学部・大学院区分
Undergraduate / Graduate
法・専学
時間割コード
Registration Code
9330102
科目区分
Course Category
実務基礎科目(必修)
Basic Courses in Legal Practice
科目名 【日本語】
Course Title
民事実務基礎Ⅰ
科目名 【英語】
Course Title
Fundamental Civil Procedure & PracticeⅠ
担当教員 【日本語】
Instructor
久田 淳一 ○ 村上 正子
担当教員 【英語】
Instructor
HISADA Junichi ○ MURAKAMI Masako
単位数
Credits
2
開講期・開講時間帯
Term / Day / Period
秋 火曜日 4時限
Fall Tue 4
対象学年
Year
2年
2
授業形態
Course style
演習
Lecture


授業の目的 【日本語】
Goals of the Course(JPN)
民事紛争の解決に当たっての法曹の重要な役割は,紛争当事者の言い分を法的な観点から構成し,これに適切な実体法規を適用することにより,適正迅速な紛争の解決を図ることにある。
その能力を養うためには,具体的な民事紛争において,いかなる事実が法的に重要であるのか(要件事実),争われている事実がどのようにして認定されるのか(事実認定)についての基礎的な知識と理解が不可欠である。
本授業は,法曹を目指す者が,これまでに習得した民事実体法の知識を具体的な民事紛争の解決の道具として使いこなすために必要とされる要件事実と事実認定の基礎を習得することを目的とするものであり,民事実体法と民事手続法とを有機的に関連させ,理論と実務を架橋する科目として位置づけられるものである。
授業の目的 【英語】
Goals of the Course
到達目標 【日本語】
Objectives of the Course(JPN)
本授業における到達目標は,以下の4点である。
1 民事訴訟の基本構造を踏まえた上で,要件事実の意義と役割を正確に理解する。
2 民事紛争の当事者の言い分から法的に重要な事実を抽出し,適切な争点を設定することができる。
3 民事証拠法の理論を踏まえた上で,争点に対する判断をするに当たっての枠組みの設定,証拠の評価を含む事実認定の方法,判断の過程といった事実認定の基礎を理解し,具体的な事例を通じて多面的な視点から事実を認定することができる。
4 ミニ模擬裁判を通じ,民事訴訟や争点整理手続について主体的な経験をするとともに,関連する民事手続法の規律についての知識を深める。
到達目標 【英語】
Objectives of the Course
授業の内容や構成
Course Content / Plan
授業計画は,おおむね次のとおりである。
 第1回 民事訴訟の基本構造
 民事訴訟の基本構造,訴訟物,要件事実の意義や機能に関する講義を行う。
 第2回 売買代金支払請求訴訟
 第3回 貸金返還請求訴訟
 第4回 所有権に基づく不動産明渡請求訴訟
 第5回 賃貸借契約の終了に基づく不動産明渡請求訴訟
 典型的な民事紛争について,言い分形式の設例を用いながら,訴訟物,請求原因・抗弁等といった攻撃防御の構造及びそれらの法律効果を発生させる要件事実について,対話型の講義を行う。
 第6回 記録教材演習1
 第7回 記録教材演習2
 より実際の訴訟記録に近い民事記録教材を用いて,民事第一審訴訟手続を概観するとともに,要件事実の検討を中心とする対話型の演習を行う。
 第8回 ミニ模擬裁判(争点整理手続)
 受講生全員が,原告代理人役,被告代理人役,裁判官役に分かれてミニ模擬裁判(争点整理手続)を行う。
 第9回 小テスト1
第10回 小テスト1講評
 要件事実の検討を中心とする小テストとその講評を行う。
第11回 事実認定の基礎講義
 事実認定の対象,方法,程度,事実認定と立証責任といった事実認定の基礎に関する講義を行う。
第12回 小テスト2
第13回 小テスト2講評
 比較的複雑な事件につき,要件事実や証拠の検討を行う小テストとその講評を行う。
第14回 事実認定演習
 民事記録教材を用いた事実認定の演習を行うとともに,和解等を含む民事訴訟実務に関する講義を行う。
第15回 要件事実(発展)
 発展的な内容を扱い,要件事実に習熟する。
履修条件・関連する科目
Course Prerequisites and Related Courses
受講生全員につき,民事訴訟法Ⅰを履修している必要がある。
法学未修者については,これに加え,民法基礎Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ,Ⅳ,Ⅴ(又はⅥ)を履修している必要がある。
成績評価の方法と基準
Course Evaluation Method and Criteria
(1) 要件事実及び事実認定に関する課題レポート(合計20点)
(2) 要件事実を中心とする小テスト(合計30点)
(3) 期末試験(50点)
合計60点以上を合格とする。
教科書・テキスト
Textbook
司法研修所 編 「新問題研究要件事実 付-民法(債権関係)改正に伴う追補-」(法曹会)2020年
司法研修所 編 「3訂紛争類型別の要件事実-民事訴訟における攻撃防御の構造-」(法曹会)2021年
司法研修所 編 「事例で考える民事事実認定」(法曹会)2014年
大島眞一 著 「完全講義 民事裁判実務の基礎〔第3版〕(上)」(民事法研究会)2019年
参考書
Reference Book
加藤新太郎 編 「民事訴訟実務の基礎 第4版」(弘文堂)2019年
村田渉・山野目章夫 編 「要件事実論30講 第4版」(弘文堂)2018年
土屋文昭・林道晴 編 「ステップアップ民事事実認定 第2版」(有斐閣)2019年
その他,授業内で紹介する。
課外学習等(授業時間外学習の指示)
Study Load(Self-directed Learning Outside Course Hours)
各授業回に先立ち,設例を出題する。受講生は,設例を各自で検討した上で,ブロックダイアグラムを含むレポートの作成・提出を要する。
また,ミニ模擬裁判の授業回においては,役割に応じ,訴状,答弁書,準備書面,争点整理案等の作成・提出を要する。
注意事項
Notice for Students
初回授業までに,司法研修所 編「新問題研究要件事実 付-民法(債権関係)改正に伴う追補-」(法曹会)を通読しておく。
また,本授業では,Excelを使用したブロックダイアグラムの作成を求めるため,予めExcelの基本的な操作に習熟しておく必要がある。
授業開講形態等
Lecture format, etc.

授業開講形態(対面遠隔併用で実施する授業一覧)は、名古屋大学法科大学院ホームページの「News」に掲載します。URL:https://www.law.nagoya-u.ac.jp/ls/
※履修登録後に授業形態等に変更がある場合には、TKCシステム又はNUCTの授業サイトで案内します。
遠隔授業(オンデマンド型)で行う場合の追加措置
Additional measures for remote class (on-demand class)

遠隔授業はTKCシステム又はNUCTで行う。教員への質問方法、学生同士の意見交換の方法は次のとおりとする。なお、教員より別の指示がある場合は、その指示に従うこと。
・教員への質問は、TKCシステム又はNUCT機能「メッセージ」により行うこと。
・授業に関する受講学生間の意見交換は、TKCシステム又はNUCT機能「メッセージ」により行うこと。
(※担当教員がNUCTの「フォーラム」機能を追加設定した場合は「フォーラム」も利用可。)