授業の目的 【日本語】 Goals of the Course(JPN) | | 運動量,熱,物質の流れは,見かけ上共通の形の基本法則で記述できるため,工学においては,移動現象論と呼ばれる理論により取り扱われる.移動現象論は,巨視的な現象における,流体の運動,熱の移動,物質の移動を,現象論的に扱う学問であり,その研究および応用の対象は,材料工学をはじめ,機械工学,航空工学,化学工学,河川・土木工学などの工学分野や,大気や海洋,地殻・地球内部の流動現象などの自然現象を扱う地球・宇宙科学,海洋科学,環境科学などのさまざまな科学の分野まで,幅広い分野にわたっている.
本講義では,移動現象論の中でも,材料の製造・加工プロセスに密接にかかわる熱移動と物質の拡散を取り上げ,その現象と理論的な取り扱いの基礎を習得する.
各種材料を原料から製造するプロセスでは,反応装置内での化学反応や相の変態をともなう.その際の熱と物質の移動を解析,記述することは,プロセス全体の速度や効率,材料内部で進行する組織の変化を記述することに直結する.したがって,技術者,研究者として材料製造プロセスの研究,開発に携わる場合,装置の基本的概念の理解や新たな装置の設計,反応装置の高効率化,材料内部の組織の形成の解釈などの場面で,熱移動と拡散の理論は非常に有用な基礎知識である.受講生は,本講義を通じて,この知識を習得し,各種プロセスの解析・設計技術に関する基礎的能力を涵養することが期待される.
なお,本講義では主立っては取り扱われない運動量移動については,流れが関与する熱移動,物質移動を扱う際に,講義の中で簡単な基礎的事項について解説する.
ねらい: 以下の基礎的学力・能力を身につける
(1)物質の拡散現象に関する基礎的な問題について,原理的に解釈できる.
(2)熱移動の現象に関する基礎的な問題について,原理的に解釈できる.
(3)拡散と熱移動を含む移動現象一般について,エネルギーの観点から理解できる. |
|
|
授業の目的 【英語】 Goals of the Course | | •Course Purpose
In the theory of transport phenomena, the transports of momentum, heat and mass are described with analogous basic formulae. In the various materials production and manufacturing processes, on the other hand, the transport of heat and mass play important roles frequently. In this lecture, students are expected to learn about the basic theories of heat transfer and materials diffusion.
Students are expected to obtain the following abilities concerning transport phenomena
(1) To understand the fundamental aspects of diffusion phenomena
(2) To understand the fundamental aspects of heat-transfer phenomena
(3) To understand the fundamental aspects of transport phenomena on the basis of energy |
|
|
到達目標 【日本語】 Objectives of the Course(JPN)) | | 運動量,熱,物質の流れは,見かけ上共通の形の基本法則で記述できるため,工学においては,移動現象論と呼ばれる理論により取り扱われる.移動現象論は,巨視的な現象における,流体の運動,熱の移動,物質の移動を,現象論的に扱う学問であり,その研究および応用の対象は,材料工学をはじめ,機械工学,航空工学,化学工学,河川・土木工学などの工学分野や,大気や海洋,地殻・地球内部の流動現象などの自然現象を扱う地球・宇宙科学,海洋科学,環境科学などのさまざまな科学の分野まで,幅広い分野にわたっている.
本講義では,移動現象論の中でも,材料の製造・加工プロセスに密接にかかわる熱移動と物質の拡散を取り上げ,その現象と理論的な取り扱いの基礎を習得する.
各種材料を原料から製造するプロセスでは,反応装置内での化学反応や相の変態をともなう.その際の熱と物質の移動を解析,記述することは,プロセス全体の速度や効率,材料内部で進行する組織の変化を記述することに直結する.したがって,技術者,研究者として材料製造プロセスの研究,開発に携わる場合,装置の基本的概念の理解や新たな装置の設計,反応装置の高効率化,材料内部の組織の形成の解釈などの場面で,熱移動と拡散の理論は非常に有用な基礎知識である.受講生は,本講義を通じて,この知識を習得し,各種プロセスの解析・設計技術に関する基礎的能力を涵養することが期待される.
