授業の目的 【日本語】 Goals of the Course(JPN) | | この講義では、憲法Ⅰ・Ⅱの履修を前提として、人権分野のうち、現代的人権を中心に取り上げ、憲法学説・判例を概説する。違憲審査制を採用した日本国憲法の下では、人権問題の多くが裁判という場で議論されている。そのため、単に条文解釈を覚えるのではなく、現実に人権が保障されているのか/いないのかを、憲法判決を通じて分析する能力を身につけることを、この講義の主題とする。 本講義では日本国憲法の解釈論上の基本問題に重点をおいて講義をする。その際、可能な限り、人権保障の歴史や比較憲法の知識などにも言及することで、受講者が人権保障の問題をより深く理解し、自分なりにそれを分析・検討する力を身につけられるような講義にしたいと考えている。 |
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授業の目的 【英語】 Goals of the Course | | In this course, students will be given an overview of constitutional theories and judicial precedents in the field of human rights appeared around 20 century. Througth the constitutional review system, many human rights issues are discussed in court. For this reason, the subject of this lecture is not merely to learn how to interpret the text of the Constitution, but to examine, through the constitutional cases, whether or not human rights are appropreately guaranteed. |
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到達目標 【日本語】 Objectives of the Course(JPN) | | 憲法Ⅰ・Ⅱの履修を前提として、この講義を履修することによって、以下の知識・能力を身につけることができる。
①人権分野のうち、現代的人権に関する基本判例を正確に理解し、その当否を考察できる。
②人権分野のうち、現代的人権に関する学説を正確に理解する。
③裁判を通じた人権保障システムの正確な理解を踏まえた上で、現代社会において新たに生起してきている具体的な人権問題の検討にあたり、その知識を用いることができる。
以上を通じて、日本国憲法の保障する人権およびその保障システムに関する専門的知識と総合的判断能力を身につけることを目標とする。 |
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到達目標 【英語】 Objectives of the Course | | By taking this course, students will be able to acquire the following knowledge and abilities, assuming that they have taken Constitutional Law I and II.
(1) Understand basic judicial precedents on contemporary human rights in the field of human rights, and be able to consider their validity.
(2) To accurately understand the theories on contemporary human rights in the field of human rights.
(3) Based on an accurate understanding of the system for guaranteeing human rights through judicial decisions, be able to use this knowledge to examine specific human rights issues that are newly arising in modern society.
Through the above, the course aims to provide students with specialized knowledge and the ability to make comprehensive judgments regarding the human rights guaranteed by the Constitution of Japan and its guarantee system. |
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授業の内容や構成 Course Content / Plan | | 1:総説/全1回(予定)
現代的人権の持つ、古典的自由権とは異なる特徴を確認し、講義全体の獲得目標を明確にする。
2:経済的自由:総論/全1回(予定)
経済的自由に関する基礎理論を整理し、その正確な理解を涵養する。
3:経済的自由:各論/全3回(予定)
経済活動の自由および財産権に関する学説および判例を整理し、問題点を明らかにした上で、その正確な理解を涵養する。
4:人身の自由・手続的権利:総論/全1回(予定)
人身の自由・手続的権利に関する基礎理論を整理し、その正確な理解を涵養する。
5:人身の自由・手続的権利:各論/全2回(予定)
適正手続の保障をはじめとする人身の自由・手続的権利に関する学説および判例を整理し、問題点を明らかにした上で、その正確な理解を涵養する。
6:社会権:総論/全1回(予定)
社会権に関する基礎理論を整理し、その正確な理解を涵養する。
7:社会権:各論/全2回(予定)
生存権および労働権に関する学説および判例を整理し、問題点を明らかにした上で、その正確な理解を涵養する。
8:新しい人権:総論/全1回(予定)
新しい人権(幸福追求権)に関する基礎理論を整理し、その正確な理解を涵養する。
9:新しい人権:各論/全3回(予定)
プライバシーの権利、名誉権および自己決定権に関する学説および判例を整理し、問題点を明らかにした上で、その正確な理解を涵養する。 |
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履修条件・関連する科目 Course Prerequisites and Related Courses | | 特になし。ただし、本講義は司法権および違憲審査に関する基礎知識ならびに人権総論で取り扱う諸論点に関する知識を前提に行なわれる。憲法Ⅱを未履修の者または並行して受講している者は、必ず、これらに関しては自学を進めておくこと。 |
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成績評価の方法と基準 Course Evaluation Method and Criteria | | 期末試験(100%)による 。期末試験は論述式の試験である。 100点満点で60点以上を合格とし、60点以上64点までをC-、65点以上74点までをC、70点以上79点までをB、80点以上94点までをA、95点以上をA+とする。
*ただし、2009年度以前の入学者を対象とするカリキュラムが適用される学生については、入学時の成績評価基準が適用される。 |
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教科書・テキスト Textbook | | 教科書は特に指定しない。講義はレジュメに従って行う。 判例集は一冊は手元に用意してもらいたい。講義では以下のものをベースに進める。
▶ 野中俊彦・江橋崇『憲法判例集』[第11版](有斐閣新書、2016)
▶ 小泉良幸・松本哲治・横大道聡『憲法判例コレクション』(有斐閣、2021) |
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参考書 Reference Book | | さしあたり、概説書として、以下のものが参考となるだろう。その他の参考文献については、必要に応じて講義内で適宜指示する。
▶ 本秀紀編『憲法講義』[第2版](日本評論社、2018) **2022年3月に第3版刊行予定
▶ 辻村みよ子『憲法』[第7版](日本評論社、2021)
▶ 野中俊彦・中村睦男・高橋和之・高見勝利『憲法〔第5版〕』Ⅰ・Ⅱ(有斐閣、2012)
▶ 芦部信喜(高橋和之補訂)『憲法』[第7版](岩波書店、2019)
▶ 浦部法穂『憲法学教室』[全訂第3版](日本評論社、2016)
▶ 佐藤幸治『日本国憲法論』[第2版](成文堂、2020) |
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課外学習等(授業時間外学習の指示) Study Load(Self-directed Learning Outside Course Hours) | | |
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注意事項 Notice for Students | | ・なるべく新聞を読むこと。現実の政治社会問題に関心のない人にとって、憲法学をマスターすることはかなり困難であると思う。テレビやネット上のニュースで満足せず、新聞をぜひ読んで欲しい。
・講義のレジュメはシラバスシステムにupする。各自印刷して持参されたい。
・This lecture will be taught in Japanese.
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講義内容・履修方法についての詳細は以下をご覧ください。 |
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授業開講形態等 Lecture format, etc. | | |
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遠隔授業(オンデマンド型)で行う場合の追加措置 Additional measures for remote class (on-demand class) | | |
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