学部・大学院区分
Undergraduate / Graduate
法・博前
時間割コード
Registration Code
2301920
科目区分
Course Category
法学研究科開講科目
Courses Offered by the Graduate School of Law
科目名 【日本語】
Course Title
比較政治基礎研究Ⅰ
科目名 【英語】
Course Title
Fundamental Studies in Comparative Political Theory Ⅰ
担当教員 【日本語】
Instructor
加藤 雅俊 ○
担当教員 【英語】
Instructor
KATO Masatoshi ○
単位数
Credits
2
開講期・開講時間帯
Term / Day / Period
春集中 その他 その他
Intensive(Spring) Other Other
対象学年
Year
1年
1
授業形態
Course style
講義
Lecture


授業の目的 【日本語】
Goals of the Course(JPN)
本授業は、オーストラリア(および日本)を事例に、比較政治学の諸理論(概念・分析枠組・アプローチなど)を学ぶことを目的とする。授業終了後には、オーストラリア政治に関する知識だけでなく、比較政治学の諸理論に関する理解が深まり、それらを自ら活用できるようになること(例、日本政治の分析などへの応用)を目指す。
授業の目的 【英語】
Goals of the Course
The purpose of this class is to study various theories (e.g., concepts, analytical frameworks, approaches, etc.) of comparative politics using Australia and Japan as case study. By the end of the class, students will have not only knowledge of Australian politics, but also a deeper understanding of various theories of comparative politics, and will be able to apply them to their own work (e.g., analysis of Japanese politics).
到達目標 【日本語】
Objectives of the Course(JPN)
・比較政治学の諸理論(概念・分析枠組・アプローチなど)を理解する
・比較政治学の諸理論(概念・分析枠組・アプローチなど)を活用して、現実政治に関する理解を深める
・上記を通じて、現代社会の政治システムに対して、自分自身の意見を持てるようにする
・オーストラリア政治(や日本政治)に関する理解を深める
到達目標 【英語】
Objectives of the Course
授業の内容や構成
Course Content / Plan
本授業は、オーストラリア(および日本)を事例に、比較政治学の諸理論(概念・分析枠組・アプローチなど)を学ぶことを通じて、オーストラリア政治(および日本政治)に関する理解を深めることに加え、政治学の発想法を身につけることを目的とする。具体的には、オーストラリア政治を理解する上で重要となる三つのテーマ(①議会制度、②福祉国家、③多文化主義、時間があまれば④中央地方関係)に注目して、各テーマに関する比較政治の諸理論を紹介し、オーストラリア(および日本)の位置・特徴と近年の変化、そしてオーストラリア(および日本)の事例がもたらす理論的含意などを検討していく。
 オーストラリア政治は、欧米諸国を対象に研究成果を蓄積してきた現代政治学においては十分に分析されることはなく、その特徴やダイナミズムに関する理解は深まっていないだけでなく、その理論的含意も十分に検討されてこなかった。その一方で、オーストラリア研究では、オーストラリアという事例の固有性や特徴を明らかにすることに力点をおいてきたため、その一般性や理論的意義は十分に検討されてこなかった。本授業では、比較政治学の諸理論の観点から、オーストラリア政治の分析を行うことで、他の事例との共通性と差異を明らかにすることに加え、オーストラリアの経験がもたらす政治学への理論的含意も検討する。オーストラリア政治の分析にあたっては、日本政治にも言及することで、これまで十分に検討されてこなかった逸脱事例が果たす理論的意義も明らかにしたい。

○授業計画(あくまでも予定であり、受講者の興味関心によって変更もありうる)○
第1回 イントロダクション-オーストラリアの政治社会、逸脱事例を学ぶ意義-
第2~5回 比較のなかのオーストラリア① 議会制度
第6~9回 比較のなかのオーストラリア② 福祉国家
第10~13回 比較のなかのオーストラリア③ 多文化主義
第14回 逸脱事例がもたらす理論的貢献-オーストラリアと日本がもたらす新たな知見-
第15回 本授業のまとめと確認テスト
履修条件・関連する科目
Course Prerequisites and Related Courses
特にはないが、政治学系の科目を受講していることが望ましい。
成績評価の方法と基準
Course Evaluation Method and Criteria
成績評価は、①授業時のコミュニケーションペーパー(10%程度)、②最終確認テスト(50%程度)、③最終レポート(40%程度)から総合的に判断する。詳細については、初回授業時に説明する。