なお,本講義では主立っては取り扱われない運動量移動については,流れが関与する熱移動,物質移動を扱う際に,講義の中で簡単な基礎的事項について解説する.
ねらい: 以下の基礎的学力・能力を身につける
(1)物質の拡散現象に関する基礎的な問題について,原理的に解釈できる.
(2)熱移動の現象に関する基礎的な問題について,原理的に解釈できる.
(3)拡散と熱移動を含む移動現象一般について,エネルギーの観点から理解できる. |
|
|
到達目標 【英語】 Objectives of the Course | | •Course Purpose
In the theory of transport phenomena, the transports of momentum, heat and mass are described with analogous basic formulae. In the various materials production and manufacturing processes, on the other hand, the transport of heat and mass play important roles frequently. In this lecture, students are expected to learn about the basic theories of heat transfer and materials diffusion.
Students are expected to obtain the following abilities concerning transport phenomena
(1) To understand the fundamental aspects of diffusion phenomena
(2) To understand the fundamental aspects of heat-transfer phenomena
(3) To understand the fundamental aspects of transport phenomena on the basis of energy |
|
|
バックグラウンドとなる科目【日本語】 Prerequisite Subjects | | 力学Ⅰ・Ⅱ,数学1及び演習,数学2及び演習,化学基礎Ⅰ・Ⅱ |
|
|
バックグラウンドとなる科目【英語】 Prerequisite Subjects | | Dynamics 1,2 Mathematics 1,2 with Exercises Chemistry 1,2 |
|
|
授業の内容【日本語】 Course Content | | 1.移動現象の基礎法則と拡散現象の基礎的知識(フィックの法則と物質流束)
最初に,運動量・熱・物質の移動についてのニュートンの法則,フーリエの法則,フィックの法則を学び,移動現象論の基本的な形式を理解する.ついで,気相,液相,固相内の各種拡散現象の具体例を学ぶ.物質の巨視的拡散現象を記述する基礎式であるフィックの法則について学び,拡散流束と非定常拡散方程式の取り扱いの基礎について理解を深める.
2.拡散現象の物理,物質内の拡散機構
巨視的な拡散方程式の背後にある物理現象(ランダムな分子・原子運動,拡散の駆動力)について,ブラウン運動の理論と非平衡熱力学に基づき原理的に学ぶ.また,物質の微視的拡散機構について,分散相(気相)と凝縮相(液相,固相)中の原子・分子運動の観点から学び,拡散係数の意味を理解する.
3.いくつかの境界条件下での拡散方程式の解法とその応用
二成分系相互拡散および一方拡散(気相),一次元半無限体の非定常拡散,点源からの一次元拡散など,単純な系を想定したいくつかの境界条件下での拡散方程式の解法について学ぶ.ついで,金属や半導体の表面処理など,材料製造プロセスにかかわる具体例により拡散方程式の応用例を学ぶ.
4.流れと物質移動
固体の流体への溶解現象や流体中からの固体の析出に応用される拡散現象をともなう物質移動モデルについて,その基本を学ぶ.
5.熱移動現象の基礎的知識(フーリエの法則と熱流束)
移動現象論の基本的な形式を理解する.ついで,熱移動現象の物理的意味,物体の熱伝導,身近な伝熱現象など,熱移動に関する基本的な概念を理解する.
6.いくつかの境界条件下での熱伝導方程式の解法
熱伝導現象の基礎について学び,伝熱方程式(微分方程式)の導出とその簡略化およびシミュレーションによる解の求め方について理解する.また,熱伝導の合成問題について学ぶ.
7.流れと熱伝達および放射熱伝達
対流により熱が運ばれる対流伝熱について学び,熱伝導との関連を理解する.また,伝導,対流伝熱とは異なる熱移動現象である放射伝熱の基礎を学び,理論的取り扱いについて理解を深める.
8.熱の発生(燃焼計算)
種々の熱の発生方法を理解し,燃焼に関するテクニカルターム・燃焼について学ぶ.また,燃焼計算について理解を深める.
