 Related Courses | | 数理物理学Iの続編にあたる内容である. (数理物理学Iの履修は前提としない) |
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成績評価の方法と基準 Course Evaluation Method and Criteria | | 主題についての理解をレポートを含めて総合的に判断する. 詳しくは第1回目の講義(10月4日)で説明する. |
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不可(F)と欠席(W)の基準 Criteria for "Fail (F)" & "Absent (W)" grades | | レポート未提出者は「欠席(W)」。提出したが合格基準に達しなかった者は「不可(F)」 |
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参考書 Reference Book | | 参考書・関連文献は講義の中で適宜紹介するつもりであるが, 例えば以下の本は参考になるかもしれない:
[1] 国広悌二「量子力学」(東京図書・基幹講座物理学) [2] 砂川重信「量子力学」(岩波書店)外函入りハードカバー版 [3] 猪木慶治,川合光「量子力学I,II」(講談社) [4] J.J.サクライ,「現代の量子力学(上・下)」(吉岡書店) [5] 江沢洋,並木美喜雄 他, 「量子力学I・II」(岩波現代物理学の基礎3・4) [6] 清水明,「量子論の基礎」(サイエンス社) [7] 坂本眞人「場の量子論」(裳華房) |
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教科書・テキスト Textbook | | |
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課外学習等(授業時間外学習の指示) Study Load(Self-directed Learning Outside Course Hours) | | 毎週、復習に役立つような課題を提供する。これとは別にレポート問題を随時出題する。学習の助けになれば幸いである。 |
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注意事項 Notice for Students | | 授業サポートページを作成する予定である: http://www.math.nagoya-u.ac.jp/~hamanaka/ |
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他学科聴講の可否 Propriety of Other department student's attendance | | |
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他学科聴講の条件 Conditions for Other department student's attendance | | |
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レベル Level | | |
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キーワード Keyword | | 量子仮説, 正準量子化, シュレーディンガー方程式, ハイゼンベルグの不確定性原理, 角運動量とスピン, パウリの排他律, SU(2)・SO(3)の表現論, 水素原子(ボーア模型・SO(4)対称性), ボゾンとフェルミオン, 経路積分, WKB近似, トンネル効果, 超対称性, Wittenのモース理論 |
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履修の際のアドバイス Advice | | 数学と物理学は目標や価値感がまったく異なる.このことを常に念頭に置くことが望ましい. |
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授業開講形態等 Lecture format, etc. | | 今のところ対面形式の予定であるが、状況によってはオンライン形式に変更されるかもしれない。 |
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遠隔授業(オンデマンド型)で行う場合の追加措置 Additional measures for remote class (on-demand class) | | 授業開講形態に関わらず、NUCTに資料を掲載する予定である。感染予防のため、レポート提出などもすべてNUCT経由とする。 |
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