学部・大学院区分
Undergraduate / Graduate
法・専学
時間割コード
Registration Code
9350500
科目区分
Course Category
基礎法学・隣接科目
Basic Law and Related Courses
科目名 【日本語】
Course Title
現代世界の政治
科目名 【英語】
Course Title
Political Science of the Modern World
担当教員 【日本語】
Instructor
西山 真司 ○
担当教員 【英語】
Instructor
NISHIYAMA Shinji ○
単位数
Credits
2
開講期・開講時間帯
Term / Day / Period
春集中 その他 その他
Intensive(Spring) Other Other
対象学年
Year
1年
1
授業形態
Course style
演習
Seminar


授業の目的 【日本語】
Goals of the Course(JPN)
 本講義では、現代において政治現象を理解するための思考法と枠組みを説明する。とりわけ、現代の政治的思考の根幹を形成する近代政治原理が、どのように成立してどのように変容を迫られているかについて、具体的な事例を踏まえながら講義をおこなう。元来政治とは自らと異なる他者との共存に伴って発生するものであり、さまざまな「他者」との共存を前提とした現代においては、社会における政治的な契機を問い直すことが強く求められていると言える。たとえば、新型コロナウイルス感染症とそれに伴う社会的な動揺にも見られるように、既存の秩序はけっして安定的・普遍的なものではない。
 この講義では、近代における発明品としての「個人」概念と「政治」概念を軸に、近代政治原理としての自由主義・民主主義・立憲主義について説明し、それによって複雑なこの社会において他者と共存することを、法学とは異なった視角から考え直すこととする。そのことを通じて、法曹を目指す際に必要となる教養と、社会および政治に対する多角的な視点の涵養を目指す。
授業の目的 【英語】
Goals of the Course
到達目標 【日本語】
Objectives of the Course(JPN)
本講義の到達目標は、以下のものである。

(1)政治学の基本的な考え方を身につける。
(2)近代政治原理とその現代的な発現事例について理解する。
(3)政治学的な思考の習得によって、複雑な社会を把握し見通すことができる思考力・洞察力を涵養する。
到達目標 【英語】
Objectives of the Course
授業の内容や構成
Course Content / Plan
集中講義1日目【9/5】
政治学的な思考と法学的な思考の対比を中心に、政治の原理的な理解の仕方について学修する。
(1)イントロダクション――本講義の目的および内容の概観
(2)人間社会において政治が必要とされる理由
(3)政治システムと全体社会
〔振り返り学習:配布したレジュメを読んで整理しておくこと〕

集中講義2日目【9/6】
近代政治原理としての自由主義(リベラリズム)と、その後の自由主義の変質について学修する。
(4)自由主義の歴史的な起源とその思想
(5)現代的なリベラリズムの始まり
(6)再分配型リベラリズムへの批判と変容
(7)「新自由主義」とは何か
〔振り返り学習:配布したレジュメを読んで整理しておくこと〕

集中講義3日目【9/8】
近代政治原理としての民主主義と、民主主義の現代的な課題について学修する。
(8)民主主義における「大衆」と「個人」の来歴
(9)代議制民主主義と選挙
(10)選挙によらない民主主義はあり得るか
(11)民主主義的な決定の正しさと正統化に関する諸問題
〔振り返り学習:配布したレジュメを読んで整理しておくこと〕

集中講義4日目【9/9】
近代政治原理としての立憲主義を理解し、現代に至って近代政治原理がどのような変容を迫られているのかについて学修する。
(12)立憲主義の歴史的起源
(13)日本における近代政治原理の受容と変容
(14)ジェンダーと政治
(15)講義の振り返りとまとめ
〔振り返り学習:配布したレジュメを読んで整理しておくこと〕
履修条件・関連する科目
Course Prerequisites and Related Courses
履修条件は要さない。
成績評価の方法と基準
Course Evaluation Method and Criteria
各日程の最後に課す小レポート(40%)、発言・討論への参加意欲と内容(20%)、期末試験(40%)で評価する。
総合点で60点以上を合格とする。

小レポートと期末試験については、講義中に説明された概念を用いて社会現象を政治学的に捉えることができているかどうかを採点基準とする。
成績評価(合否判定及び成績の区分)は、名古屋大学法科大学院が教育課程方針に基づいて策定した評価基準に従って行う。
教科書・テキスト
Textbook
教科書は指定しない。講義レジュメを適宜配布する。
参考書
Reference Book
田村哲樹・近藤康史・堀江孝司『政治学』勁草書房、2020年。
田中拓道『リベラルとは何か――17世紀の自由主義から現代日本まで』中公新書、2020年。
杉田敦編『丸山眞男セレクション』平凡社、2010年。
課外学習等(授業時間外学習の指示)
Study Load(Self-directed Learning Outside Course Hours)
講義内容について、配布レジュメ等を活用して事後的に復習すること。
注意事項
Notice for Students
新型コロナウィルス感染症の流行状況によっては、遠隔での実施となる可能性がある。授業実施に関する連絡に注意すること。
授業開講形態等
Lecture format, etc.
対面式の集中講義として開講する。
遠隔授業(オンデマンド型)で行う場合の追加措置
Additional measures for remote class (on-demand class)