学部・大学院区分
Undergraduate / Graduate
多・博前
時間割コード
Registration Code
3213039
科目区分
Course Category
C類(実習)
Category C
科目名 【日本語】
Course Title
代数学実習3
科目名 【英語】
Course Title
Practical Class on Algebra 3
コースナンバリングコード
Course Numbering Code
担当教員 【日本語】
Instructor
岡田 聡一 ○
担当教員 【英語】
Instructor
OKADA Soichi ○
単位数
Credits
1
開講期・開講時間帯
Term / Day / Period
春集中 その他 その他
Intensive(Spring) Other Other
授業形態
Course style

学科・専攻
Department / Program
多元数理科学研究科
必修・選択
Required / Selected
選択必修


授業の目的 【日本語】
Goals of the Course(JPN)
テーマ:対称関数とその広がり

この少人数クラスでは,対称関数(特にSchur関数やその一般化)の理論や,関連するYoung図形などの組合せ論,対称群や古典群などの表現論などについて学習・研究を進める.
授業の目的 【英語】
Goals of the Course
Theme: Symmetric functions and related topics

This course (small group class) deals with the theory of symmetric functions and related combinatorics and representation theory.
到達目標 【日本語】
Objectives of the Course(JPN))
対称関数の理論や関連する諸分野の基礎を習得し,自分の研究を開始できるようになることを目標とする.また,文献を読んでその内容を理解し,さらにそれを他人に説明ができ,的確に質疑応答ができるようになることも重要な目標となる.
到達目標 【英語】
Objectives of the Course
The goals of this course are to
- acquire the basics of the theory of symmetric functions and related fields,
- be able to start you own research,
- obtain strong skills in reading and writing so that you can freely exchange mathematical ideas with others.
授業の内容や構成
Course Content / Plan
対称式(変数の置換に関して不変な多項式)やその無限変数版である対称関数は,数学の多くの場面に現れる基本的な対象である.特に,Schur関数と呼ばれる対称式(関数)は,表現論や組合せ論をはじめ,多くの分野において重要な役割を果たしている.例えば,次のような形で現れている.

・一般線型群の既約表現の指標,
・対称群の既約指標の値の母関数,
・半標準盤と呼ばれる組合せ論的対象の母関数,
・グラスマン多様体のコホモロジー環の基底,
・アフィンLie代数のある種の表現の基底,
・KP階層と呼ばれるソリトン方程式(微分方程式系)の解,
・円周上の自由電子の波動関数,...

そして,このように Schur関数が多くの側面をもつことから,その相互関係を通して多くの実りある結果が得られている.また,それぞれの側面からSchur関数の一般化や変種が考えられ,現在でも活発に研究が進められている.

この少人数クラスは,基本的には毎週3時間程度(時間は参加者数に依る)輪講形式で行い,休暇中は開講しない.対称関数の予備知識がない場合は参考書の [1] の Chapter I,[2] の Chapter 7,[3] の第 9 章などに基づいて,対称関数の理論の基礎と関連するYoung図形などの組合せ論,対称群や古典群などの表現論を学習する.その後は,各自が選んだテーマに関する発表を中心とする.また,表現論,組合せ論などの予備知識がある場合は,春学期から予備知識を生かして各自が選んだテーマを扱う.具体的な内容やテキストなどは参加者と相談の上決定する.

Symmetric functions appear in many areas of mathematics and physics. In particular, Schur functions plays an important role in many branches such as representation theory and combinatorics. They describe
- the irreducible characters of general linear groups,
- the irreducible characters of symmetric groups,
- the generating functions of semistandard tableaux,
- the Schubert basis of the cohomology ring of Grassmann varieties,

In this course, we meet every week (except for summer, winter, and spring vacations). We start with studying the basics of the theory of symmetric functions and related combinatorics and representation theory based on Chapter I of [1], Chapter 7 of [2], or Chapter 9 of [3].
履修条件
Course Prerequisites
レベル1の知識(学部3年生までに学習する程度のもの)があれば十分である.特に,線型代数や群論などの基礎をしっかりと理解していればよい.
関連する科目
Related Courses
線型代数,代数学,表現論
成績評価の方法と基準
Course Evaluation Method and Criteria
少人数クラスにおける発表内容,学習・研究を総合評価する.対称関数の理論,あるいは関連する組合せ論,表現論の基礎を習得し,その内容を正しく説明できることを合格の基準とする.
教科書・テキスト
Textbook
テキストは参加者と相談の上決定するが,テキストの候補として以下を挙げておく.
*[1] I. G. Macdonald, Symmetric Functions and Hall Polynomials, 2nd ed., Oxford Univ. Press, 1995.
*[2] R. P. Stanley, Enumerative Combinatoris II, Cambridge Univ. Press, 1999.
*[3] 岡田 聡一,古典群の表現論と組合せ論(上・下),培風館,2006.
参考書
Reference Book
[4] A. Lascoux, Symmetric Functions and Combinatorial Operators on Polynomials, Amer. Math. Soc., 2003.
[5] W. Fulton, Young Tableaux, Cambridge Univ. Press, 1997.
[6] 三輪 哲二,神保 道夫,伊達 悦朗,ソリトンの数理,岩波講座応用数学,岩波書店,2007.
[7] 白石 潤一,量子可積分系入門,サイエンス社,2003.
[8] L. Manivel, Symmetric Functions, Schubert Polynomials and Degeneracy Loci, Amer. Math. Soc., 2001.
課外学習等(授業時間外学習の指示)
Study Load(Self-directed Learning Outside Course Hours)
セミナーの準備も含め自主的な学習,研究が必要である.
注意事項
Notice for Students
特になし
他学科聴講の可否
Propriety of Other department student's attendance
他学科聴講の条件
Conditions of Other department student's attendance
事前に相談してください.
レベル
Level
2
キーワード
Keyword
対称関数,Schur 関数,Young 図形,対称群の表現論
履修の際のアドバイス
Advice
表現論側にシフトする,あるいは組合せ論側にシフトするなど,受講者の予備知識,希望などに応じて対応することができるので,オフィスアワー,メールなどでの相談を歓迎する.
授業開講形態等
Lecture format, etc.
対面での開講を予定している.授業形態等に変更がある場合には,メールで案内する.
遠隔授業(オンデマンド型)で行う場合の追加措置
Additional measures for remote class (on-demand class)
遠隔授業の場合は,対面授業に相当する教育効果を確保するための措置を講じる.方法などはメールで案内する.