授業の目的 【日本語】 Goals of the Course(JPN) | | 本授業は、相互行為を微視的に観察する「会話分析(相互行為分析)」の手法と視点、及び最近の研究の動向を学ぶことを通して、相互行為の仕組みに関する知識・理解を深め、我々の言語と身体に関する既存の知見を捉え直す、創造的探求心の育成を目指す。 |
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授業の目的 【英語】 Goals of the Course | | The purpose of this course is to enhance students' understanding of human social interaction through interdisciplinary perspectives on human use of language and body, and help them develop the creativity to explore and reexamine the existing theories of language from a new standpoint.
By the end of this course, students are expected to accomplish the following: - understand and explain how people organize interaction - analyze language and bodily conduct in naturally occurring conversational data using conversation analysis - develop a deep insight into human everyday actions - correctly understand and summarize the literature in the field - apply the findings from conversation analysis to their own research |
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到達目標 【日本語】 Objectives of the Course(JPN) | | ・相互行為とは何かについて理解し、説明できる ・会話分析の手法を理解し、説明できる ・会話分析を用いて、自然会話データの音声発話および身体動作を分析できる ・会話分析や相互行為分析における研究成果による知見を独自の研究に当てはめ、応用することができる ・新しい分野における文献を正確に読み解き、説明する能力を身につける ・人間の日常の行為への鋭い洞察力を身につける |
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授業の内容や構成 Course Content / Plan | | 本授業では、我々の日常における実際の言語と身体動作に焦点を当てます。 本授業では、自然会話データを用いて相互行為における人々の言語や身体動作の産出過程を微視的に観察する「会話分析(conversation analysis)」(相互行為分析)の研究手法を取り扱います。特に相互行為のマルチモダリティ(言語や身体動作の統合性)に焦点を当てた会話分析研究の論文を読み、自然会話データを実際に観察することを通し、言語と身体動作が相互行為の資源となって行為を生み出す過程について学びます。その上で、相互行為研究の手法の習得を目指します。
秋学期は、会話分析(相互行為分析)の基礎をおさえていることを前提に、言語と身体動作の相互行為分析についての最新の研究論文を読み、相互行為のマルチモダリティを扱う上での分析上の問題点について議論することで、相互行為の組織と分析手法についてより深く理解することを目指します。
授業計画:
1. イントロダクション 2. 相互行為分析とは、マルチモダリティとは 3. 相互行為分析の手法: 単一事例の分析 4. 相互行為分析の手法:コレクションの作成と分析 5. マルチモーダルコレクション:単一のモダリティへの焦点 6. マルチモーダルコレクション:複数のモダリティの統合性への焦点 7. マルチモーダルトランスクリプトの作成 8. ELANを使った分析手法(発展編) 9-12. 応用編:様々な相互行為とマルチモダリティ 13-14. 会話データ分析練習 15. まとめ
受講生は、授業内で担当文献の要旨の発表を行います。主に英語の文献を読み、まとめる準備をしておいてください。 |
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履修条件・関連する科目 Course Prerequisites and Related Courses | | 自然会話場面のビデオや音声データを既に収録している、もしくはコーパスより入手していることが望ましいですが、そのようなデータを持っていない場合は、事前に連絡してください。 |
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成績評価の方法と基準 Course Evaluation Method and Criteria | | 1. 出席・議論への積極的参加、毎回のリアクションペーパー (20%) 2. 文献の要約と発表、会話データの発表 (30%) 3. 課題x2 (合計50%)
100点満点中、60点を合格とします。 課題では、会話データの書き起こしや分析を課します。 詳細については、授業内で案内します。 |
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教科書・テキスト Textbook | | 教材とリーディングリストは、授業内で配布します(授業計画と参考文献を参照のこと)。 |
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参考書 Reference Book | | ・坊農真弓・ 高梨克也 (共編). (2009). 『多人数インタラクションの分析手法 (知の科学) 』オーム社 ・Haddington, P., Mondada, L., & Nevile, M. (Eds.) (2014). Interaction and mobility: Language and the body in motion. Walter de gruyter. ・細馬宏通・菊地浩平(編)(2019). 『ELAN入門—言語学・行動学からメディア研究まで』ひつじ書房 ・Kendon, A. (2004). Gesture: Visible Action as Utterance. Cambridge University Press. ・西阪仰 (編訳) (2010).『会話分析基本論集』 世界思想社. ・斎藤 洋典・喜多 壮太郎 (編). (2002). 『ジェスチャー・行為・意味』共立出版. ・Schegloff, E. A. (2007). Sequence organization in interaction: A primer in conversation analysis 1. Cambridge: Cambridge University Press. ・Streeck, J. (2009). Gesturecraft: The manu-facture of meaning. Amsterdam: John Benjamins. ・Streeck, J., Goodwin, C., & LeBaron, C. (Eds.), (2011). Embodied interaction: Language and body in the material world. Cambridge: Cambridge University Press. ・高梨克也(2016)『基礎から分かる会話コミュニケーションの分析法』ナカニシヤ出版. ・安井永子・杉浦秀行・高梨克也(編)(2019) 『指さしと相互行為』ひつじ書房. |
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課外学習等(授業時間外学習の指示) Study Load(Self-directed Learning Outside Course Hours) | | 文献(英語)を事前に読んで予習し、議論に参加できる準備をしておくこと。 担当する文献については、レジュメを作成し、クラス内で議論できる質問を用意すること。 |
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履修取り下げ制度(利用の有無)学部のみ Course withdrawal | | |
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備考 Others | | |
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授業開講形態等 Lecture format, etc. | | |
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