学部・大学院区分
Undergraduate / Graduate
法・専学
時間割コード
Registration Code
9330401
科目区分
Course Category
実務基礎科目(必修)
Basic Courses in Legal Practice
科目名 【日本語】
Course Title
法曹倫理
科目名 【英語】
Course Title
Legal Ethics
担当教員 【日本語】
Instructor
松尾 陽 ○ 山田 麻登
担当教員 【英語】
Instructor
MATSUO Yoh ○ YAMADA Asato
単位数
Credits
2
開講期・開講時間帯
Term / Day / Period
秋 木曜日 3時限
Fall Thu 3
対象学年
Year
3年
3
授業形態
Course style
演習
Lecture


授業の目的 【日本語】
Goals of the Course(JPN)
若い年次の法曹実務諸科目をできるだけ修めた上で受講。こうして法曹の社会的現実を多少とも実感した上で,法曹倫理の授業を集中的に受講,法曹としての責任感・倫理観を涵養し,社会貢献ができるための素養を身につける。たとえば弁護士倫理の場合,弁護士活動を律する執務規範の概要を学び,わが国における弁護士の歴史と現況を確認し,原則に立ち戻り,その社会的責務を考察する。なお、本講義は,「法科大学院における共通的な到達目標」に沿って,具体的講義内容を設定している。実践の場における判断や行動,表現ができるように,講義形式だけでなく,先輩法曹との事例研究やシミュレーション・ビデオの解析など,多様な教育手法を活用。実務家教員と研究者教員とのチーム・ティーチング。
授業の目的 【英語】
Goals of the Course
到達目標 【日本語】
Objectives of the Course(JPN)
(1)具体的な職業倫理上の問題が提起する思想的歴史的問題性格がわかり,法的知識と手法を応用することによってその解決を図ることができる。 (2)職業倫理的な問題が現れるロイヤリングの場面,その他,法律基本科目・展開先端科目においても法曹倫理問題を認知し,適切に対応することができる。 (3)職業倫理の問題がどのように生き方や公共哲学の問題と関わるかを体感できる。 これらを通し,豊かな人間性の涵養・向上をめざす。
到達目標 【英語】
Objectives of the Course
授業の内容や構成
Course Content / Plan
1

21世紀日本法曹の社会的責任・弁護士の専門職責任総説

1) コースの概要説明 1-1)講義の目標の確認、シラバスの説明 1-2)授業方法、成績評価の説明 2)① <法曹倫理>概念とその意義を理解するための全体状況概観。 法曹倫理を学ぶ意義,21世紀日本社会の課題,公共性の革新,信頼される司法の理念、法律職の専門職責任を理解する。 ② 事例考察とコア価値説明を踏まえて、在野でありながら公共的責務を持つ弁護士の専門職責任について考察する。

効率的に授業参加する準備:コアカリの通読、シラバスシステム利用法の確認,等. 森際康友編『法曹の倫理』3版(名古屋大学出版会)の 「はしがき」と「終章」を熟読しておくこと。


2

誠実義務

以下4回にわたり,民事事件を中心に、弁護士倫理の中核的価値・原理を取り扱う。
【誠実義務】 1)誠実義務が弁護士倫理の根幹をなすことを説明できるように支援する。 2)誠実義務の具体的表現である(ア)利益相反、(イ)守秘義務 について理解する。

教科書の第1章の通読 教科書第1章の章末設問1と


3

利益相反(1)

事例研究を通して利益相反の諸類型と問題性格を説明できるように支援する。
今回は、職務基本規程27条28条を概観する。

教科書の第2章の通読
教科書第2章の章末設問1を中心に討論予習.


4

利益相反(2)

職務基本規程 27 条 28 条の概観を踏まえて、利益相反の類型を学習する。
中立型調整役弁護士などの応用論点も取り扱う。

教科書第2章の通読、章末設問2を中心に討論予習。


5

守秘義務

事例研究を通して守秘義務の諸類型と問題性格を説明できるように支援する。
ゲスト講師: 尾関栄作弁護士

教科書第3章の通読と章末設問1および配付課題(設問付き)を中心に討論予習.


