学部・大学院区分
Undergraduate / Graduate
理学部
時間割コード
Registration Code
0619811
科目区分
Course Category
専門科目
Specialized Courses
科目名 【日本語】
Course Title
応用数理特別講義Ⅱ
科目名 【英語】
Course Title
Special Course on Applied Mathematics II
コースナンバリングコード
Course Numbering Code
担当教員 【日本語】
Instructor
宇澤 達 ○
担当教員 【英語】
Instructor
UZAWA Tohru ○
単位数
Credits
1
開講期・開講時間帯
Term / Day / Period
秋集中 その他 その他
Intensive(Fall) Other Other
授業形態
Course style
講義
Lecture
学科・専攻
Department / Program
数理学科
必修・選択
Compulsory / Selected
選択


授業の目的 【日本語】
Goals of the Course(JPN)
この講義では,数学が実際にどのようにしてさまざまな分野と関係しているかを,
各分野で活躍されている講師の方にその一端を紹介することが目的である.
現在では,計算機の進歩,情報環境の高度化により,10数年前と比較しても
大きく変化してきている.その範囲は広範である.そのため前期および後期の講義
を併せて受講することが望ましい.

以下各講師の方の講義内容の紹介を行う.

畔上:
偏微分方程式を有限要素法で解く方法と最適化法を組み合わせれば,どのような問題が解けるようになるのかを学ぶ.

松井:
デジタル情報の誤り訂正符号
最も簡単な誤り訂正符号であるハミング符号から始め,続いてリード・ソロモン符号について解説する.

丹羽:
プロでない普通の人が高速かつ快適に運転できる背景にある運動性能理論とサスペンション設計についての紹介。

山田:
本講義では、NTT研究所、国立情報学研究所、NTTデータ先端技術における経験をもとに、ICTネットワークの設計、運用、セキュリティ、サービス開発における、応用数理分野に関する概要を紹介します。また、データサイエンス技術、および、オープンソースをもちいた、グラフ、データサイエンスにおけるデータ解析環境の構築法と事例についても紹介します。数理科学を学ぶ学生の卒業後の方向として、ICT分野への挑戦も、候補の一つとして考える契機としてもらえれば幸いです。

梶:
機械学習の領域では性能評価やアルゴリズム改良など様々な領域の数学が用いられています。
本講義では機械学習の概要と大学で学ぶ数学がどのような形で最新の機械学習技術に用いられているかを理解することを目的とします。
授業の目的 【英語】
Goals of the Course
The purpose of this series of lectures is to give a glimpse into how mathematics, as a tool, is helping others develop new ideas and give practical applications. The scope of mathematical applications have widened dramatically during the past ten to twenty years, propelled in part by advancement in computers (Moore’s Law) and developments in information technology, as realised in the internet, for example. Due to the breadth of the subject matter, it is advisable to register for both semesters.

We will now give a list of topics to be covered by the lecturers.

AZEGAMI:
We learn what kind of problems can be solved by combining the method of solving partial differential equations with the finite element method and the optimization method.

MATSUI:
Error-correcting codes for digital information.
We start with the Hamming code which is the simplest error-correcting codes,
and then discuss the Reed-Solomon code.

NIWA:
Lecture on vehicle dynamics theory and suspension design which makes people who is not expert on driving can drive so fast and comfortably.

YAMADA:
Based on my own experiences in the NTT Laboratory, National Institute of Informatics, and NTT Data Intellilink, I introduce the overview of the applied mathematics and data science technologies for design and operation of ICT network and services. How to design the analysis environment on your PC using open sources is also introduced. Through this lecture, I hope that most students will think that working in the ICT industry using mathematical thinking and skill is the one of the challenging things as their own carrier plans.

KAJI:
In the field of machine learning, various mathematics theories are applied to estimate the performance and to improve the algorithms.
The purpose of this lecture is to understand the outline of machine learning and what mathematics contributes to the latest machine learning technology.
到達目標 【日本語】
Objectives of the Course(JPN))
数学を他の分野で生かす能力及び態度が発揮できるようにする.そのため,他分野の講師によって提示された実際の事例に基づいて自分で調べたことをレポートを作成する.
到達目標 【英語】
Objectives of the Course
For these lectures we ask you to take an in-depth look at applications of mathematics to diverse fields so that,
given the opportunity, you can make similar contributions.
授業の内容や構成
Course Content / Plan
畔上:
有限要素法の原理,最適設計の基礎,形状最適化法,実問題への応用

松井:
誤り訂正符号とは,デジタル・データに冗長部と呼ばれるデータを付け加え,
誤りが起こっても一定数以下ならば冗長部から推定して訂正できるようにしたものである.
現在ではQRコード,デジタル放送,無線LANなどにおいて誤り訂正符号が用いられている.
受講者は数学の一端がどのように情報工学において応用されているかがわかるであろう.

