学部・大学院区分
Undergraduate / Graduate
法・専学
時間割コード
Registration Code
9361300
科目区分
Course Category
展開・先端科目
Advanced/Applied Courses
科目名 【日本語】
Course Title
刑事学
科目名 【英語】
Course Title
Criminology
担当教員 【日本語】
Instructor
丸山 雅夫 ○
担当教員 【英語】
Instructor
MARUYAMA Masao ○
単位数
Credits
2
開講期・開講時間帯
Term / Day / Period
秋 月曜日 3時限
Fall Mon 3
対象学年
Year
3年
3
授業形態
Course style
演習
Lecture


授業の目的 【日本語】
Goals of the Course(JPN)
少年司法制度を手がかりとして,刑事政策との関連性を意識しながら授業を展開する。3回目までにおいては,主として理論的な観点から,成人刑事裁判制度から少年司法制度が独立した社会的背景と理論的根拠を明らかにしたうえで,福祉モデル少年法制の特徴と限界を分析し,司法モデル少年法制への転換過程を確認する。4回目において我が国の少年非行の現状を確認し、8回目以降においては,主として解釈論的な観点から,我が国の現行少年法における主要な論点・対立点を検討し,実務動向を念頭に置きながら一応の自説(解釈論)を展開できるようにする。
授業の目的 【英語】
Goals of the Course
到達目標 【日本語】
Objectives of the Course(JPN)
(1)少年司法制度の形成,福祉モデル少年法制と司法モデル少年法制の基本構造,少年法制の前者から後者への転換過程を理解することができる。 (2)社会情勢や理論的立場の違いが現実の制度にどのように反映していくのかを分析・洞察することができる。 (3)理論の有用性とともに,その現実的射程と限界を意識することができる。 (4)教条主義的な観念論に陥りがちな具体的論点・対立点について,実務動向をも見据えた,冷静な態度で解釈論を展開することができる。
到達目標 【英語】
Objectives of the Course
授業の内容や構成
Course Content / Plan
1

10月4日 欧米における少年司法制度の成立要因と成立過程

少年司法制度が独立する以前における「子ども」の法的扱いを確認するとともに,少年司法制度の独立を促進した社会的要因を明らかにする。また、少年司法制度の独立を促進した理論的根拠としての新派(実証主義的)刑法理論の内容を確認したうえで、福祉モデル少年法制の特徴を明らかにする。 講義を中心としながら,予習にもとづく基礎的知識を確認する。

教科書の序章および第1章の該当部分を予習し、基礎的な知識を確実にする。


2

10月11日 我が国おける少年司法制度の確立

我が国における少年司法制度の確立過程を検討し、その特徴を明らかにする。 講義を中心としながら,予習にもとづく基礎的知識を確認する。

教科書の第1章の該当部分および第2章を予習し,基礎的な知識を確実にする。


3

10月18日 我が国の少年非行の現状

犯罪白書等の統計資料を手掛かりとして、我が国の少年非行の現状を確認したうえで、「凶悪化」幻想の背景を検討する。

教科書の第3章を予習し,基礎的な知識を確実にする。


4

10月25日 少年法の基本構造

我が国の現行少年法を中心として、少年法の理念、基本構造等の特徴を確認する。

教科書の第4章を予習し,基礎的な知識を確実にする。


5

11月1日 少年法の対象、家庭裁判所の管轄

現行少年法が対象とする「非行少年」の概念を明らかにし、家庭裁判所の管轄について検討する。

教科書の第5章を予習し、基礎的な知識を確実にする。


6

11月8日 非行少年の発見と家庭裁判所の受理

非行少年の発見過程を中心として、発見機関・発見方法等を明らかにしたうえで、家庭裁判所の事件受理について学ぶ。

教科書第6章の該当部分を予習し、基礎的な知識を確実にする。


7

11月15日   観護措置

観護措置(特に、少年鑑別所送致)の意義と実際について学ぶ。

教科書第6章の該当部分を予習し、基礎的な知識を確実にする。


8

11月22日 少年保護事件の調査

少年保護事件の調査過程について、目的と基本原理を明らかにしたうえで、調査(法的調査と社会調査)の実際について明らかにする。

教科書第7章を予習し、基礎的な知識を確実にする。


9

12月6日 少年保護事件の審判(1)

