学部・大学院区分
Undergraduate / Graduate
法・専学
時間割コード
Registration Code
9361100
科目区分
Course Category
展開・先端科目
Advanced/Applied Courses
科目名 【日本語】
Course Title
租税法Ⅱ
科目名 【英語】
Course Title
Tax Law Ⅱ
担当教員 【日本語】
Instructor
髙橋 祐介 ○
担当教員 【英語】
Instructor
TAKAHASHI Yusuke ○
単位数
Credits
2
開講期・開講時間帯
Term / Day / Period
秋 金曜日 3時限
Fall Fri 3
対象学年
Year
2年
2
授業形態
Course style
演習
Lecture


授業の目的 【日本語】
Goals of the Course(JPN)
 租税法Iを踏まえて、日本の税目で所得税及び消費税と並んで重要であり、ほとんどの法人がその租税法律関係の当事者となる法人税の基本的知識の習得を目的とする。授業でも説明するとおり、法人税法は基本的に企業会計・会社法会計を前提に規定されているために、会計的知識のない法律家にとってはもともと理解しがたいが、基本的な簿記の知識を踏まえた講義を行う。租税法I同様、講義形式だが、予習復習を重視し、教員からの問いかけとそれに対する受講生の答えというソクラテス・メソッドを大いに用いる。

*本授業は、Zoomを使用した同時双方向遠隔授業形式で行う可能性がある。詳細は追って指示する。
授業の目的 【英語】
Goals of the Course
到達目標 【日本語】
Objectives of the Course(JPN)
 本講義では少なくとも税理士とスムースにコミュニケーションを取ることができ、税務訴訟を担当できる程度の法人税の基本的知識を習得することを達成目標とする。具体的には、以下の通りである。
 (1)法人税法の基礎について体系的な知識を習得する。
 (2)法人税法における主たる論点の理解とそれを解決するための思考方法を身につける。
 (3)新たな税法上の問題点を発見する能力と、その新たな問題が生じたときにそれを解決するための調査報告能力(表現力を含む)を涵養する。
到達目標 【英語】
Objectives of the Course
授業の内容や構成
Course Content / Plan
講義計画

【第1回】10月1日 法人税の意義と法人税法/法人税の納税義務者/事業年度と納税地
講義内容:今回は、(1)法人税の意義と種類、法人税と所得税の統合の概念とと統合方式の種類、法人税が引き起こす各種の問題ないしバイアスと、(2)法人の種類によって、税負担が異なりうること、法人税法上の法人の種類とそれぞれの課税所得の範囲・税率、(3)法人の事業年度と納税地について学ぶ。
授業時間外の学習活動:事前配布のレジュメ及び教科書該当部分(レジュメに記載)を読み、予習問題をこなしておく。また、課題を提出する場合には、次週授業日までに行うこと。

【第2回】10月8日 法人所得とその計算の構造
講義内容:今回は、法人所得の意義とその計算の構造のうち、包括的所得概念と法人所得の関係、企業会計・会社法会計と法人税法の関係、公正処理基準とその問題点、法人税法関係法令の性質について学ぶ。
授業時間外の学習活動:冒頭に小テストを行うので(前回授業内容から出題)、十分に復習しておく。また、事前配布のレジュメ及び教科書該当部分(レジュメに記載)を読み、予習問題をこなしておく。課題を提出する場合には、次週授業日までに行うこと。

【第3回】10月15日 法人所得計算の原則(1)
講義内容:今回は、法人所得計算の原則のうち、益金に計上される収益、なかんずく①資産の販売、②有償による資産の譲渡又は役務の提供、③無償による資産の譲受けからの収益の三点を理解する。
授業時間外の学習活動:冒頭に小テストを行うので(前回授業内容から出題)、十分に復習しておく。また、事前配布のレジュメ及び教科書該当部分(レジュメに記載)を読み、予習問題をこなしておく。課題を提出する場合には、次週授業日までに行うこと。

【第4回】10月22日 法人所得計算の原則(2)
講義内容:今回は、法人所得計算の原則のうち、無償による資産の譲渡又は役務の提供からからの収益発生についてを学ぶ。
授業時間外の学習活動:冒頭に小テストを行うので(前回授業内容から出題)、十分に復習しておく。また、事前配布のレジュメ及び教科書該当部分(レジュメに記載)を読み、予習問題をこなしておく。課題を提出する場合には、次週授業日までに行うこと。

【第5回】10月29日 法人所得計算の原則(3)/益金及び損金の年度帰属
講義内容:今回は、法人所得計算の原則のうち、(1)①損金に算入すべき金額としての原価・費用・損失の原則的取り扱いと、②資本等取引、(2)益金及び損金の年度帰属を学ぶ。
授業時間外の学習活動:冒頭に小テストを行うので(前回授業内容から出題)、十分に復習しておく。また、事前配布のレジュメ及び教科書該当部分(レジュメに記載)を読み、予習問題をこなしておく。課題を提出する場合には、次週授業日までに行うこと。