6

原理編のまとめ
講義篇と演習篇

今回は、原理編の内容をおさらいし、これまでの講義で取りこぼした設問などを取り扱う。

教科書第10章3節の通読と設問2 なお、次回の第7講はこれまでの原理の適用であり、また、予習の範囲が広い.この回の予習と連続して通読を進められたい. 小レポートの課題を提示(A・Bクラス共通)


7

依頼者と弁護士の関係(1)
講義篇と演習篇

以下3講では、相談・受任・調査・事件処理、そして辞任・紛議調停まで,時系列的にどのような問題が起こりうるかを総合的に考察する。 本講では、最近の状況を説明の上、弁護士生活でどのような問題が起こりうるかを実態的に考察する。 ゲスト講師: 柴垣直哉弁護士

第4、5、6章の熟読、予習すべき設問は5章設問1


8

依頼者と弁護士の関係(2)
講義篇と演習篇

1)弁護士生活における職業倫理問題を総合的に考察。 2)組織内弁護士の増加、グローバル化の状況など、弁護士の置かれた状況を理解する。
3)弁護士と相手方・第三者との関係,および他の弁護士,裁判所との関係に関わる主要問題を考察する。
4)どのような問題が起こりうるかを演習問題を中心に実態的に考察する。

教科書第7章の通読。第7章の章末設問1の予習。


9

刑事事件(1)
講義篇と演習篇

小レポートの講評
刑事事件に関わる弁護士の専門職責任を2回に分けて考察。 本講では,依頼者と弁護士の関係を理解する。

教科書第8章の通読と章末設問1を討論予習.


10

刑事事件(2) 講義篇と演習篇

弁護士と被害者・第三者,裁判官・検察官との関係を理解する。 ゲスト講師: 馬場陽弁護士

教科書第8章を復習の上、章末設問3


11

裁判官の専門職責任
講義篇と演習篇

裁判官制度の沿革・職務・役割,職業倫理(具体例を用いた考察)

教科書第11章の通読と章末設問1を改訂した設問


12

検察官の専門職責任
講義篇と演習篇

検察官制度の沿革・職務・役割,職業倫理(2010年大阪地検特捜部主任検事証拠改竄事件を用いて考察するので、各自事件の概要を調査しておくこと)

教科書第12章の通読、章末設問1を中心に討論予習.


13

弁護士の社会的責任
講義篇と演習篇

弁護士の社会的責任の3要素 1)公共的責任: プロ・ボノ活動、広報などアクセスの保障、多様な政策形成への寄与など 2)経営責任: 弁護士事務所の経営・管理責任,業態の多様化,営業活動の制限と緩和,「非弁提携」 3)これらを媒介するものとして、集団的責任: 弁護士制度と弁護士会の沿革,弁護士自治の理念を踏まえた,弁護士会等、自治組織の一員としての責任
ゲスト講師: 浅賀哲弁護士

教科書第9章の通読と章末設問1,2を中心に討論予習.


14

弁護士の専門職責任の複雑性
講義篇と演習篇

経営者・組織人・公共人という弁護士の3つの立場との関連で専門職責任を理解し, グローバル化が進む中での欧米と比較する。 ゲスト講師: 石畔重次弁護士

教科書10章の通読、10章の設問3と配布資料を中心に討論予習.


15

総括

総括討論 教員による総合的講評



16

試験
履修条件・関連する科目
Course Prerequisites and Related Courses
特になし
成績評価の方法と基準
Course Evaluation Method and Criteria
(1)授業への参加意欲  30%   到達目標(1),(2),(3)の口頭表現能力 (2)小レポート1回   20%   到達目標(1),(2),(3)の記述表現能力 (3))学期末試験            50%   到達目標(1),(2),(3)の記述表現能力
総合点60%以上を合格とする。
教科書・テキスト
Textbook
森際康友編『法曹の倫理』第3版(名古屋大学出版会、2019年) ※各講義は、本教科書該当章の熟読を前提に進める。
参考書
Reference Book
講義の進行にあわせて適宜指示。インターネット上で参照可能でないものは,プリントして配布。
課外学習等(授業時間外学習の指示)
Study Load(Self-directed Learning Outside Course Hours)
*次回の授業の予習をすることが求められている。予習範囲は、シラバスの中で示されている。
注意事項
Notice for Students
多様な観点を理解するために,浅賀哲、石畔重次、尾関栄作、馬場陽、柴垣直哉の弁護士をゲストとして招く。
授業開講形態等
Lecture format, etc.

授業開講形態(対面遠隔併用で実施する授業一覧)は、名古屋大学法科大学院ホームページの「News」に掲載します。URL:https://www.law.nagoya-u.ac.jp/ls/
※履修登録後に授業形態等に変更がある場合には、TKCシステム又はNUCTの授業サイトで案内します。
遠隔授業(オンデマンド型)で行う場合の追加措置
Additional measures for remote class (on-demand class)

遠隔授業はTKCシステム又はNUCTで行う。教員への質問方法、学生同士の意見交換の方法は次のとおりとする。なお、教員より別の指示がある場合は、その指示に従うこと。
・教員への質問は、TKCシステム又はNUCT機能「メッセージ」により行うこと。
・授業に関する受講学生間の意見交換は、TKCシステム又はNUCT機能「メッセージ」により行うこと。
(※担当教員がNUCTの「フォーラム」機能を追加設定した場合は「フォーラム」も利用可。)