学部・大学院区分
Undergraduate / Graduate
理学部
時間割コード
Registration Code
0651211
科目区分
Course Category
専門科目
Specialized Courses
科目名 【日本語】
Course Title
生物物理学Ⅰa
科目名 【英語】
Course Title
Biophysics Ia
コースナンバリングコード
Course Numbering Code
担当教員 【日本語】
Instructor
廣明 秀一 ○
担当教員 【英語】
Instructor
HIROAKI Hidekazu ○
単位数
Credits
1
開講期・開講時間帯
Term / Day / Period
秋1期 水曜日 2時限
Fall1 Wed 2
授業形態
Course style
講義
Lecture
学科・専攻
Department / Program
生命理学科
必修・選択
Compulsory / Selected
選択


授業の目的 【日本語】
Goals of the Course(JPN)
理学部生命理学科が目指す「基礎科学の研究をとおして、また科学的素養を活かして、社会の様々な分野で大きく貢献できる人材」を育成するために、極めて複雑なシステムである生命の物理化学的理解は必須である。この講義の目的は、生命の構成要素たる生体高分子(蛋白質分子および核酸)の構造・物性・相互作用を、物理学の原理まで掘り下げて理解することである。さらに、最先端の研究のためには、高度な生体計測・機器分析の利用が必須である。

本講義は、IaとIbに分かれており、生命を構成する分子であるタンパク質と脂質二重膜について解明する、構造生物学的手法(核磁気共鳴法(Ia)と電子顕微鏡(Ib))や他の物理化学的計測法(Ib)について、基礎知識とその応用法を学ぶ。

Iaでは特にタンパク質の溶液中の構造と相互作用、複合体形成、分子運動に焦点をあて、NMR法について講義する。また、講義中の演習を通じて、専門的思考力の涵養も試みる。
授業の目的 【英語】
Goals of the Course
The Department of Biological Sciences aims to develop human resources who can make significant contributions to various fields of society through research in basic science and by utilizing their scientific background. The purpose of this course is to understand the structure, properties, and interactions of biological macromolecules (protein molecules and nucleic acids), the building blocks of life, by delving into the principles of physics. Furthermore, the use of advanced bioinstrumentation and instrumental analysis is essential for cutting-edge research.

This lecture is divided into two parts, Ia and Ib, in which students will learn the fundamentals and applications of two structural biology methods with atomic-level resolution: nuclear magnetic resonance (Ia) and X-ray crystallography (Ib).

In Ia, we will focus on the structure and interaction of proteins in solution, complex formation, and molecular motion, and lecture on NMR methods. The course also attempts to cultivate professional thinking skills through exercises during the lectures.

Translated with www.DeepL.com/Translator (free version)
到達目標 【日本語】
Objectives of the Course(JPN))
1 タンパク質立体構造の基本的な階層性が説明できる
2 タンパク質2次構造のそれぞれの安定性や性質が説明できる
3 構造生物学に必要なタンパク質試料の試料調製法の基礎が実践できる
4 NMRの基本原理やNMRスペクトルに現れる基本的な数値の意味が説明できる
5 タンパク質のNMRの解析、特に残基特異的連鎖帰属の原理が説明でき、実際に簡単な課題が解決できる
到達目標 【英語】
Objectives of the Course
1 Students will be able to explain the basic hierarchy of protein structures.
2 Students will be able to explain the stability and properties of each of the secondary protein structures
3. Students will be able to practice the basic methods of sample preparation of protein samples necessary for structural biology
4 Students will be able to explain the basic principles of NMR and the meanings of basic values that appear in NMR spectra
5 Students will be able to explain the principles of NMR analysis of proteins, especially residue specific chain attribution, and to be able to solve simple problems in practice
授業の内容や構成
Course Content / Plan
以下の内容について、教科書に準じて解説する。必要に応じてプリントまたは冊子を配布する。Iaを廣明が、Ibを成田が担当する。
(Ia)タンパク質のNMR

・分子の大きさと形の測定・タンパク質構造の階層性(11章)
・構造生物学に必要なタンパク質試料調製の基礎(プリント)
・核磁気共鳴分光法の導入としての量子力学基礎(9章)
・核磁気共鳴分光法(磁気共鳴の原理、装置、化学シフト、カップリング)(13章)
・パルスFT-NMR、核スピンの量子力学的取り扱い、磁化移動と多核種多次元NMR、タンパク質のNMR解析の原理と演習)(13章)