丹羽:
世界の大半の地域では人・物の主要な移動手段は自動車である.本講義では安全,高速,快適な移動を支える車両運動理論の基礎と,それらの性能を製品として実現するためのサスペンション設計手法について簡単に紹介する.

山田:
以下の内容について講義をします。

(1) ネットワーク、通信サービスの設計、運用、性能評価とこれに付随する統計データ分析に関係する応用数理、データサイエンス技術分野の概要について、紹介します。
(対象)
・IPプロトコル、ルーティング等の性能評価
・IPネットワークの性能評価、設計、構築、
・ネットワーク、セキュリティの運用と運用管理におけるデータ分析、Knowledge Graph
・IPプロトコルのアプリケーション設計と構築(Segment Routing IPv6)
(応用数理、データサイエンス技術)
・通信待ち行列理論(Queuing Theory)、統計データ分析
・シミュレーション技術 (Monte Carlo, Discrete Event Driven Simulation(DES), Markov Chain Monte Carlo(MCMC))
・Graph Algorithmとこれを用いた解析と、Graph EmbeddingとMachine Larning

(2)所有するパーソナルコンピュータ上で、データ解析、検証、学習できる環境を構築する方法論について説明します。
・Windowsの上に、Linux(ubuntu)環境として、VirtualBoxを用いて仮想環境を構築
・Ubuntu上にグラフ/ネットワーク(Graph/Network)モデル、データ分析モデルを作成し、これを解析
・解析環境は、Jupyter Labを使って、Pythonで構築
・Pythonの主要なパッケージ(Numpy, NetworkX, Pymc, yfiles, Machine Larning関係パッケージ(sci-learn)など)を使用
・Graph DataBaseでは、Neo4jのGraph DBを扱う。Jupyter Labと連携させる。Neo4j以外のGremlin, Sparkについても簡単に紹介する。

梶:
本講義では
・機械学習の基本的な考え方
・ニューラルネットワーク
・Bayes学習
についてお話しします。特に上記3つのトピックを通してそこで用いられる数学に焦点を充てていきます。また、ニューラルネットワークやBayes学習ではその特徴理解
や性能評価のための数学的理論について概説し、機械学習への数学の応用について考えを深めていきたいと思います。
履修条件
Course Prerequisites
3年生対象科目。

畔上:偏微分方程式に関心があることが望ましい.

松井:特に必要はないが,代数学の初歩(群・環・体)がわかっているとよい.

梶:線形代数や微分積分の基礎知識と機械学習への興味があることが望ましい.

This course will be taught in Japanese.
関連する科目
Related Courses
成績評価の方法と基準
Course Evaluation Method and Criteria
毎回の講義についての感想および一つの講義について自分で掘り下げ調べた結果をレポートにまとめ,提出したものをもとに評価する.
不可(F)と欠席(W)の基準
Criteria for "Fail (F)" & "Absent (W)" grades
レポートが提出されなかった場合は不可とする.
参考書
Reference Book
畔上:
畔上秀幸,形状最適化問題,森北出版,2016

松井:
“符号理論における代数的手法”,電子情報通信学会基礎・境界ソサイエティ
Fundamentals Review, vol.8, no.3, pp.151-161, 2014.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/essfr/8/3/8_151/_pdf

