授業の目的 【日本語】 Goals of the Course(JPN) | | 19世紀フランスの画家エドゥアール・マネとその絵画作品を論じる。膨大な研究蓄積と多様な方法論の適用にも関わらず、マネに関しては「現代生活の画家」、モダニズム絵画の先駆者という位置付けを超える説得力のある解釈が未だに存在しない。本講義では、フランス・ブルジョワ社会のなかで絵を描く自由を行使する画家としてマネを捉え直す。「闘争」と「歓楽」をキーワードに、共和主義者であり、「パリの女性」を描き続けたマネについて改めて考察し、マネの主要作品を新しい角度から照射してみたい。 |
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授業の目的 【英語】 Goals of the Course | | Discusses 19th century French painter Edouard Manet and his paintings. Despite the vast amount of research accumulated and the application of various methodologies, there is still no convincing interpretation of Manet beyond its position as a "painter of modern life" and a pioneer of modernist painting. In this lecture, Manet will be reconsidered as a painter who exercises the freedom to draw in the French bourgeois society. With the keywords "struggle" and "pleasure," I would like to reconsider Manet, a republican who continued to draw "female in Paris," and illuminate Manet's main works from a new angle. |
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到達目標 【日本語】 Objectives of the Course(JPN) | | マネという画家とその作品の特質を理解することを目標とする。と同時に、19世紀フランス絵画史、美術史の方法論についても学ぶ。 |
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授業の内容や構成 Course Content / Plan | | 授業の構成と内容は以下である。 1. イントロダクション 2. 「近代パリの両義的表象」(1)《老音楽師》(1862年) 近代パリの光と影 3. 「近代パリの両義的表象」(2)《テュイルリーの音楽会》(1862年) 芸術的前衛と政治的前衛 4. 「裸体画の変容」(1)《草上の昼食》(1863年) 脱構築の試み 5. 「裸体画の変容」(2)《オランピア》(1863年) 人種、階級、ジェンダー 6. 「画像のポリティクス」(1)《エミール・ゾラの肖像》(1868年) 画家と批評家の共闘 7. 「画像のポリティクス」(2)《皇帝マクシミリアンの処刑》(1867-69年) 体制と検閲 8. 「近代社会の変貌」(1)《鉄道》(1872-73年) 記号としての絵画 9. 「近代社会の変貌」(2)《オペラ座の仮面舞踏会》(1873-74年)歓楽のトポスと政治的風刺 10. 「印象派をめぐる芸術的闘争」(1)《アルジャントゥイユ》(1874年) 社会史から見えるもの 11. 「印象派をめぐる芸術的闘争」(2)《ステファヌ・マラルメの肖像》(1876年) 詩と絵画の共鳴 12. 「闘争と歓楽の果てに」(1)《アントナン・プルーストの肖像》(1880年)、《アンリ・ロシュフォールの肖像》(1881年)共和主義者を描くこと 13. 「闘争と歓楽の果てに」(2)《フォリー・ベルジェールのバー》(1882年) 鏡と視線 |
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履修条件・関連する科目 Course Prerequisites and Related Courses | | |
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成績評価の方法と基準 Course Evaluation Method and Criteria | | 授業への参加状況とレポート。60点以上を合格とする。 |
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教科書・テキスト Textbook | | |
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参考書 Reference Book | | 三浦篤『エドゥアール・マネ 西洋絵画史の革命』KADOKAWA, 2018年 |
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課外学習等(授業時間外学習の指示) Study Load(Self-directed Learning Outside Course Hours) | | 図書館でマネの画集や関連書籍を参照する。美術館や展覧会で西洋絵画を幅広く鑑賞する。 |
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履修取り下げ制度(利用の有無)学部のみ Course withdrawal | | 利用する:『履修取り下げ届』を期日までに提出した場合は原則「Wもしくは欠席」となりますが、同届を提出しない場合は成績評価が行われ、合格基準に達しない場合は「F」となります。 |
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備考 Others | | |
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授業開講形態等 Lecture format, etc. | | 対面で実施する。ただし今後の感染状況によって変更の可能性がある。詳細はNUCTで周知する。 |
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