学部・大学院区分
Undergraduate / Graduate
医学部(保)
時間割コード
Registration Code
1753232
科目名 【日本語】
Course Title
病原微生物学II
科目名 【英語】
Course Title
Microbiology II
コースナンバリングコード
Course Numbering Code
担当教員 【日本語】
Instructor
川村 久美子 ○
担当教員 【英語】
Instructor
KAWAMURA Kumiko ○
単位数
Credits
1
開講期・開講時間帯
Term / Day / Period
春2期 月曜日 3時限
Spring2 Mon 3
必修・選択
Required / Selected
必修


授業の目的 【日本語】
Goals of the Course(JPN)
【背景】現在、WHO世界保健デーのテーマに「薬剤耐性菌の問題」が取り上げられているように、感染症の諸問題が社会に与える影響は多大である。また、世界的にはマラリアなどの再興感染症は未だ減少の兆しが見えず、さらには新型コロナウイルス感染症のパンデミックに遭遇するなど、我々人類は未だ感染症の脅威に曝されている。

【目的】本授業では、医療従事者に最も重要な知識である消毒と滅菌、ワクチンのしくみ、化学療法の概念、抗菌薬の種類と特徴について講義する。また、院内感染、輸入感染症、新興, 再興感染症についても紹介しながら、病原体等の取り扱いやバイオセーフティの考え方についても解説する。本授業を通じて「感染症」に対する科学的思考、創造力、医療従事者としての倫理性を養ってほしい。
授業の目的 【英語】
Goals of the Course
The aim of this course is to help students acquire an understanding of the fundamental principles of infection control such as disinfection and sterilization, the mechanism of vaccines, and the basic concepts of antimicrobial chemotherapy. In addition, this course deals with various kinds of infectious diseases such as nosocomial infections, emerging and re-emerging infectious diseases, and imported infectious diseases.
到達目標 【日本語】
Objectives of the Course(JPN)
この授業では、受講者が授業終了時に、以下の知識や能力を身につけていることを目標とする
1. 消毒と滅菌を理解し、感染対策について説明できる
2. 化学療法の概念を理解し、抗菌薬の種類と特徴について説明できる
3. バイオセーフティの考え方について理解し、説明できる
到達目標 【英語】
Objectives of the Course
The goals of course are to
1. be able to understand disinfection and sterilization and explain the infection control.
2. be able to understand the basic concepts of antimicrobial chemotherapy and explain types of antimicrobial agents and the characteristics .
3. be able to understand and explain the the concepts of biosafety.
授業の内容や構成
Course Content / Plan
病原微生物学 I の内容を踏まえ、以下の予定で講義を行なう。

【 II 】感染の仕組み・感染症治療薬および検査の理論・バイオセーフティ

1. 「感染と発症 I --感染の概念と感染の成立、感染の成立における生体防御機構の関与について」
 宿主の生体防御機構と微生物の病原性とのバランスが感染の成立および発症に深く関わっている。本授業では感染から感染症に至る一般的な経過、感染成立のための様々な要因、感染経路などについて詳しく解説する。

2. 「感染と発症 II --正常細菌叢とその変動・菌交代症、感染の発症に関わる各種病原因子と毒素について」
 我々の体には無数の正常細菌が住み着いており、それらが有益な作用を提供している。一方で、その正常細菌叢の変化が諸刃の剣となって感染症を引き起こすこともある。本授業では宿主側要因として、正常細菌叢の成り立ちとその変動によって生じる菌交代症について詳しく解説する。また、細菌側の要因として、感染成立へ強く関わる病原性の強さならびに毒素をはじめとする各種病原因子について詳しく解説する。

3.「市中感染症としての食中毒」
 本授業では市中感染症の代表として、様々な食中毒とその原因菌について実例をあげながら紹介する。

4.「病院感染とその対策について」
 本授業では宿主の生体防御機構機構の低下のより生じる日和見感染や抗菌薬治療後に生じる菌交代現象について解説する。また、近年問題となっている院内感染とその対策についても詳しく解説する。

5.「化学療法の概念」
 本授業では、化学療法の概念、抗菌薬の種類とその特徴ならびに抗菌薬の適正使用の基礎的な考え方(PK/PD理論)について解説する。

6.「薬剤感受性検査と薬剤耐性菌」
 適切な抗菌薬治療への情報提供として、薬剤感受性検査が果たす役割は大きい。本授業では、薬剤感受性検査の意義について解説するとともに、近年問題となっている各種薬剤耐性菌をとそのスクリーニング法を紹介しながら耐性菌蔓延防止への理解を深めたい。

7. 「バイオセーフティ、感染症法」
 本授業では、医療従事者が熟知しなければならない「感染症法」および「病原体等の種別と取り扱い」について解説する。さらに、物理的封じ込めや生物学的封じ込めついて復習し、バイオセーフティの重要性を再確認する。

8. まとめと評価
 病原微生物学 Iと IIを通じて学習した微生物の病原性と感染の仕組み、病原性と遺伝子、感染症治療薬に関する検査の理論についてまとめを行う。


各授業内容は上記の予定で行いますので、授業内容を充分に理解するために予め予習をしてきて下さい。予習事項の一部をレポートとして提出して頂くこともあります。また、授業内で練習問題に取り組みながら、予習状況と授業の理解度を確認します。
履修条件・関連する科目
Course Prerequisites and Related Courses
本授業は、細菌感染症とその予防の知識の習得を目標としており、2年生春学期I期に開講される「病原微生物学I」の履修を終了していることが必要である
成績評価の方法と基準
Course Evaluation Method and Criteria
(評価方法)課題提出状況を20%、期末試験(100点満点)を80%として総点にて評価します。
(評価基準) 総点60点以上を合格とします。
教科書・テキスト
Textbook
松本哲哉ら著『臨床微生物学』(医歯薬出版,2017)
参考書
Reference Book
臨床微生物検査 技術教本(JAMT技術教本シリーズ、丸善出版、2017)
課外学習等(授業時間外学習の指示)
Study Load(Self-directed Learning Outside Course Hours)
本授業科目の単位取得にあたっては、授業時間以外に予習、復習などの時間外学習が必要ですので、授業内に提示する予習項目のみならず、指定した教科書などで授業内容を事前に確認することや授業内で行なう練習問題で解答に苦慮した部分については充分に復習してください。
授業の進め方
How to proceed with the class
基本的には教科書に沿って授業を進めるが、適宜スライドやビデオなども活用しながら理解を深めたいと考えている。
注意事項
Notice for Students
本授業に関する参照Webページ
Reference website for this Course
担当教員からのメッセージ
Message from the Instructor
病原微生物学 I の内容を踏まえ、様々な感染症をご紹介します。また、感染症の治療法や現在社会問題となっている「薬剤耐性」についてもお話いたします。              
使用言語
Language(s) for Instruction & Discussion
日本語
授業開講形態等
Lecture format, etc.
遠隔授業(オンデマンド型)で行う場合の追加措置
Additional measures for remote class (on-demand class)