9.熱エネルギー変換
熱エネルギーを他のエネルギーに変換する手法を学ぶ.特に、ヒートポンプについて理解を深める.
授業時間外学習:
次回の授業範囲を予習し,専門用語の意味等を理解しておくこと. |
|
|
授業の内容【英語】 Course Content | | 1. Fundamentals of diffusion phenomena, Fick's laws and mass flux
2. Physical aspects of diffusion and the mechanisms of diffusion
3. Diffusion equations under typical boundary conditions
4. Fluid flow and mass transfer
5. Fundamentals of heat transport phenomena (Fourier's law and heat flux)
6. Heat conduction equations under typical boundary conditions
7. Flow and conductive & convective heat transfer, and, radiative heat transfer
8. Combustion calculations
9. Thermal energy conversions (heat pumps)
Out-hours learning:
To prepare for the next class and understand the meaning of technical terms. |
|
|
成績評価の方法と基準【日本語】 Course Evaluation Method and Criteria | | 物質の拡散現象および熱移動の現象について原理的に解釈でき,拡散と熱移動を含む移動現象一般について,エネルギーの観点から理解でき、物質収支式と熱収支式を導出できれば合格とする.
より難易度の高い問題を扱うことができれば,それに応じて成績に反映する.
講義中の小テスト,演習レポート(0%~約20%,実施回数による)
定期試験(約80%~100%,小テスト,演習レポートの回数による)
全体で60%以上のポイントを獲得した学生に単位を認定する. |
|
|
成績評価の方法と基準【英語】 Course Evaluation Method and Criteria | | A pass is accepted if diffusion phenomena and heat transfer phenomena of substance can be interpreted in principle, transfer phenomena including diffusion and heat transfer in general can be understood from the viewpoint of energy, and mass balance equation and heat balance equation can be derived.
If you can handle more difficult questions, it will be reflected in your grades accordingly.
Short tests and reports: 0 to approx.20%
Final examination: approx. 80% to 100%
Total points of 60% is required at the least. |
|
|
履修条件・注意事項【日本語】 Course Prerequisites / Notes | | |
|
履修条件・注意事項【英語】 Course Prerequisites / Notes | | |
|
教科書【日本語】 Textbook | | プリントを適宜配布する.教科書を使用する場合は,初回の講義で紹介する. |
|
|
教科書【英語】 Textbook | | Appropriate handouts or specific citations will be given in the class. |
|
|
参考書【日本語】 Reference Book | | 城塚正ら:移動現象論, オーム社.
田坂英紀:伝熱工学(機械工学入門講座),森北出版.
小岩,中嶋:材料における拡散,内田老鶴圃
R. B. Bird, W. E. Stewart, E. N. Lightfoot : Tranport Phenomena 2nd. ed., John Wiley & Sons.
D. R. Poirier & G. H. Geiger : Transport Phenomena in MaterialsProcessing, TMS
架谷昌信監修:新編 化学工学,共立出版.
架谷昌信・木村淳一編著:燃焼の基礎と応用,共立出版.
三宅哲:熱力学,裳華房. |
|
|
参考書【英語】 Reference Book | | R. B. Bird, W. E. Stewart, E. N. Lightfoot : Tranport Phenomena 2nd. ed., John Wiley & Sons.
D. R. Poirier & G. H. Geiger : Transport Phenomena in MaterialsProcessing, TMS |
|
|
授業時間外学習の指示【日本語】 Self-directed Learning Outside Course Hours | | 授業の際に出された課題については,提出期限までに解答して提出する. |
|
|
授業時間外学習の指示【英語】 Self-directed Learning Outside Course Hours | | Answer and submit assignments given in class by the submission deadline. |
|
|
使用言語【英語】 Language used | | |
|
使用言語【日本語】 Language used | | |
|
授業開講形態等【日本語】 Lecture format, etc. | | |
|
授業開講形態等【英語】 Lecture format, etc. | | |
|
遠隔授業(オンデマンド型)で行う場合の追加措置【日本語】 Additional measures for remote class (on-demand class) | | |
|
遠隔授業(オンデマンド型)で行う場合の追加措置【英語】 Additional measures for remote class (on-demand class) | | |
|