学部・大学院区分
Undergraduate / Graduate
法・博後
時間割コード
Registration Code
4300660
科目区分
Course Category
法学研究科開講科目
Courses Offered by the Graduate School of Law
科目名 【日本語】
Course Title
労働法基礎研究A
科目名 【英語】
Course Title
Fundamental Studies in Labor Law A
担当教員 【日本語】
Instructor
矢野 昌浩 ○
担当教員 【英語】
Instructor
YANO Masahiro ○
単位数
Credits
2
開講期・開講時間帯
Term / Day / Period
春 金曜日 5時限
Spring Fri 5
対象学年
Year
1年
1
授業形態
Course style
演習
Seminar


授業の目的 【日本語】
Goals of the Course(JPN)
労働法と労働法学に関する研究をよりよく進めるうえで必要となる基礎的な知識と技能を、受講生が獲得することを目的とする。

労働法の分野ではかつてないほど立法が活発に行われている。またそれは内閣府によるトップダウンで推進されている。本ゼミでは、最近(あるいは近々)の労働立法について、制定・改正過程、法の趣旨・目的、実現・履行システム、社会的効果の有無・程度、実効性を欠く場合の原因などを検討したい。最初の授業で参考文献については指示する。 具体的な法領域としては、①労働時間、②雇用機会均等・女性保護・女性活躍推進、③非正規雇用(有期、パート、派遣)・非正規公務職、④育児・介護、⑤最低賃金・雇用保険などの雇用セーフティネット、⑥若年者雇用、⑦高年齢者雇用、⑧雇用によらない働き方や兼業副業の推進などが挙げられる。法の実現手法としては、伝統的な強行法規や罰則のほかに、行政指導や違反企業名公表といったいわゆるソフトローも活用されているが、現状の評価とあるべき規制手法の分析が課題となる。さらに、労働立法の進め方についても、厚生労働省の審議会における労働組合と使用者団体の参加が重視されてきたが(日本も批准しているILO144号条約参照)、その評価と近年のトップダウン方式の分析、そこにおける議会の位置づけなど、日本の民主主義の現状も検討しなければならない。労働政策立法あるいは労働立法政策に関する比較法的検討も重要となる。
以上の学習・検討を通じて、 自主的に問題を発見し、それを解決する方向性を探ることのできる、専門的な問題解決能力および研究能力を身につけることを目指す。
ゼミ自体への積極的な参加とともに、各種行事(合宿、プレコン、コンパ等)にも積極的に参加すること。
授業の目的 【英語】
Goals of the Course
The aim of this course is to help students acquire the necessary skills and knowledge needed to achieve a better performance in their university studies.
到達目標 【日本語】
Objectives of the Course(JPN)
問題を発見し、分析できるようになる。ディベートができるようになる。
到達目標 【英語】
Objectives of the Course
授業の内容や構成
Course Content / Plan
1 テーマ研究: グループに分かれてテーマを設定して、その調査結果についてプレゼン資料をまとめて報告し、クラス全体で議論する。労働法政策の各テーマを中心に学習する。

2 ディベート: 裁判となった事例をモデルにして、原告側と被告側に分かれて、基本的論点を確認したうえで、ディベートを行う。裁判で争われている主要論点について、学説・判例を調べて、原告側・ 被告側のそれぞれの視点から立論・反駁等を考える。労働紛争の解決をめぐる法解釈論を通じて、法政策はどのようにあるべきかをクラス全体で考える。

3 テキスト批評: 基本的に各自1つの本あるいは論文を決めて、それぞれのテキストを要約し、批評を行い、クラス全体で議論を行う。労働法政策に関する基本テキストを学習する。担当することになったテキストを要約するとともに、関連する文献を読 みながら、批評としてまとめる。

1~3について、 作業を進めるうえで役立ちそうな文献は、NUCTを通じて適宜情報提供する。
履修条件・関連する科目
Course Prerequisites and Related Courses
労働法の講義を受講済であること。 意欲的に勉強に取り組む学生を希望する。
成績評価の方法と基準
Course Evaluation Method and Criteria
①8割以上出席している者を成績評価の対象とする。欠席する場合には、事前に届け出ること。届出がない場合には、原則として欠席とする。遅刻・早退は、20分以上は欠席とする。 ②ゼミでの報告・ディベートの際の準備の具合、プレゼンテーション用資料の出来、プレゼンテーションの仕方、質疑応答・議論の際の発言・対応、さらに報告・ディベート担当以外のときの発言内容やゼミ内での役割分担(司会担当、合宿準備担当など)から、ゼミに積極的に参加しているかどうかを考慮する。 ③問題発見・分析・議論の習熟の程度によって判断する。あるテーマについて論点の適示と学説・判例の分析ができて、他の参加者との間に議論が成立している場合に合格とする。
教科書・テキスト
Textbook
必要に応じて授業内で適宜指示する。
参考書
Reference Book
適宜情報提供するが、「働き方改革」およびいわゆるアベノミクスの労働政策に関する文献、さらに労働法の基礎理論的な文献を中心に挙げておく。
特集「働き方改革の実現に向けて――時間外労働規制、同一労働・同一賃金を中心に」ジュリスト1513号(2017年12月号) 特集「『働き方改革』はどこへ向かうのか」季刊労働法258号(2017年秋季号) 特集「『働き方改革実行計画』の検討」労働法律旬報1889号(2017年6月下旬号)
特集「労働規制の緩和と労働契約論の課題」法律時報87巻2号(2015年2月号) 特集「アベノミクスの労働政策を点検する」季刊労働法245号(2014年夏季号)
特集「解雇の金銭解決制度をめぐる議論状況」季刊労働法259号(2017年冬季号) 集中連載「クラウドワークの進展と労働法の課題」季刊労働法259号(2017年冬季号)
大内伸哉ほか編『解雇規制を問い直す――金銭解決の制度設計』(有斐閣、2018年) 水町勇一郎『「同一労働同一賃金」のすべて』 (有斐閣、2018年)
和田肇『労働 法の復権――雇用の危機に抗して 』(日本評論社、2016年)
西谷敏『労働法の基礎構造』(法律文化社、2016年)
西谷敏ほか『日本の雇用が危ない――安倍政権「労働規制緩和」批判』(旬報社、2014年)
特集「反貧困の政策論」世界2018年2月号
課外学習等(授業時間外学習の指示)
Study Load(Self-directed Learning Outside Course Hours)
* 報告の事前準備を十分に行うこと。報告テーマに関する文献を集め、整理検討し、プレゼンテーション用の文書をまとめること。
注意事項
Notice for Students
ゼミ自体への積極的な参加とともに、各種行事(合宿、プレコン、コンパ等)にも積極的に参加すること。
授業開講形態等
Lecture format, etc.
遠隔授業(オンデマンド型)で行う場合の追加措置
Additional measures for remote class (on-demand class)