学部・大学院区分
Undergraduate / Graduate
法・専学
時間割コード
Registration Code
9350500
科目区分
Course Category
基礎法学・隣接科目
Basic Law and Related Courses
科目名 【日本語】
Course Title
現代世界の政治
科目名 【英語】
Course Title
Political Science of the Modern World
担当教員 【日本語】
Instructor
大木 直子 ○
担当教員 【英語】
Instructor
単位数
Credits
2
開講期・開講時間帯
Term / Day / Period
春 金曜日 4時限
Spring Fri 4
対象学年
Year
1年
1
授業形態
Course style
講義
Lecture


授業の目的 【日本語】
Goals of the Course(JPN)
現在、「政治」の場面に共通することとして、女性の「不在」や「少ないこと」、すなわち女性の過少代表性が指摘されている。また、戦後日本では女性の社会参画を促進するための様々な政策が行われているにもかかわらず、政治分野でのジェンダー平等は国際的に見て極めて低い状態が続いている。なぜ、女性がいないことが、政治的課題となってくるのか。なぜ、日本ではジェンダー平等は進まないのか。本講義は、「政治とジェンダー」をテーマとし、現代において政治現象を理解するために不可欠な分析視角について説明する。政治学の基礎的な概念や理論を学ぶとともに、それらをジェンダーの視点から再検討しながら理解を深めていく。とりわけ、政治参加や政治的代表といった政治現象を取り上げ、国内外の事例を紹介しながら、身の回りで起きている事象がどのように「政治」と関わっているのか、を多角的に分析する。これらのことを通じて、法曹を目指す際の前提となる教養および多様な価値観への視点の習得を目指す。
授業の目的 【英語】
Goals of the Course
到達目標 【日本語】
Objectives of the Course(JPN)
本講義の到達目標は、以下のものである。
1.政治学の基礎的な理論と概念を習得する。
2.ジェンダーがあらゆる既存の知を女性・男性の性/生のありようから批判的に問い直す分析視角であることを習得する。
3.政治学の基礎的な理論と概念をジェンダーの視点から再検討し、それらの理論と概念の理解を深める。
4.日本政治の特徴と日本の様々な政治現象をジェンダーの視点から捉え、考察する力を養う。
到達目標 【英語】
Objectives of the Course
授業の内容や構成
Course Content / Plan
第1回(4/7):イントロダクション
・本講義の目的および内容の概観
・受講生アンケート

事前学修:関心のある政治現象について説明する準備をすること

第2回(4/14):基本用語の整理(1)
「政治」、「民主主義」、「ジェンダー」などの基礎的な用語の定義を学修する。
・「政治」とは
・「民主主義」とは
・「ジェンダー」とは

事後学修:配布したレジュメを読んで整理しておくこと

第3回(4/21):基本用語の整理(2)
「ジェンダー平等」、「男女共同参画」、「政治参加」などの基礎的な用語の定義を学修する。
・「ジェンダー平等」とは
・「男女共同参画」とは
・「政治参加」とは

事後学修:配布したレジュメを読んで整理しておくこと

第4回(4/28):「民主主義」の再定義(1)
現代の民主主義概念について考察する。
・代議制民主主義
・ジェンダーの視点から見た「民主主義」

事後学修:配布したレジュメを読んで整理しておくこと

第5回(5/12):「民主主義」の再定義(2)
政治的代表の概念について学修する。
・記述的代表とは
・実体的代表とは
・ジェンダー主流化とは

事後学修:配布したレジュメを読んで整理しておくこと

第6回(5/19):「民主主義」の再検討(3)
政治的代表を選ぶ制度や仕組みについて学修する。
・議員はどのように選ばれるのか
・候補者リクルートメントモデル

事後学修:配布したレジュメを読んで整理しておくこと

第7回(5/26):全体討論(1)
これまでの講義の内容を確認するとともに、必要に応じて参加者間のディスカッションを通じて理解を深める。

事前学修:これまでの内容について特に関心のある内容について整理しておくこと

第8回(6/2):日本政治の特徴(1)
日本の政治制度とその特徴について学ぶ。
・「男性政治」という政治現象
・「女性不在」が争点化されなかった背景や権力関係

事後学修:配布したレジュメを読んで整理しておくこと

第9回(6/9):日本政治の特徴(2)
国際指標のデータを用いて、政治分野におけるジェンダー平等について分析・考察する。
・ジェンダー平等に関する国際指標の紹介と日本の現状分析
・政治分野以外のジェンダー平等の達成状況の分析
・分析した内容に基づいた考察と参加者間のディスカッション