□□□□   参考 


(Ib)クライオ電子顕微鏡法、生体膜、細胞間相互作用  
・クライオ電子顕微鏡法による生体高分子の原子レベル分解能での構造解析、フーリエ変換(成田)
・生体膜の性質 (瀧口)
・細胞間相互作用の性質の理解 (平子)
履修条件
Course Prerequisites
高校の物理・化学・数学を理解していること。基礎生物物理学Ia/Ibの履修登録をしていること。できれば両者の単位を修得していることが望ましいが、単位が取得できなかったものは、適宜復習し知識の習得に努めること。

この科目はabセットで履修しなくても良いがbの内容を理解するためにaの内容の前半は必須である。


This course will be taught in Japanese. However, for better understanding of b, the former part of a is necessary.
関連する科目
Related Courses
基礎生物物理学Ia/Ib
基礎生化学Ia/Ib~IIIa/IIIb
成績評価の方法と基準
Course Evaluation Method and Criteria
講義中に実施するNMR演習と、筆記試験で総合的に判断する。

NMR演習は講義第6回目に行い提出物を提出する。

更に期末筆記試験を第8回目講義の後半50分を使って実施するので必ず受験すること(Ia)。
不可(F)と欠席(W)の基準
Criteria for "Fail (F)" & "Absent (W)" grades
履修取り下げを申し出ないまま講義第6回に予定しているNMR演習テストを期末テストを欠席した場合は欠席であっても不可とする。
参考書
Reference Book
バイオサイエンスのための物理化学 第五版(猪飼篤監訳 東京化学同人)

NMR分光法(分光法シリーズ3) 阿久津秀雄 他(講談社)※おすすめ

「Essentialタンパク質科学」(南江堂)(Ia)
教科書・テキスト
Textbook
アトキンス生命科学のための物理化学 第二版(東京化学同人)(Ia/Ib共通)
課外学習等(授業時間外学習の指示)
Study Load(Self-directed Learning Outside Course Hours)
別途、タンパク質のNMRに関する冊子を配布するので課外時間中によく学習しておくこと。
更に学習を進めたい場合は、自習用ウェブ教材や、英語原著論文を別途指示する。
注意事項
Notice for Students
本講義の最終目標は、タンパク質立体構造情報に基づき創薬を行い、現在世界中で人類の脅威となっている新型ウイルスの流行など、危機に立ち向かう勇気ある知識人たる構造生物学者・創薬科学者の育成へと導くことである。

構造生物学的視点を常に研究に活かすことで、3年次後期以降の研究室配属における卒業研究において、最先端の知識を活かしつつ専門科学を深く正しく理解し、独創的な研究を自律的に推進することができるようになる。

抗ウイルス薬の研究に興味がある学生さんは2年次の間であっても随時研究室の見学を歓迎します。
他学科聴講の可否
Propriety of Other department student's attendance
不可
他学科聴講の条件
Conditions for Other department student's attendance
物理化学に関する何らかの基礎講義を履修済みであること。タンパク質科学の研究に興味があること。構造生物学、構造インフォマティクス、立体構造情報に基づく創薬などに興味があり、将来、関連の大学院への進学を目指すものを特に歓迎する。
レベル
Level
構造生物学の初級
キーワード
Keyword
核磁気共鳴法
セントラルドグマ
天然変性タンパク質
液液相分離
タンパク質立体構造
立体構造に指南された創薬
履修の際のアドバイス
Advice
将来創薬科学研究科に進学してアカデミアや製薬企業などで研究者として活躍したい学生は、生物物理学IaとIbに主体的に参加してください。
授業開講形態等
Lecture format, etc.
新型コロナウイルス感染症の感染者数の状況を見据えつつ、原則、対面方式で実施する。ただし、講義中のパワーポイント画面ならびに講義音声は、TEAMSによりリアルタイム配信を行う。
遠隔授業(オンデマンド型)で行う場合の追加措置
Additional measures for remote class (on-demand class)
講義PDFをNUCTで閲覧可能とする。講義音声については、要望があれば対応する。