【第6回】11月5日 益金
講義内容:今回は、益金に関して、別段の定めを中心にみていくことにしよう。具体的には、販売及び請負による収益、知的財産権に係る収益、収益の修正、受取配当等益金不算入であるが、特に①長期割賦販売などの権利確定主義の例外の存在とその趣旨、②収益の修正のあり方、③受取配当益金不算入とその趣旨、④短期保有株式の受取配当益金算入及び負債利子控除の趣旨に力を入れる。
授業時間外の学習活動:冒頭に小テストを行うので(前回授業内容から出題)、十分に復習しておく。また、事前配布のレジュメ及び教科書該当部分(レジュメに記載)を読み、予習問題をこなしておく。課題を提出する場合には、次週授業日までに行うこと。

【第7回】11月12日 資産/給与(1)
講義内容:今回は、(1)①棚卸資産、②固定資産、③繰延資産という三つの資産、なかでもく減価償却による課税繰延のメカニズムと、(2)役員・従業員給与の原則的取り扱いについて学ぶ。
授業時間外の学習活動:冒頭に小テストを行うので(前回授業内容から出題)、十分に復習しておく。また、事前配布のレジュメ及び教科書該当部分(レジュメに記載)を読み、予習問題をこなしておく。課題を提出する場合には、次週授業日までに行うこと。

【第8回】11月19日 給与(2)/寄附金/租税公課等・交際費等・使途不明(秘匿)金
講義内容:今回は、(1)法人側のストック・オプションの取り扱いの要点、(2)寄附金制度の趣旨目的とその適用範囲、一般寄附金についての損金算入限度額制度、(3)租税公課等・交際費等・使途不明(秘匿)金について学ぶ。
授業時間外の学習活動:冒頭に小テストを行うので(前回授業内容から出題)、十分に復習しておく。また、事前配布のレジュメ及び教科書該当部分(レジュメに記載)を読み、予習問題をこなしておく。課題を提出する場合には、次週授業日までに行うこと。

【第9回】11月26日 賃貸借・リース/貸倒損失と引当金・準備金
講義内容:今回は、(1)法人税法上の賃貸借・リースの取り扱い及び(2)貸倒損失の認定と引当金・準備金の設定について学ぶ。
授業時間外の学習活動:冒頭に小テストを行うので(前回授業内容から出題)、十分に復習しておく。また、事前配布のレジュメ及び教科書該当部分(レジュメに記載)を読み、予習問題をこなしておく。課題を提出する場合には、次週授業日までに行うこと。

【第10回】12月3日 有価証券・金融商品等
講義内容:今回は、株式などの有価証券、短期売買商品、デリバティブ取引、ヘッジ取引、外貨建取引などに対する課税について学ぶ。
授業時間外の学習活動:冒頭に小テストを行うので(前回授業内容から出題)、十分に復習しておく。また、事前配布のレジュメ及び教科書該当部分(レジュメに記載)を読み、予習問題をこなしておく。課題を提出する場合には、次週授業日までに行うこと。

【第11回】12月10日 出資・分配(1)
講義内容:今回は、株主法人間取引の概念、資本金等の額の概念、現物出資と含み損益課税、適格現物出資の要件と課税結果、株式の有利発行と株主間の持分移転について学ぶ。
授業時間外の学習活動:冒頭に小テストを行うので(前回授業内容から出題)、十分に復習しておく。また、事前配布のレジュメ及び教科書該当部分(レジュメに記載)を読み、予習問題をこなしておく。課題を提出する場合には、次週授業日までに行うこと。

【第12回】12月19日 出資・分配(2)
講義内容:今回は、分配の概念、利益積立金額と配当の関係、みなし配当の制度趣旨と機能、株式譲渡損益課税との関係、自己株式の取得と解散による残余財産分配時の課税結果を学ぶ。
授業時間外の学習活動:冒頭に小テストを行うので(前回授業内容から出題)、十分に復習しておく。また、事前配布のレジュメ及び教科書該当部分(レジュメに記載)を読み、予習問題をこなしておく。課題を提出する場合には、次週授業日までに行うこと。

【第13回】12月24日 組織再編税制
講義内容:今回は、出資分配に対する課税結果を踏まえて、合併や分割、株式交換・株式移転の課税結果を取り上げる。
授業時間外の学習活動:冒頭に小テストを行うので(前回授業内容から出題)、十分に復習しておく。また、事前配布のレジュメ及び教科書該当部分(レジュメに記載)を読み、予習問題をこなしておく。課題を提出する場合には、次週授業日までに行うこと。

