学部・大学院区分
Undergraduate / Graduate
多・博前
時間割コード
Registration Code
3212136
科目区分
Course Category
B類(講究)
Category B
科目名 【日本語】
Course Title
幾何学講究4
科目名 【英語】
Course Title
Seminar on Geometry 4
コースナンバリングコード
Course Numbering Code
担当教員 【日本語】
Instructor
納谷 信 ○
担当教員 【英語】
Instructor
NAYATANI Shin ○
単位数
Credits
4
開講期・開講時間帯
Term / Day / Period
秋集中 その他 その他
Intensive(Fall) Other Other
授業形態
Course style

学科・専攻
Department / Program
多元数理科学研究科
必修・選択
Required / Selected


授業の目的 【日本語】
Goals of the Course(JPN)
テーマ: 極小曲面の数理

この少人数クラスのキーワードは極小曲面です。極小曲面は石鹸膜の数理モデルであり、数学的には局所的に面積が最小になる曲面です。平均曲率がいたるところゼロの曲面ということもできます。極小曲面の性質や例について学ぶとともに、新しい知見を得ることを目指します。

近年関心を集めている問題に、ラプラス作用素の固有値に関連するものがあります。ラプラス作用素は平面では2階微分の和ですが、曲面においてはその第1基本形式(リーマン計量)に依存して異なる形をとります。幾何解析における古典的問題の一つに、曲面上のラプラス作用素の第k固有値をリーマン計量をすべて動かして最大化する(上限を求め、それを実現するリーマン計量を求める)という問題があります。近年、この問題について大きな進展がなされました。とくに最大化計量が存在すれば、それは必ず(一般には高次元の)球面内の極小曲面の計量として実現されるという美しい定理が証明されています。この問題に取り組むことも一つの方向性として考えています。

極小曲面は古典的にはユークリッド空間において考えられてきましたが、前述のように球面のような曲がった空間における極小曲面も重要かつ興味深い対象でrす。そのようなものを扱うためにはリーマン幾何は必須ですので、リーマン幾何の基礎も合わせて学習します。

この少人数クラスでの学習を通じて、主体的に学習する姿勢、数学的思考力、他人と議論する力を身につけることも重要な目標です。

In this class we study minimal surface from geometric and analytic points of view. As a example of direction of study, there is an interesting relation between Laplacian eigenvalue maximizing problem and minimal surface in spheres. In order to become able to handle minimal surfaces in curved spaces such as spheres, we will also learn basics of Riemannian geometry.
授業の目的 【英語】
Goals of the Course
到達目標 【日本語】
Objectives of the Course(JPN))
1年生の場合は、リーマン幾何や極小曲面について学習し、極小曲面に関する研究論文に取り組みための準備を済ませること。2年生の場合は、極小曲面に関する研究論文に取り組み、できれば新たな知見を得ること。
到達目標 【英語】
Objectives of the Course
授業の内容や構成
Course Content / Plan
この少人数クラスでは、リーマン幾何や極小曲面に関する準備をした上で、極小曲面に関する研究論文に取り組み、新たな知見を得ることを目指します。

読み進める文献は相談の上で決めますが、一つの進め方として、教科書の欄にあげるテキストのいずれかで微分幾何の基礎を学んだ後に関連する論文の学習に進むことが考えられます。

実施方法: 週に1回、おもに輪講形式のセミナーによって文献を読み進めていきます。1回の時間は各受講者が概ね2週間に1回発表できるように設定します。発表者は文献の内容を明確に説明できるよう事前に十分準備することが求められます。

In this class, after preliminary study on differential geometry by possibly using the books 1 and/or 2 in the reference below, we proceed to work with research papers on minimal surfaces. We meet once a week and read through literatures. Presenters are required to prepare to clearly explain the content of the literatures.
履修条件
Course Prerequisites
学部3年生までに学習する数学の内容を理解しており、学部2年生までに学習する数学の内容に十分習熟していること。

Main language for this class is Japanese.
関連する科目
Related Courses
幾何学概論を始めとして、幾何学に関わる大学院講義科目を受講することは、この少人数クラスでの学習に役立ちます。
成績評価の方法と基準
Course Evaluation Method and Criteria
出席と発表・討論および研究の状況を総合的に評価して行います。合格の基準は、特別な事情のない限り毎回出席し、自分の担当の日に発表することです。A,B,C評価は発表・討論・研究の状況から判定します。
教科書・テキスト
Textbook
現時点では未定。受講者が確定してから相談の上で決定する。可能性として以下をあげておく。

1. Isaac Chavel, Riemannian geometry, A modern introduction, Cambridge University Press, 1994.

2. I. A. Taimanov, Lectures on Differential Geometry, European Mathematical Society, 2008.

3. R.Osserman, A survey of minimal surfaces, Dover Publications, 2013.

4. H. Blaine Lawson, Jr., Lectures on Minimal Submanifolds, 1980.
参考書
Reference Book
現時点では未定。受講者が確定してから相談の上で決定する。可能性として以下をあげておく。

1. Isaac Chavel, Riemannian geometry, A modern introduction, Cambridge University Press, 1994.

2. I. A. Taimanov, Lectures on Differential Geometry, European Mathematical Society, 2008.

3. R.Osserman, A survey of minimal surfaces, Dover Publications, 2013.

4. H. Blaine Lawson, Jr., Lectures on Minimal Submanifolds, 1980.
課外学習等(授業時間外学習の指示)
Study Load(Self-directed Learning Outside Course Hours)
注意事項
Notice for Students
無し
他学科聴講の可否
Propriety of Other department student's attendance
他学科聴講の条件
Conditions of Other department student's attendance
とくにありませんが、これまでの学習状況を確認した上で、聴講のあり方を相談します。
レベル
Level
2
キーワード
Keyword
極小曲面、リーマン幾何学
履修の際のアドバイス
Advice
知っていることが望ましい知識: 履修要件に記載したとおり。多様体を知っているとなおよいです。
授業開講形態等
Lecture format, etc.
遠隔授業(オンデマンド型)で行う場合の追加措置
Additional measures for remote class (on-demand class)