学部・大学院区分
Undergraduate / Graduate
法・専学
時間割コード
Registration Code
9350700
科目区分
Course Category
基礎法学・隣接科目
Basic Law and Related Courses
科目名 【日本語】
Course Title
比較法Ⅱ
科目名 【英語】
Course Title
Comparative LawⅡ
担当教員 【日本語】
Instructor
島田 弦 ○
担当教員 【英語】
Instructor
SHIMADA Yuzuru ○
単位数
Credits
2
開講期・開講時間帯
Term / Day / Period
秋 水曜日 2時限
Fall Wed 2
対象学年
Year
1年
1
授業形態
Course style
演習
Lecture


授業の目的 【日本語】
Goals of the Course(JPN)
通常の法学講義は、近代西ヨーロッパにおいて発展してきた近代法modern lawを学ぶものである。しかし、近代西洋とは、社会構造、経済状況、政治体制が大きくことなる非ヨーロッパ地域においては法のあり方も大きく異なる。加速するグローバリゼーションと20世紀後半以降の非ヨーロッパ地域の経済的台頭により、これらの地域における経済・社会活動の重要性がいっそう増加した。そして、そこでの法のあり方を適切に理解しなければ、大きな不利益を被ることになる。他方、法整備支援に見られるように、非ヨーロッパ圏、特に開発途上国における法制度改革への国際協力は、国際開発援助の主流となりつつある。しかし、ここでも、その地域での法のあり方について十分な理解と認識がなければ、援助資源の無駄遣いとなる。 本講義では、特にインドネシアに焦点を当てて、植民地から独立を経て、経済的に重要性を増した現在に至るまでの法制度の発展について考察する。その後、人権、環境紛争、汚職、法律扶助、憲法訴訟、民事訴訟実務などの個別の法律トピックについて取り上げる。また、インドネシアから独立した東ティモールを題材に、紛争と法の問題についても考える。 シラバスに示した授業テーマの順番は、時事ニュースなどにより変更する場合があります。
授業の目的 【英語】
Goals of the Course
到達目標 【日本語】
Objectives of the Course(JPN)
(1)アジア法の認識方法について主たる理論を理解する。 (2)植民地経験・権威主義など多くの途上国に共通する社会状況が法制度の発展に与えた影響について理解する。 (3)インドネシアにおける法律問題について、さまざまな文献を十分に理解し、他の地域における同種の問題に応用して考察できる知識を身につける。
到達目標 【英語】
Objectives of the Course
授業の内容や構成
Course Content / Plan
1 導入
ロースクールについてアジア法を学ぶ意義について考える。
法科大学院シラバスシステムを参照のこと。

2 アジア法の理論
非ヨーロッパ法の認識について、法文化論、法の移植論など重要な方法論を理解する。

3 アジアの多様性
アジア地域の社会・経済の多様性と法制度の関係について理解する。

4 イスラム法
西洋法と異なる法体系として特に体系化がはっきりしていて、特に東南アジア島嶼部において重要性の高いイスラム法について基本的な理解を得る。

5 インドネシア法の歴史
現代インドネシア国家法制度の基盤となっているオランダ植民地法制について理解する。

6 インドネシア法の歴史
独立後から1990年代末まで、特に1970年代以降のインドネシア権威主義体制期の法制度について理解する。

7 インドネシア法の歴史
1998年に権威主義体制が終了してから現在までの「改革期」と呼ばれる時期の法制度の変化について理解する。

8 環境紛争
環境紛争の法的解決についていくつかの事例を取り上げて議論する。

9 人権
権威主義体制期における人権の状況について、主要な判例を取り上げて議論する。

10 汚職
国際開発協力の現場において、汚職は援助や開発を阻害する深刻な要因となっている。インドネシアの汚職対策に関する法制度およびその問題点について議論する。

11 法律扶助運動
途上国においては(おそらく、多くの先進国においても同様であるが)、貧困層の法律へのアクセスが、社会発展に重要な役割を果たす。インドネシアにおいては法律扶助運動が特に協力であった。インドネシアの法律扶助運動の状況と課題について議論する。

12 憲法訴訟
改革期における、最も重要な法制度改革の一つは憲法裁判所の設置である。この講義では、インドネシア憲法裁判所の制度および判決の動向について議論する。

13 民事訴訟
インドネシアの民事訴訟は、オランダ植民地期に制定された法令に基づいているが現代社会の状況とマッチしない部分も多い。また、裁判所の能力についても不満が多い。インドネシアの民事訴訟の状況について概要を紹介し議論する。

14 東ティモール
インドネシアから独立した東ティモールの法制度の状況について、紛争の性質、司法制度構築について議論する。

15 まとめ
講義のまとめ


16
履修条件・関連する科目
Course Prerequisites and Related Courses
アジア諸国に関する基本的な知識(地理・歴史)は有しているのが望ましい。
成績評価の方法と基準
Course Evaluation Method and Criteria
(1)講義への参加状況(課題文献の予習、講義での建設的な発言など)(50%の評点)。 (2)期末レポートにより評価を行う(50%の評点)。 上記の2つの指標で成績評価を行う。合否の判断は名古屋大学の評価基準に基づいて行う。
教科書・テキスト
Textbook
課題文献を随時、法科大学院授業システムを通じて配布します。また、授業中に直接指示します。
参考書
Reference Book
同上
課外学習等(授業時間外学習の指示)
Study Load(Self-directed Learning Outside Course Hours)
各授業に先だって資料を配付・アップロードするので、それを精読の上、参加すること。
注意事項
Notice for Students
*重要* 毎年「単位がギリギリのため履修登録しました。集中講義の単位が取得できた場合には、履修を取り消します」という学生がいます。授業の計画的な運営に大きな支障を来しますので、そのような理由での履修登録はしないで下さい。また、学期途中で受講しなくなった場合は、最低点で評価することになります。
課題文献の多くは英語文献です。20~30ページの英語文献を2-3日で読める程度の英語能力は要求されます。授業は日本語で行います。
授業開講形態等
Lecture format, etc.

授業開講形態(対面遠隔併用で実施する授業一覧)は、名古屋大学法科大学院ホームページの「News」に掲載します。URL:https://www.law.nagoya-u.ac.jp/ls/
※履修登録後に授業形態等に変更がある場合には、TKCシステム又はNUCTの授業サイトで案内します。
遠隔授業(オンデマンド型)で行う場合の追加措置
Additional measures for remote class (on-demand class)

遠隔授業はTKCシステム又はNUCTで行う。教員への質問方法、学生同士の意見交換の方法は次のとおりとする。なお、教員より別の指示がある場合は、その指示に従うこと。
・教員への質問は、TKCシステム又はNUCT機能「メッセージ」により行うこと。
・授業に関する受講学生間の意見交換は、TKCシステム又はNUCT機能「メッセージ」により行うこと。
(※担当教員がNUCTの「フォーラム」機能を追加設定した場合は「フォーラム」も利用可。)