授業の目的 【日本語】 Goals of the Course(JPN) | | テーマ: リーマン幾何から極小曲面・スペクトル幾何へ
この少人数クラスのキーワードは、極小曲面とラプラシアンの固有値です。極小曲面は石鹸膜の数理モデルであり、数学的には局所的に面積が最小になる曲面です。平均曲率がいたるところゼロの曲面ということもできます。一方、ラプラス作用素の固有値はリーマン多様体の最も基本的な解析的不変量で、スペクトル幾何の中心的研究対象です。この少人数クラスでは、リーマン幾何を学習した後に、極小曲面やラプラス作用素の固有値について学ぶとともに、新しい知見を得ることを目指します。
曲面上のラプラス作用素の固有値に関連して、近年関心を集めている問題があります。ラプラス作用素は平面では2階微分の和ですが、曲面においてはその第1基本形式(リーマン計量)に依存して異なる形をとります。幾何解析における古典的問題の一つに、曲面上のラプラス作用素の第k固有値をリーマン計量をすべて動かして最大化する(上限を求め、それを実現するリーマン計量を求める)という問題があります。近年、この問題について大きな進展がなされました。とくに最大化計量が存在すれば、それは必ず(一般には高次元の)球面内の極小曲面の計量として実現されるという美しい定理が証明されています。この問題や関連する話題に取り組むことも一つの方向性として考えています。
この少人数クラスでの学習を通じて、主体的に学習する姿勢、数学的思考力、他人と議論する力を身につけることも重要な目標です。 |
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授業の目的 【英語】 Goals of the Course | | In this class we study minimal surface from geometric and analytic points of view. As an example of direction of study, there is an interesting relation between Laplacian eigenvalue maximizing problem and minimal surface in spheres. In order to become able to handle minimal surfaces in curved spaces such as spheres, we will also learn basics of Riemannian geometry. |
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到達目標 【日本語】 Objectives of the Course(JPN)) | | 1年生の場合は、リーマン幾何について学習し、極小曲面・スペクトル幾何に関する専門書・論文の購読に取り掛かること。2年生の場合は、極小曲面・スペクトル幾何に関する研究論文に取り組み、できれば新たな知見を得ること。 |
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到達目標 【英語】 Objectives of the Course | | For first-year students, to understand basics of Riemannian geometry. For secon-year students, to understand minimal surfaces and/or spectral geometry. |
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授業の内容や構成 Course Content / Plan | | この少人数クラスでは、リーマン幾何に関する準備をした上で、極小曲面・スペクトル幾何に関する専門書・論文に取り組み、新たな知見を得ることを目指します。
読み進める文献は相談の上で決めますが、一つの進め方として、教科書の欄にあげるテキストのいずれかで微分幾何の基礎を学んだ後に関連する論文の学習に進むことが考えられます。
実施方法: 週に1回、おもに輪講形式のセミナーによって文献を読み進めていきます。1回の時間は各受講者が概ね2週間に1回発表できるように設定します。発表者は文献の内容を明確に説明できるよう事前に十分準備することが求められます。
In this class, after preliminary study on differential geometry by possibly using the books 1 and/or 2 in the reference below, we proceed to work with research papers on minimal surfaces. We meet once a week and read through literatures. Presenters are required to prepare to clearly explain the content of the literatures. |
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履修条件 Course Prerequisites | | 学部3年生までに学習する数学の内容を理解しており、学部2年生までに学習する数学の内容に十分習熟していること。
Main language for this class is Japanese. |
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関連する科目 Related Courses | | 幾何学概論を始めとして、幾何学に関わる大学院講義科目を受講することは、この少人数クラスでの学習に役立ちます。 |
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成績評価の方法と基準 Course Evaluation Method and Criteria | | 出席と発表・討論および研究の状況を総合的に評価して行います。合格の基準は、特別な事情のない限り毎回出席し、自分の担当の日に発表することです。A,B,C評価は発表・討論・研究の状況から判定します。 |
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教科書・テキスト Textbook | | 現時点では未定。受講者が確定してから相談の上で決定する。可能性として以下をあげておく。
1. Isaac Chavel, Riemannian geometry, A modern introduction, Cambridge University Press, 1994.
2. I. A. Taimanov, Lectures on Differential Geometry, European Mathematical Society, 2008.
3. R.Osserman, A survey of minimal surfaces, Dover Publications, 2013.
4. H. Blaine Lawson, Jr., Lectures on Minimal Submanifolds, 1980. |
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参考書 Reference Book | | 現時点では未定。受講者が確定してから相談の上で決定する。可能性として以下をあげておく。
1. Isaac Chavel, Riemannian geometry, A modern introduction, Cambridge University Press, 1994.
2. I. A. Taimanov, Lectures on Differential Geometry, European Mathematical Society, 2008.
3. R.Osserman, A survey of minimal surfaces, Dover Publications, 2013.
4. H. Blaine Lawson, Jr., Lectures on Minimal Submanifolds, 1980. |
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課外学習等(授業時間外学習の指示) Study Load(Self-directed Learning Outside Course Hours) | | 少人数クラスの発表の準備が課外学習に相当する。内容を理解し、聴講者に分かりやすく説明できるよう準備することが望まれる。 |
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注意事項 Notice for Students | | |
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他学科聴講の可否 Propriety of Other department student's attendance | | |
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他学科聴講の条件 Conditions of Other department student's attendance | | とくにありませんが、これまでの学習状況を確認した上で、聴講のあり方を相談します。 |
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レベル Level | | |
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キーワード Keyword | | |
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履修の際のアドバイス Advice | | 知っていることが望ましい知識: 履修要件に記載したとおり。多様体を知っているとなおよいです。 |
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授業開講形態等 Lecture format, etc. | | 指定したテキストや論文にしたがって受講者が講義する形式を基本とし、必要に応じて担当教員が講義を行う。 |
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遠隔授業(オンデマンド型)で行う場合の追加措置 Additional measures for remote class (on-demand class) | | |
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