①については、毎日1回程度、出席の代わりに、授業内容に関する簡単な意見を書いてもらうものとする。②については、最終授業時に60分間程度で実施し、授業内容の理解度を確認するための問題を出題する。問題は、授業で解説してきた諸理論を説明してもらう形を予定している。③については、授業終了後に、授業テーマに関連したものを、A4で3頁以上(1600字×3頁以上)書いてもらうことを予定している。
100点満点で60点以上を合格とし、上記の点や段階評価の考え方など、成績評価の詳細については、イントロダクションで説明する。
教科書・テキスト
Textbook
本講義では、特定のテキストを採用せず、各回ごとにレジメを配布し、それに基づき授業を進めていく。講義内容を理解し、各自で学習を進めていくために、比較政治学の教科書を手元に置いておくことを推奨する。例えば、以下の文献を参照。
・久保慶一・末近浩太・高橋百合子『比較政治学の考え方』有斐閣、2016年。
・粕谷祐子『比較政治学』ミネルヴァ書房、2014年。
・建林正彦・曽我謙悟・待鳥聡史『比較政治制度論』有斐閣、2008年。
・岩﨑正洋『比較政治学入門』勁草書房、2015年。
・新川敏光・井戸正伸・宮本太郎・眞柄秀子『比較政治経済学』有斐閣、2004年。
・田中拓道・近藤正基・矢内勇生・上川龍之進『政治経済学』有斐閣、2020年。
参考書
Reference Book
個別のテーマに関する参考文献については、授業で適宜紹介していく。なお、オーストラリアの政治社会に関する基礎的な知識を得るためには以下のものが有益である。
・竹田いさみ・森健(編)『オーストラリア入門』東京大学出版会、1998年。
・竹田いさみ・永野隆之・森健(編)『オーストラリア入門(第二版)』東京大学出版会、2007年。
・竹田いさみ『物語オーストラリアの歴史』中公新書、2013年。
・関根正美『マルチカルチュラル・オーストラリア』成文堂、1989年。
・関根正美ほか『概説オーストラリア史』有斐閣、1988年。
・早稲田大学オセアニア研究所(編)『世界の中のオーストラリア』オセアニア出版、2012年。
・関根正美ほか(編)『オーストラリア多文化社会論』法律文化社、2020年。
・塩原良和『ネオリベラリズム時代の多文化主義』三元社、2005年。
・塩原良和『変革する多文化主義へ』ミネルヴァ書房、2010年。
・A・マクレランほか(編)『オーストラリアの社会政策』第一法規株式会社、2009年。
・小松隆二ほか(編)『ニュージーランド・オーストラリア』東京大学出版会、1999年。
・D・ジェンシュ『オーストラリア政治入門』慶応通信、1986年。
・D・エイトキンほか『オーストラリアの政治制度』勁草書房、1987年。
・D・ジェンスチ『オーストラリアの政党制度』勁草書房、1987年。
課外学習等(授業時間外学習の指示)
Study Load(Self-directed Learning Outside Course Hours)
授業前には、政治学の基礎知識を復習し、オーストラリアをはじめとした先進諸国の政治社会に関するニュースなどに広く触れておいてもらえると、授業内容の理解が深まる。授業後には、学習した内容をレポート作成時に主体的に活用することで、授業で得た知識を自分のものにしていってほしい。
注意事項
Notice for Students
講義中の私語は、他の受講生の迷惑になるため、厳禁とします。また、その他の注意点については、初回授業時に説明します。講義内容や学習方法など分からないことがあったら、講義の前後の時間や質問用紙、メールなどを用いて、積極的に質問してください。 比較政治学や政治学一般に興味のある方、オーストラリアや日本の政治社会に興味のある方の受講をお待ちしています。
授業開講形態等
Lecture format, etc.
対面授業を予定しているが、新型コロナ感染症の感染状況によっては、大学の方針に従い、遠隔授業(オンデマンド配信)に変更する場合もある。なお授業形態を変更する場合は、事前に連絡をする。
対面の場合の講義室一覧については、名古屋大学大学院法学研究科ホームページの「NEWS ニュース」に掲載します。URL:https://www.law.nagoya-u.ac.jp/
遠隔授業(オンデマンド型)で行う場合の追加措置
Additional measures for remote class (on-demand class)
遠隔授業は基本的にはNUCTで行う。教員への質問方法、学生同士の意見交換の方法は次のとおりとする。なお、教員より別の指示がある場合は、その指示に従うこと。
・教員への質問は、NUCT機能「メッセージ」により行うこと。
・授業に関する受講学生間の意見交換は、NUCT機能「メッセージ」により行うこと。
(※担当教員が「フォーラム」機能を追加設定した場合は「フォーラム」も利用可。)
Remote classes are conducted via NUCT basically. Questions to instructors should be asked using the NUCT "Message" function.
Student discussions will be conducted using the NUCT "Message" function. (If the instructor has added the "Forum" function, the "Forum" can also be used.)
Follow your instructor's directions if your instructor has any other directions