少年保護事件の審判の基本形態について、その意義と役割を明らかにし、関係者等について、基本的な知識を学ぶ。

教科書第8章の該当部分を予習し、基礎的な知識を確実にする。


10

12月13日 少年保護事件の審判(2)

少年保護事件の特殊な形態について学ぶとともに、処遇効果の高いとされる試験観察について学ぶ。

教科書の第8章の該当部分を予習し、基礎的な知識を確実にする。


11

12月20日 少年の処遇(1)

保護処分としての保護観察(社会内処遇)について、意義と内容、実際について学ぶ。

教科書第9章の該当部分を予習し、基礎的な知識を確実にする。


12

12月27日 少年の処遇(2)

保護処分としての少年院送致を中心として、施設内処遇について学ぶ。

教科書第9章の該当部分を予習し、基礎的な知識を確実にする。


13

1月10日 少年の刑事事件

刑事裁判所で扱われる少年事件について、逆送の要件・効果等を明らかにしたうえで、裁判員裁判との関係を検討する。

教科書の第10章を予習し、基礎的な知識を確実にする。


14

1月17日    少年の刑事処分

少年刑事裁判後の刑罰処遇について、少年法にもとづく特別な扱いについて検討する

教科書の第10章を予習し、基礎的な知識を確実にする。


15

1月24日 少年法の改正

2000年、2007年、2008年、2014年にそれぞれ改正された内容について再確認し、それを評価する。また、少年年齢の引下げをはじめとして、少年法をめぐる国際的動向等を参考にしながら、少年法の今後のあるべき姿を考察する。さらに、近時に有力となっている「修復的司法」について考える。

教科書の終章および全体を通じて、一連の改正内容を確認するとともに、どのように評価するかの見解を構成する。
履修条件・関連する科目
Course Prerequisites and Related Courses
特にないが,法学未修者の場合には,刑法基礎I,IIおよび刑事訴訟法I,IIを履修し,刑事実体法と刑事手続法の全体像を把握しているのが望ましい。
成績評価の方法と基準
Course Evaluation Method and Criteria
例年の通り、本文4000字相当の期末レポート(85%)、および授業中の発言(15%)にもとづいて総合的に評価する。
合否の判断は名古屋大学の評価基準に基づいて行う。
教科書・テキスト
Textbook
丸山雅夫『少年法講義[第3版]』2016年3月、成文堂
参考書
Reference Book
田宮裕・廣瀬健二編『注釈少年法[第4版]』2017年,有斐閣 河原俊也編著『ケースから読み解く少年事件 実務の技』2017年、青林書院 田宮裕編『少年法判例百選』1998年,有斐閣 その他,必要に応じて,授業中に文献,資料を指示する。
課外学習等(授業時間外学習の指示)
Study Load(Self-directed Learning Outside Course Hours)
教科書の予習・復習とともに、授業中に指示した文献・資料を確認すること。
注意事項
Notice for Students
授業開講形態等
Lecture format, etc.

授業開講形態(対面遠隔併用で実施する授業一覧)は、名古屋大学法科大学院ホームページの「News」に掲載します。URL:https://www.law.nagoya-u.ac.jp/ls/
※履修登録後に授業形態等に変更がある場合には、TKCシステム又はNUCTの授業サイトで案内します。
遠隔授業(オンデマンド型)で行う場合の追加措置
Additional measures for remote class (on-demand class)

遠隔授業はTKCシステム又はNUCTで行う。教員への質問方法、学生同士の意見交換の方法は次のとおりとする。なお、教員より別の指示がある場合は、その指示に従うこと。
・教員への質問は、TKCシステム又はNUCT機能「メッセージ」により行うこと。
・授業に関する受講学生間の意見交換は、TKCシステム又はNUCT機能「メッセージ」により行うこと。
(※担当教員がNUCTの「フォーラム」機能を追加設定した場合は「フォーラム」も利用可。)