丹羽:
安部正人, 自動車の運動と制御 第2版, 2012年, 東京電気大学出版局

山田:教科書・テキストと同じ

梶:
パターン認識と機械学習 C.M. ビショップ (著)
ベイズ統計の理論と方法 渡辺 澄夫 (著)
教科書・テキスト
Textbook
畔上:特になし

松井:特になし

丹羽:特になし

山田:
Graph / Graph Algorithmについて
(1) Mark Needham, Amy E.Hodler, "Graph Algorithms - Practical Examples in Apache Spark & Neo4j," O'REILLY, May 2019.
(2) Cusebio Stamile, Aldo Marzullo, Enrico Deusebio, "Graph Machine Larning," Packt Publishing, May 2021.
(3) Jesus Barrasa, Jim Webber, "Building Knowledge Graph - A Practitioner's Guide," O'REILLY, 2023.
Data Science Technologiesについて
(4) Joel Grus, "Data Science from Scratch - First Principles with Python, " O'REILLY, May 2019.
(5) Christoper M. Bishop, "PAttern Recognition and Machine Learning," Springer, 2006.
(6) M. P. Deisenroth, A. A. Faisal, C. S. Ong., "Mathematics for Machine Learning," Published by Cambridge University Press, 2020.
(7) C. E. Rasmussen & C. K. I. Williams, Gaussian Processes for Machine Learning, the MIT Press,2006.
(8) Andrew Gelman, John Carlin, Hal Stern, Donald Rubin, David Dunson, and Aki Vehtari, " Bayesian Data Analysis Third edition," https://stat.columbia.edu/~gelman/book/BDA3.pdf.
Computer Network Systemとその性能評価について
(9) Raj.Jain, "The Art of Computer Systems Performance Analysis:Techniques for Experimental Design, Measurement, Simulation, and Modeling," Wiley-Interscience, New York, NY. April 1991.
(10) Larry L. Peterson and Bruce S. Davie, "Computer Networks - A System Approach Third Edition," Morgan Kaufmann Publishers, San Francisco, CA, 2003.
解析、Programing環境構築について
(11) Virtual-BOX, http://www.oracle.com/technetwork/jp/server-storage/virtualbox/downloads/index.html
(12) Ubuntu, https://www.ubuntu.com/
(13) Jupyter, http://jupyter.org/
(14) Neo4j, https://neo4j.com/
(15) Pymc, https://www.pymc.io/welcome.html
(16) yworks, https://www.yworks.com/products/yfiles

梶:特になし(当日スライドで説明)
課外学習等(授業時間外学習の指示)
Study Load(Self-directed Learning Outside Course Hours)
一コマの講義で一つのかなり大きなテーマを扱うので,自分自身でそれぞれのテーマについて調べ(予習),講義を聞いて特に興味を持ったテーマについて自分で調べ,考えた結果をレポートにまとめることが要求される.
注意事項
Notice for Students
講義担当は以下の5名です。

畔上 秀幸(公益財団法人 名古屋産業科学研究所)
松井 一(豊田工業大学 工学部)
丹羽 智彦(トヨタ自動車株式会社)
山田 博司(フリーランスエンジニア)
梶 大介(株式会社デンソー)

※履修登録後に授業形態等に変更がある場合には、TACTの授業サイトで案内します。
他学科聴講の可否
Propriety of Other department student's attendance
可能
他学科聴講の条件
Conditions for Other department student's attendance
特になし
レベル
Level
2
キーワード
Keyword
畔上: 偏微分方程式,関数解析,最適化理論

松井:有限体,離散フーリエ変換,ユークリッドの互除法

丹羽:車両運動,操縦安定性,乗心地,タイヤ,サスペンション

山田:
・ ネットワーク(Network)
・ グラフ(Graph)、グラフアルゴリズム(Graph Algorithm)
・ データサイエンス(Data Science)、グラフデータサイエンス(Graph Data Science)
・ ICT(Information and Communication Technology)
・ 待ち行列理論(Queuing Theory)
・ シミュレーション/エミュレーション (Simulation/Emulation)
・ ML (Machine Learning)
・ オープンソース (Open Source)

梶:機械学習、ベイズ統計、ニューラルネットワーク、微分幾何、代数幾何、確率・統計
履修の際のアドバイス
Advice
畔上:関数が変数になった最適化問題の構造と解法について関数解析が重要な役割を演じていることを理解してもらえればうれしい.

松井:この回の講義は板書が主であり,プロジェクターは使わない予定である.
また任意提出のレポート問題を出すので,解いて提出するとよい(返却予定).

丹羽:特になし

山田:環境構築方法については、講義とHandoutにおいて説明はしますが、下記の経験があることが望ましいです。
・PC上に仮想環境を構築するVirtual Boxの使用
・Linux (ここではubuntuを用います)
・Python Programing (Jupyter lab, Jupyter notebook)の使用

梶:特になし
授業開講形態等
Lecture format, etc.
新型コロナの状況に応じて対面及びオンラインでの開催の予定である.
遠隔授業(オンデマンド型)で行う場合の追加措置
Additional measures for remote class (on-demand class)
特になし