学部・大学院区分
Undergraduate / Graduate
人文・博前
時間割コード
Registration Code
2022304
科目区分
Course Category
専門科目
Specialized Courses
カリキュラム年度
Curriculum
2022年度入学以降
教育プログラム・分野・専門等
Major
歴史文化学P
科目名 【日本語】
Course Title
東洋史研究Ⅳ(2022入学~)
科目名 【英語】
Course Title
Studies in Asian History IV (Enrolled in/after 2022)
コースナンバリングコード
Course Numbering Code
HUMAH5104J
担当教員 【日本語】
Instructor
三田 昌彦 ○
担当教員 【英語】
Instructor
MITA Masahiko ○
開講期・開講時間帯
Term / Day / Period
秋 金曜日 3時限
Fall Fri 3
隔年開講
Biennial class
単位数
Credits
2
対象学年
Year
他学部生の受講の可否
Propriety of Other department student's attendance
授業形態
Course style
講義
Lecture
教職【入学年度】
Teacher's License
2022年度入学以降
教職【教科】
Teacher's License
中専修・社会、
高専修・地歴
学芸員資格(該当の有無)
Curator's Qualifications
講義題目
Title
南アジア複合文化の歴史的諸相:多言語・多宗教・多文化世界


授業の目的 【日本語】
Goals of the Course(JPN)
「多様性の統一」とも称される南アジア世界の多言語・多宗教・多文化がいかなる形で歴史的に形成されてきたかを理解することを目的とする。
前近代の南アジア世界の文化複合が、我々が知る現代の「多文化主義」といかに異なるかを理解することによって、現在の多民族世界を相対化する多文化世界への視座を探る。
授業の目的 【英語】
Goals of the Course
How has the multi-linguistic and multi-religious culture of South Asia been formed? This lecture aims to understand the nature of multi-culture of pre-colonial South Asia, which was completely deferent from cultural pluralism of our present world, by looking through cultural aspects of South Asian history from the early phase to the Mughal period.
到達目標 【日本語】
Objectives of the Course(JPN)
講義を通して、また学生からの質問を通して、南アジア世界の文化複合の歴史の段階的な展開と、その背景となった人々のアイデンティティに関する歴史的・文化的諸条件についての知見を獲得し、それによって現在の我々が当然視する「多文化主義」を相対化する新しい視点を身につける。
授業の内容や構成
Course Content / Plan
概要:宗教文化複合によるヒンドゥー文化の形成過程、イスラーム統治下のヒンドゥー・イスラーム文化複合、さらにサンスクリッ ト語・ペルシア語・地方語の相互関係など、南アジア史上に見られた多文化併存・融合の展開を前近代政治経済史(諸帝国の歴史)の展開と関わらせながら解説し、単なる文化事象の羅列ではない総合的な南アジア文化史の説明を試みる。

1 南アジアの文化的多様性および歴史概観
2 サンスクリット文化の波及と王権(4〜12世紀)①:ヒンドゥー教の構造とグプタ帝国の構造(4〜6世紀)
3 サンスクリット文化の波及と王権(4〜12世紀)②:地域国家の形成とヒンドゥー教・サンスクリット文化の波及(7〜12世紀)
4 サンスクリット文化の波及と王権(4〜12世紀)③:サンスクリット文化の帝国理念と政治的文化的重層構造
5 ムスリム支配の形成・定着とインド文化(13〜15世紀)①:テュルク・イスラーム帝国の形成とペルシア・イスラーム的政治文化
6 ムスリム支配の形成・定着とインド文化(13〜15世紀)②:ムスリム統治の正当化をめぐって
7 ムスリム支配の形成・定着とインド文化(13〜15世紀)③:建築・衣装に見えるヒンドゥー・ムスリムの文化的併存・融合・超越
8 ムスリム支配の形成・定着とインド文化(13〜15世紀)④:地域国家の形成と地方語の文字化(1000〜1500年)
9 ムスリム支配の形成・定着とインド文化(13〜15世紀)⑤: 海港都市におけるヒンドゥーとムスリム
10 多文化世界のムガル帝国(16〜17世紀)①:帝国の形成とヒンドゥーとの協力体制
11 多文化世界のムガル帝国(16〜17世紀)②:ラージプート諸王国の文化的複合性
12 多文化世界のムガル帝国(16〜17世紀)③:多言語並存状況と帝国によるサンスクリット古典の翻訳
13 多文化世界のムガル帝国(16〜17世紀)④:宗教的共存・融和策と文化複合
14 18世紀の「復古主義」からイギリス統治時代のアイデンティティ形成へ
15 「多文化主義」と文化複合・文化融合
履修条件・関連する科目
Course Prerequisites and Related Courses
履修条件は特にないが、あらかじめ南アジア史の概説書や高校世界史教科書の南アジア史の部分を読んでおくと、講義が理解しいやすい。
成績評価の方法と基準
Course Evaluation Method and Criteria
講義中およびTACTによる質問が30パーセント、期末レポートが70パーセント。
教科書・テキスト
Textbook
特に用いない。
参考書
Reference Book
詳しくは授業時に提示するが、主なものとして、
中里成章『インドのヒンドゥーとムスリム』(世界史リブレット71)山川出版社、2008年。
サティーシュ・チャンドラ『中世インドの歴史』山川出版社、1999年。
F. Orsini, “ How to Do Multilingual Literary History?: Lessons from Fifteenth- and Sixteenth-Century North India” , The Indian Economic and Social History Review, 49-2 (2012).
F.B. Flood, Objects of Translation: Material Culture and Medieval "Hindu-Muslim" Encounter, Princeton: Princeton University Press, 2009.
A. Truschke, Culture of Encounters: Sanskrit at the Mughal Court, New York: Columbia University Press, 2016.
課外学習等(授業時間外学習の指示)
Study Load(Self-directed Learning Outside Course Hours)
講義1週間前に詳細な講義内容のパワーポイントを配布するので、必ずそれを読んでくること。講義は受講者が読んでくることを前提に行われる。
また講義で提示する参考文献を調査し、講義内容との異同を確認しつつ、当該テーマの問題(多宗教・多言語併存状況での国家・社会の在り方)に対する回答を自分なりに考えてみる。それがそのまま多文化世界への視座の獲得に繋がり、期末レポート作成に生かされることになる。
履修取り下げ制度(利用の有無)学部のみ
Course withdrawal
備考
Others
授業開講形態等
Lecture format, etc.
A-1)対面授業科目(対面のみ)