【第14回】1月7日 租税属性・欠損金額
講義内容:今回は、租税属性、なかでも欠損金額の取り扱いを取り上げる。
授業時間外の学習活動:冒頭に小テストを行うので(前回授業内容から出題)、十分に復習しておく。また、事前配布のレジュメ及び教科書該当部分(レジュメに記載)を読み、予習問題をこなしておく。課題を提出する場合には、次週授業日までに行うこと。

【第15回】1月21日 連結納税制度・グループ法人税制
講義内容:今回は、連結納税制度・グループ法人税制・貸倒損失と引当金を取り上げる。
授業時間外の学習活動:冒頭に小テストを行うので(前回授業内容から出題)、十分に復習しておく。また、事前配布のレジュメ及び教科書該当部分(レジュメに記載)を読み、予習問題をこなしておく。

【第16回】 学期末試験・講評
講義内容:期末試験を実施し、答案について個別の講評を行う。
授業時間外の学習活動:講義全体について、よく復習しておくこと。
履修条件・関連する科目
Course Prerequisites and Related Courses
 租税法Iを履修していることが望ましい。また、法人税法の理解を深めるため、日商簿記3級程度の簿記の知識を身につけておくことを推奨する。
成績評価の方法と基準
Course Evaluation Method and Criteria
 期末試験50%、毎時行われる小テスト30%、毎時(ただし選択制)課される簡単な課題(レポート)15%、発言や質問など授業への参加度5%の割合で評価する(租税法Iと同じ評価方法)。総合点60点以上を合格とする。期末試験、小テスト及び課題は、採点添削の上返却する。
教科書・テキスト
Textbook
岡村忠生他『租税法(第2版)』(有斐閣、2020年)。附属図書館の電子書籍>Maruzen eBook Libraryでも閲覧可能。

 まだ教科書を購入していない場合は、宅配による販売(Amazonなど)を利用することを強く推奨する。生協による教科書販売については別途連絡する。
参考書
Reference Book
 TKC法科大学院教育研究支援システムを通じて、毎回レジュメを事前配布する。六法は『租税法判例六法(第3版)』(有斐閣)または『判例六法プロフェッショナル』(有斐閣)を指定する(それに載っていない情報はこちらで用意する)。『税務六法(法令編)』(ぎょうせい)を使用したり、インターネットにある条文を自分で加工して自前の六法を作ってもよい。

 参考書を買わないですむよう、十分な量の情報を記載したレジュメを用意するが、なお参考書を必要とする場合には、渡辺徹也『スタンダード法人税法(第2版)』(弘文堂、2019年)、清永敬次『税法(新装版)』(ミネルヴァ書房、2013年)、谷口勢津夫『税法基本講義(第6版)』(弘文堂、2018年)、金子宏『租税法(第23版)』(弘文堂、2019年)、『租税判例百選(第6版)』(2016年、有斐閣。近日中に7版発行予定)をお勧めする。問題集等も含め、詳細は初回授業時に説明を行う。
課外学習等(授業時間外学習の指示)
Study Load(Self-directed Learning Outside Course Hours)
 該当日の「授業時間外の学習活動」に従って行うこと。詳細は初回授業にて説明する。
注意事項
Notice for Students
 本講義では、金融商品課税や組織再編税制、連結納税制度、グループ法人税制など、企業をめぐる法関係を考察する上で避けては通れない税法上の諸論点を網羅する。企業法務に従事したいと考えている方はぜひ受講されたい。
授業開講形態等
Lecture format, etc.
 授業は対面方式での実施を念頭に置いているが、状況によっては遠隔方式での実施もある。開講時期が近づいたら、TKC法科大学院教育研究支援システム等を通じて実施形式に関する連絡を行う。
授業開講形態(対面遠隔併用で実施する授業一覧)は、名古屋大学法科大学院ホームページの「News」に掲載します。URL:https://www.law.nagoya-u.ac.jp/ls/
※履修登録後に授業形態等に変更がある場合には、TKCシステム又はNUCTの授業サイトで案内します。
遠隔授業(オンデマンド型)で行う場合の追加措置
Additional measures for remote class (on-demand class)
 遠隔実施の場合、授業の様子を録画し、復習の便宜に資する予定である。
遠隔授業はTKCシステム又はNUCTで行う。教員への質問方法、学生同士の意見交換の方法は次のとおりとする。なお、教員より別の指示がある場合は、その指示に従うこと。
・教員への質問は、TKCシステム又はNUCT機能「メッセージ」により行うこと。
・授業に関する受講学生間の意見交換は、TKCシステム又はNUCT機能「メッセージ」により行うこと。
(※担当教員がNUCTの「フォーラム」機能を追加設定した場合は「フォーラム」も利用可。)