授業の目的 【日本語】 Goals of the Course(JPN) | | 「人権の裁判的保障」という視点に立ち、西欧諸国から(旧)社会主義諸国・アジア諸国までを射程に入れ、各国の憲法の特徴を描く。その際、それぞれの国で当該憲法規範が形成されるに至った歴史的・社会的背景にも目配りをする。これらの学修を踏まえ、日本社会における憲法のあり方をより立体的・複眼的に考察できるようになることが、本講義の目標である。講義は4人の講師によるオムニバス形式で行う。 |
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授業の目的 【英語】 Goals of the Course | | This section, from the viewpoint of "judicial guarantees of human rights" covers the constitutions of various countries ranging from Western Europe to (former) socialist and Asian countries. In doing so, they also pay attention to the historical and social background that led to the formation of the relevant constitutional norms in each country. Based on these studies, the goal of this lecture is to enable students to consider the ideal form of the Constitution in Japanese society more three-dimensionally and with multiple eyes. The lectures are given in an omnibus format by four instructors. |
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到達目標 【日本語】 Objectives of the Course(JPN) | | 憲法Ⅰ・Ⅱの履修を前提として、この講義を履修することで、以下の知識・能力を身に付けることができる。 ①比較憲法の専門的知識を身につけること。 ②比較法的な視点から日本国憲法を総合的に分析する能力を身につけること。 以上を通じて、各国の人権保障システムに関する専門的知識を身につけ、日本国憲法における人権保障システムのありように関する多角的かつ総合的判断能力を身につけることを目標とする。 |
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到達目標 【英語】 Objectives of the Course | | Students will be able to acquire the following knowledge and abilities by taking this course: (1) To acquire specialized knowledge of comparative constitutions. (2) To acquire the ability to comprehensively analyze the Constitution of Japan from a comparative legal perspective. |
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授業の内容や構成 Course Content / Plan | | 1:ガイダンス/イントロダクション(全1回) 比較憲法の意義と方法について概説する。
2:アメリカ(全2回予定) 日本の違憲審査制度のモデルであり、違憲審査制の母国でもあるアメリカ合衆国の違憲審査制の運用・発展の歴史を概観する。
3:イギリス(全2回予定) 国会主権で知られるイギリスの憲法伝統が、違憲審査制のグローバル化状況にあっていかに受け継がれ・変容してきているかを概観する。 4:フランス(全1回予定) 議会中心主義の伝統を持つフランスが、憲法院という独自の違憲審査制度を構築するに至る歴史とその制度的特徴を概観する。
5:ドイツ(全2回予定) 違憲審査制の「2つの型」のひとつ、憲法裁判所型の違憲審査を確立した代表国であるドイツが、どのような背景のもとにそれを生み出し、いかに機能させてきているのかを概観する。 6:社会主義国(全1回予定) 「近代立憲主義」の挑戦者としての社会主義の国制を概観し、その特徴を理解する。
7:東欧諸国(全1回予定) 体制転換後、現代立憲主義への転換を果たした東欧諸国において、新たに導入された違憲審査制度の運用等について生じている諸問題を概観する。
8:体制移行国(全1回予定) 20世紀末に体制移行を果たした旧社会主義国が、いかなる憲法変容を経て、いかなる問題に直面しているかを概観する。
9:東南アジア[ベトナム](全2回予定) 旧植民地国における法の受容の問題を踏まえた上で、そうした歴史を持つ国のひとつであるベトナムの憲法について概観する。
10:まとめ(全1回) 講義を通じて得られた比較法的知見から、日本の憲法・憲法学にいかなる示唆が得られるかを検討する。 |
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履修条件・関連する科目 Course Prerequisites and Related Courses | | 特になし。憲法Ⅰおよび憲法Ⅱを履修していることが望ましい。 |
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成績評価の方法と基準 Course Evaluation Method and Criteria | | 平常点(50点)と期末レポート(50点)の合計で評価する。平常点は、講義各回への「感想・質問用紙」の提出によって採点する。感想・レポートの詳細は開講時に指示する。 単位認定に必要な最低点は、60点である。 |
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教科書・テキスト Textbook | | 特に指定しない。講義は、講義時に配布するレジュメおよび資料を配に基づいて行なう。 |
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参考書 Reference Book | | 受講生は、高橋和之編『[新版]世界憲法集〔第2版〕』(岩波文庫、2012年)を用意すること(本書に掲載されている諸憲法は、講義資料としては配付しない)。他の憲法集(たとえば初宿・辻村編『新解説・世界憲法集〔第5版〕』(三省堂、2020年)をすでに持っている場合は、それを利用してもよい。 |
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課外学習等(授業時間外学習の指示) Study Load(Self-directed Learning Outside Course Hours) | | |
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注意事項 Notice for Students | | 先進国・途上国を問わず、多くの国々の憲法を取り上げるので、世界各国の事情に関心をいだきつつ受講することを期待する。 |
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授業開講形態等 Lecture format, etc. | | |
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遠隔授業(オンデマンド型)で行う場合の追加措置 Additional measures for remote class (on-demand class) | | |
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