学部・大学院区分
Undergraduate / Graduate
法・専学
時間割コード
Registration Code
9350400
科目区分
Course Category
基礎法学・隣接科目
Basic Law and Related Courses
科目名 【日本語】
Course Title
法制史
科目名 【英語】
Course Title
Legal History
担当教員 【日本語】
Instructor
波多野 敏 ○
担当教員 【英語】
Instructor
HATANO Satoshi ○
単位数
Credits
2
開講期・開講時間帯
Term / Day / Period
春 月曜日 2時限
Spring Mon 2
対象学年
Year
1年
1
授業形態
Course style
演習
Seminar


授業の目的 【日本語】
Goals of the Course(JPN)
ヨーロッパにおける法の発展を概観する。明治以降の日本法はヨーロッパ法を輸入したものであるが、このヨーロッパ法の歴史的展開を見ることで、ヨーロッパ法の特徴を理解するように努めたい。講義の前半は、中世ヨーロッパの大学における法律学の形成を見る。後半は、特にフランス革命期を中心に近代法が形成されるプロセスを見てゆく。これによって、ヨーロッパの法システムの特徴を考えていきたい。
授業の目的 【英語】
Goals of the Course
This course aims to analyse of european legal history in comparative perspective.
到達目標 【日本語】
Objectives of the Course(JPN)
歴史的に形勢されてきたヨーロッパ法の特徴を概観することで、現代の法律学の基盤となっている「方法」と「価値」を理解し、法的議論の基本構造を理解することを目的とする。
到達目標 【英語】
Objectives of the Course
The main purpose of this course is to make the student acquire a general understanding of historical characteristics of ’method’ and 'value' in european legal system.
授業の内容や構成
Course Content / Plan
回 / テーマ / 講義内容 / 授業時間外の学修活動 / 関連ページ

1.はじめに(4月11日)
明治以降の日本法の基礎はヨーロッパにあること、また明治以前の法ととヨーロッパ法とが大きく異なっていることをまず理解する。
指示された参考文献を読むこと。

2.古代ローマ法(4月18日)
紀元前5世紀以降、1000年以上の歴史を持つ古代ローマで、権力構造の変化に伴って変遷してゆく、訴訟形態や法源の変化を概観し,6世紀のユスティニアヌスの法典編纂につながるローマ法学の特徴を考える。
指示された参考文献を読むこと。

3.ヨーロッパ法の特徴(4月25日)
古代ローマ法と伝統的日本法を比較し、中世以降のヨーロッパ法の特徴をあらかじめ概観する。
指示された参考文献を読むこと。

4.「ヨーロッパ」の諸部族の法と裁判(4月29日)
いま現在「ヨーロッパ」と呼ばれている地域で、古代から初期中世の時代に拡がっていた部族の法と裁判の特徴を簡単に整理することで、ヨーロッパ法文化の基層を理解する。
指示された参考文献を読むこと。

5.中世ヨーロッパにおける法学の成立と展開(1)12世紀ルネサンスと大学の成立(5月2日)
12世紀末頃からヨーロッパで大学が成立する。この大学を舞台に、現在につながる法律学が作られる。大学という高等教育機関が社会の中で大きな役割を果たすようになるのがヨーロッパの一つの特徴でることを理解する。
指示された参考文献を読むこと。

6.中世ヨーロッパにおける法学の成立と展開(2)スコラ学の方法(5月9日)
中世ヨーロッパの大学で展開するスコラ学の方法が現代につながる法律学の方法の基本構造を作り上げたことを理解する。
指示された参考文献を読むこと。

7.中世ヨーロッパにおける法学の成立と展開(3) 学識法の形成(5月16日)
教会や王権を中心として整備される裁判制度で、大学で法学識を身につけた法律家が法システムの運営に関わるようになる。
指示された参考文献を読むこと。

8.中間まとめ:ヨーロッパの法システム(5月23日)
中世ヨーロッパの大学で法律学が成立し、これを基盤として独自の解釈方法を備えた、自立した法システムとしての学識法が生まれてくることを理解する。
指示された参考文献を読むこと。

9.アンシャン・レジームの法と国家(5月30日)
中世末から近世にかけて近世国家が形成されてくるが、この国家は社団の特権を基礎にした国家形態を取っていたことを理解する。
指示された参考文献を読むこと。

10.フランス革命と法の変容(1)社会契約論(6月6日)
フランス革命を通じて作られる近代法システムの基礎となる社会契約論の構造を理解する。
指示された参考文献を読むこと。

11.フランス革命と法の変容(2) フランス革命における国制の変容(6月13日)
フランス革命という歴史過程を経て、社団国家が、個人を社会構成の基礎とする社会契約論的な国民国家へと変わったことを理解する。
指示された参考文献を読むこと。

12.フランス革命と法の変容(3) 人権宣言と社会契約論(6月20日)
フランス革命の新国家形成のプロセスで人権宣言がもった意味と、人権宣言の理論構造を理解する。
指示された参考文献を読むこと。

13.フランス近代法の成立
革命後、ナポレオンの下で完成した近代法体系の基本的な特徴を理解する。(6月27日)
指示された参考文献を読むこと。

14.現代ヨーロッパ法の形成(7月4日)
19世紀後半以降、新しい法分野が生まれ、伝統的な法領域においても、法の社会化・個別化などと呼ばれる現象が進展してゆくが、この意味を理解すること。
指示された参考文献を読むこと。

15.まとめ(7月11日)
ヨーロッパ近代法の基礎となっている価値を理解し、現代法の歴史的性格を理解する。
指示された参考文献を読むこと。

16.期末試験・講評(試験期間中)
履修条件・関連する科目
Course Prerequisites and Related Courses
履修要件は要さない。
成績評価の方法と基準
Course Evaluation Method and Criteria
授業への出席など参加の仕方(20%程度)、期末試験またはレポートなど(80%程度)を総合的に評価する。西洋法制史の流れを理解し、基本的な概念・用語を正確に理解すること、これによってヨーロッパ法の特徴を正確に理解することで合格となる。
成績評価(合否判定及び成績の区分)は,名古屋大学法科大学院が教育課程方針に基づいて策定した評価基準に従って行う。
教科書・テキスト
Textbook
講義レジメ、資料を配布する。また各講義に必要な参考文献については,講義の進行に合わせて、レジメ等で適宜指示する。
参考書
Reference Book
ピーター・スタイン『ローマ法とヨーロッパ』2003、ミネルヴァ書房
村上淳一『<法>の歴史』(新装版) 2013 、東京大学出版会
波多野敏『生存権の困難:フランス革命における近代国家の形成と公的な扶助』2016、勁草書房
課外学習等(授業時間外学習の指示)
Study Load(Self-directed Learning Outside Course Hours)
指定した参考文献などを読んで、授業内容についての理解を深めること。
注意事項
Notice for Students
授業開講形態等
Lecture format, etc.
遠隔授業(オンデマンド型)で行う場合の追加措置
Additional measures for remote class (on-demand class)