学部・大学院区分
Undergraduate / Graduate
医学部(保)
時間割コード
Registration Code
1735331
科目名 【日本語】
Course Title
病原微生物検査学実習A
科目名 【英語】
Course Title
Clinical Microbiology Practice A
コースナンバリングコード
Course Numbering Code
担当教員 【日本語】
Instructor
川村 久美子 ○ 松島 充代子
担当教員 【英語】
Instructor
KAWAMURA Kumiko ○ Matsushima Miyoko
単位数
Credits
1
開講期・開講時間帯
Term / Day / Period
春1期 水曜日 3時限
春1期 水曜日 4時限
春1期 水曜日 5時限
春1期 木曜日 5時限
Spring1 Wed 3
Spring1 Wed 4
Spring1 Wed 5
Spring1 Thu 5
必修・選択
Required / Selected
必修


授業の目的 【日本語】
Goals of the Course(JPN)
【背景】病原微生物を取り扱う場合に最も注意すべき点は、検査材料中の微生物を環境に拡散させないこと、また環境から検査材料中に微生物を混入させないことである。前者はバイオハザードの観点からであり、後者は無菌操作と呼ばれ、検査成績の正確度の観点から重要である。

【目的】本実習においては、実際に病原微生物を自らの手で扱い、安全な無菌操作技術を習熟するとともに、主要な病原細菌の形態ならびに生化学的性状などの特徴を学び、病原細菌の分離, 同定法を習得すること、さらに、得られた検査データの整理と解釈の仕方なども併せて学ぶ。本実習を通じて、微生物検査能力を涵養するとともに、感染症の起因菌同定に対する科学的思考、創造力、さらには病原微生物を扱うものとしての自覚と倫理感を養ってほしい。
授業の目的 【英語】
Goals of the Course
This course deals with the methotology and technique about the isolation and identification for major pathogenic bacteria. It also enhances the development of students' skill in performing aseptic technique.
到達目標 【日本語】
Objectives of the Course(JPN)
この実習では、受講者が実習終了時に、以下の能力を身につけていることを目標とする
1. 安全な無菌操作技術が修得できている
2. 主な病原細菌の分離同定ができる
3. 病原細菌を扱う際の感染対策が実施できる
到達目標 【英語】
Objectives of the Course
By the end of the course, students should be able to do the following:
1. Aseptically isolate and identify pathogenic bacteria
2. Perform infectious measures when handling pathogenic bacteria
授業の内容や構成
Course Content / Plan
細菌を用いる実習は培養時間の関係で即日結果が出ないため、1項目につき水曜・木曜の2日間にわたって実習を行う。

1.「微生物学的検査の基本操作、手指衛生」
 細菌検査の基本である無菌操作と衛生的手洗いについて充分理解できていることが重要である。安全キャビネットの操作方法やガズバーナーの操作手順、白金線を用いた火炎滅菌など無菌操作に必要な基本技術の習得を目指す。また、衛生的手洗いの実践にも十分な時間を割きたい。

2.「培養環境と培地」
 培養と培地および培養方法について解説する。さらに実際に培地を作成して環境菌や手指表面の菌の培養を行い、培養環境についての理解を深めたい。

3.「染色法と顕微鏡検査」
 細菌検査の基本であるグラム染色について、原理から充分理解できていることが重要である。グラム染色の修得に十分な時間を割きたい。

4.「細菌の鑑別と同定検査-1」
 グラム陽性球菌 (Staphylococcus sp.) の分離・同定:Staphylococcus 属菌2菌種を用いて、Staphylococcus 属菌の分離・同定の技術の取得を目指す。

5.「細菌の鑑別と同定検査-2」
 グラム陽性球菌 (Streptococcus sp.) の分離・同定:Streptococcus 属菌3菌種を用いて、Streptococcus 属菌の分離・同定の技術の取得を目指す。

6.「細菌の鑑別と同定検査-3」
 グラム陰性桿菌(腸内細菌科菌種)の分離・同定:腸内細菌科菌種は種類も多く、扱う培地の種類も多い。単に判定方法を丸暗記するのではなく、各種培地に含まれる成分を把握し、反応原理を充分理解することが重要である。 この単元では、コロニーの観察や得られた結果の考察に十分な時間を確保し、グラム陰性桿菌の分離・同定の技術の取得を目指す。

7.「細菌の鑑別と同定検査-4」
 グラム陰性桿菌(ブドウ糖非発酵菌)の分離・同定:院内感染起因菌として重要なブドウ糖非発酵菌の代表として、Pseudomonas aeruginosa (緑膿菌)やAcinetobacter属菌を扱う。この単元では、緑膿菌は偏性好気性菌の同定法を学ぶとともに、「ブドウ糖非発酵」という概念の理解を深めたいと考えている。
この単元では、コロニーの観察や得られた結果の考察に十分な時間を確保し、ブドウ糖非発酵菌の分離・同定の技術の取得を目指す。

8.「検査材料別検査法について」 
 臨床微生物検査法の概要として、検体採取や輸送法、保存法の全般的な注意点について解説する。さらに、血液、髄液、尿、喀痰、便検査法における検体の採取、保存、検査手順について、実際の症例などを用いて解説する。
履修条件・関連する科目
Course Prerequisites and Related Courses
本授業は、病原細菌の特徴および病原性など理解し、病原細菌を正しく分離同定できることを目標としており、2年生春学期に開講される「病原微生物学I, II」、秋学期に開講される「病原微生物学検査学I」の履修を終了していることが必要である
成績評価の方法と基準
Course Evaluation Method and Criteria
実習中に行う小テスト及び実習レポートの内容などから総合的に評価する
教科書・テキスト
Textbook
松本哲哉ら著『臨床微生物学』(医歯薬出版,2017)
実習のでびき(配布します)
参考書
Reference Book
日本臨床検査学教育協議会『微生物検査学 実習書』(医歯薬出版,2012)
臨床微生物検査 技術教本(JAMT技術教本シリーズ、丸善出版、2017)
課外学習等(授業時間外学習の指示)
Study Load(Self-directed Learning Outside Course Hours)
本授業科目の単位取得にあたっては、授業時間以外に予習、復習などの時間外学習が必要ですので、授業内に提示する予習項目の予習のみならず、指定した教科書および実習の手引きなどで事前に実習内容を確認すること、またレポートを作成する際には充分に実習内容を復習してください。
授業の進め方
How to proceed with the class
特殊な培養法や染色法も行うので、実習内容をより理解するため、受講にあたっては、実習要項、教科書ならびに参考書などの該当部分を熟読し、知識を整理しておくこと。また、実習は技術の習得を目的としているので、積極的に実習に参加して下さい。
注意事項
Notice for Students
微生物専用白衣、実習用シューズ、マスク持参のこと。また、髪の長い学生は、髪を束ねるものや前髪を留めるものなどを持参すること。また、コンタクトレンズを着用している人はメガネかゴーグルを着用することが望ましい。
本授業に関する参照Webページ
Reference website for this Course
担当教員からのメッセージ
Message from the Instructor
持参するもの:教科書、実習のてびき、筆記用具、油性ペン、色鉛筆

積極的に実習に参加してください。また、実習の手引きを配布しますので、実習内容を事前に予習してきてください。
使用言語
Language(s) for Instruction & Discussion
日本語
授業開講形態等
Lecture format, etc.
実技実習
遠隔授業(オンデマンド型)で行う場合の追加措置
Additional measures for remote class (on-demand class)