授業の目的 【日本語】 Goals of the Course(JPN) | | 日本語学史上の重要文献のうち、本居宣長『古今集遠鏡』をとりあげ、近世期の日本語(特に上方語)の様相や、日本語史の諸問題、近世・近代の文法学説、注釈史等の諸問題を考察する。基本的な近世板本を読む力、日本語史資料の扱い、発表・議論の能力を磨くことも目的とする。 |
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授業の目的 【英語】 Goals of the Course | | The aims of this course are (1) To provide students with the factual linguistic knowledge on Early Modern Japanese. (2) To help students acquire the skills and proficiency needed for historical study on Japanese. |
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到達目標 【日本語】 Objectives of the Course(JPN) | | ・近世期の日本語資料に親しみ、関連する日本語史資料を扱う方法を身につける。 ・日本語学史・注釈史の知見を参照援用し、検討する方法を身につける。 ・日本語史の現象を観察し、自ら研究課題を設定して考察できるようになる。 ・日本語に関する研究発表・議論の能力を身につけるとともに、仮説の修正や検証方法の改善に生かせるようになる。 |
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授業の内容や構成 Course Content / Plan | | 本居宣長による、俗語訳という古典注釈手法の嚆矢とされる古今集注釈『古今集遠鏡』を同時代の和歌口語訳と比較しながら読む。 受講生各人が担当箇所について、①底本の翻刻、②尾崎雅嘉『古今集鄙言』との比較対照、③本歌に関する基礎データの紹介を含む基礎資料を作成したうえで、宣長の口語訳を踏まえて、近世日本語に関する問題点・発展的課題を指摘し、分析考察して発表する。各回の授業は、受講生の発表と、全員討論を主とする。 秋学期の注目点として「無活用語」に着目した議論を行うが、受講者の発表における問題の設定は、宣長の音韻・文法学説、注釈史、個別の語誌をふまえて、あるいは富士谷成章など同時代の歌学者・文法学者の見解との比較によってもよい。また仮名づかい、音声音韻、形態、文法、文体、修辞などいずれの観点からでもよい。 発表者は、発表時間の議論に必要な基礎情報と問題点・議論の材料の提示という義務を果たすこと。
【授業計画】 第1回:ガイダンス:底本と参考資料の紹介、基礎資料作りについて(授業担当者) 第2回:発表のケーススタディ(TA) 第3回~第14回:学生による発表 第15回:全員討論 近世期の無活用語の特徴について |
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履修条件・関連する科目 Course Prerequisites and Related Courses | | |
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成績評価の方法と基準 Course Evaluation Method and Criteria | | 以下の観点から総合的に評価する。 ・授業への取り組み(議論への参加・貢献度)…20% ・担当回の発表…40% ・期末レポート(担当回の発表・議論を踏まえてまとめたもの。発展的追究を含むものは高く評価する。)…40%
60点以上を合格とする。 |
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教科書・テキスト Textbook | | ・底本:『古今集遠鏡』名古屋大学日本語学研究室蔵本 |
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参考書 Reference Book | | 参考書・参考資料等 ・「古今集遠鏡」(『本居宣長全集』第三巻、筑摩書房) ・『古今和歌集鄙言の国語学的研究』影引翻刻編』後藤剛編 武蔵野書院) ・評釈 『古今和歌集全評釈古注七種集成補訂版』上・下、竹岡政夫、右文書院 『古今和歌集全評釈』上・中・下、片桐洋一、講談社 ・その他辞書類、大系本類、参考文献・索引・資料等は授業中に指示する。 |
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課外学習等(授業時間外学習の指示) Study Load(Self-directed Learning Outside Course Hours) | | 授業前)発表で扱われる本文の該当箇所(和歌)を読んでおく。 発表担当者:授業前)発表資料の作成 発表担当者:授業後)議論を踏まえての発展的調査・追究(レポート準備) |
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履修取り下げ制度(利用の有無)学部のみ Course withdrawal | | |
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備考 Others | | |
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授業開講形態等 Lecture format, etc. | | 対面で実施する。ただし今後の感染状況によって変更の可能性がある。詳細はNUCTで周知する。 |
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