事後学修:配布したレジュメを読んで整理しておくこと

第10回(6/16):日本のジェンダー平等政策(1) 
女性の社会参画の促進という観点から戦後復興期から1970年代半ばまで日本のジェンダー平等政策について学修する。
・法や制度における女性の権利の確立
・女性差別撤廃条約(CEDAW)批准に向けた動きとその後

事後学修:配布したレジュメを読んで整理しておくこと

第11回(6/23):日本のジェンダー平等政策(2)
男女共同参画基本法の制定過程と概要を学修する。
・男女共同参画社会基本法とは
・男女共同参画社会基本法の特徴

事後学修:配布したレジュメを読んで整理しておくこと

第12回(6/30):日本のジェンダー平等政策(3)
男女共同参画基本法成立以降のジェンダー平等政策に対する動きについて学修する。
・ジェンダー・バックラッシュとは
・成長戦略と「女性活躍」

事後学修:配布したレジュメを読んで整理しておくこと

第13回(7/7):政治参画(1)
国内外の事例を基に、女性の過少代表性の要因、クオータ制等について学ぶ。
・女性の過少代表性の要因
・ジェンダー・クオータの分類、実施状況

事後学修:配布したレジュメを読んで整理しておくこと

第14回(7/14):政治参画(2)
政治分野におけるジェンダー平等に関する日本の取組について学ぶ。
・ポジティブ(アファーマティブ)・アクションとは
・政治分野における男女共同参画推進法の成立・改正

事後学修:配布したレジュメを読んで整理しておくこと

第15回(7/21):全体討論(2)
講義全体の内容を確認するとともに、必要に応じて参加者間のディスカッションを通じて理解を深める。

事前学修:これまでの内容について特に関心のある内容について整理しておくこと

第16回:期末レポート・課題
履修条件・関連する科目
Course Prerequisites and Related Courses
履修条件は要さない。
成績評価の方法と基準
Course Evaluation Method and Criteria
中間レポート(20%)、発言・討論への参加意欲と内容(30%)、学期末レポート(50%)で評価する。
成績評価(合否判定及び成績の区分)は、名古屋大学法科大学院が教育課程方針に基づいて策定した評価基準に従って行う。
教科書・テキスト
Textbook
教科書は指定しない。講義レジュメ、補足資料を適宜配布する。
参考書
Reference Book
進藤久美子 2004 『ジェンダーで読む日本政治―歴史と政策』 有斐閣選書
田村哲樹・近藤康史・堀江孝司 2022 『政治学』 勁草書房
前田健太郎 2019 『女性のいない民主主義』 岩波新書
三浦まり 2023 『さらば、男性政治』 岩波新書
三浦 まり、衛藤幹子 2014 『ジェンダー・クオータ―世界の女性議員はなぜ増えたのか』 明石書店
御巫由美子 1999 『女性と政治』 新評社
ピトキン, ハンナ(著)早川誠(訳)『代表の概念』 名古屋大学出版会 など。
その他は授業時にて適宜紹介する。
課外学習等(授業時間外学習の指示)
Study Load(Self-directed Learning Outside Course Hours)
・講義内容について、配布レジュメや参考文献等を活用して事後的に復習すること。
・「政治的なこと」に関連した国内外の新聞記事やニュースなどを積極的に見聞きし、ジェンダーの視点から分析・考察すること。
注意事項
Notice for Students
新型コロナウィルス感染症の流行状況によっては、遠隔での実施となる可能性がある。授業実施に関する連絡に注意すること。
授業開講形態等
Lecture format, etc.
対面式の講義として開講する。適宜、理解深化のため、補足資料を基にしたディスカッション、参加者同士の意見交換・討論も行う。
遠隔授業(オンデマンド型)で行う場合の追加措置
Additional measures for remote class (on-demand class)