学部・大学院区分
Undergraduate / Graduate
学部
時間割コード
Registration Code
0012204
科目名 【日本語】
Course Title
政治学
科目名 【英語】
Course Title
Political Studies
使用言語
Language Used in the Course
日本語
担当教員 【日本語】
Instructor
加藤 哲理 ○
担当教員 【英語】
Instructor
KATO Tetsuri ○
単位数
Credits
2
開講期・開講時間帯
Term / Day / Period
Ⅰ 火曜日 2時限
I Tue 2


授業の目的 【日本語】
Goals of the Course [JPN]
人文・社会科学系の専門分野を学んでいく基盤として,政治学の分野における学問体系を理解し,最も基礎的な知識と技能を身につけます。具体的に扱うテーマは,担当教員の専門分野や関心に応じて設定されます。
授業の目的 【英語】
Goals of the Course [ENG]
This course helps students to understand the political science studies and to acquire the most basic knowledge and skills as a foundation for studying specialized fields in the humanities and social sciences. The specific topics to be dealt with will be determined according to the specialties and interests of the instructor.
授業の達成目標 【日本語】
Objectives of the Course [JPN]
本講義は「政治学」の中でも「政治思想史」という分野を中心とします。思想家や哲学者が残した古典と言われる書物を入口にしながら、「政治とは何か」という問いを講義の中で絶えず反復していくことで、政治という営為についての理解を深めていくことを、本講義は目的としています。政治が人間の営みの中心をなすものである以上、政治思想史を学ぶことは、人間が人間をより深く理解しようとする試みの一つでもありますが、そのような挑戦を常に自ら引き受ける思考習慣を体得することも本講義の目標です。

「思想史」という学問は、無限に広がる過去と未来の「歴史」の間で、ほんのわずかに存在する現在という場所のみを与えられ、絶えず「思想」しながら自らの生きる意味を問い続けることを宿命づけられている人間存在が、その自らの本質を自覚的に引き受けつつ歩んでいくことを決意するときに生まれてくる一つのエートス(=人生態度)なのです。ですから本講義の目標は、そのような生き方としての「思想史」を身につけることにあります。
授業の達成目標 【英語】
Objectives of the Course [ENG]
教科書
Textbook
こちらからレジュメを配布いたしますが、そこで語られる言葉を真に活きたものとするのは私たち自身の心の創造的な働きです。それを忘れてしまえば、すべての言葉は自分や他人を惑わすか、あるいは眠りに誘うだけの死物となってしまうことを注意しながら一緒に講義を生み出していきましょう。
課外学修等
Study Load (Self-directed Learning Outside Course Hours)
「道爾(ちか)きに在り、而(しか)るに諸(これ)を遠きに求む(孟子)」。この古人の言葉が示しているように、学や「道」が私たちにとってもっとも近いところ、つまりは私たち自身の生そのもののうちにあるとすれば、そもそも講義には内部も外部もあるはずがありません。それを踏まえた上で強いていうのであれば、講義に登場した思想家の言葉を、よくよく自己の日常のうちで反復し味わい尽くすこと、それが皆さんに課せられる唯一の課外学習となります。
注意事項
Notice for Students
思想や哲学というと、珍奇な嗜好をもった人々だけが行う無用で趣味的な営みのように考えがちですが、実際にはそれは単純素朴なもので、ただ己自身の人生や存在を自覚的に問い、徹底的に掘り下げることを続けていく無限の試みに過ぎません。

このような活動としての思想は、人間であれば誰しもが陰に陽に日常の中で行っていることであり、それを向き不向きの問題として片づけたり、適当な理由をつけて回避しようとすること自体が、結局はまた自らの現在の境地からなされる一つの思想上の態度の帰結である以上、人間として生を受けたということは、幸か不幸か考え続けることを運命づけられているということでもあります。

本質的に人間存在が、そうして生きている限り、際限のない疑問や懐疑の荒波に翻弄され続け、それに付随する数限りない苦しみや悲しみから逃げることができない唯一の生き物である以上、思想や哲学をするということは、その重荷を正面から背負いつつ、人間がより人間らしく生きていくための道を、一人ひとりがその限られた人生の中で、共同的に探究していくことに他ならないのです。

この講義を通して、皆さんがこれまで以上に自分自身の存在の根拠を深く究明していくことができるとともに、そのような探求の生涯の伴侶となりうるような思想家たちやその言葉と出会えることを心より願っております。

真実かつ素朴に生きていくことを心の底では願い求めながら、そのためにも一生を超えてまで徹底的に悩み、迷い苦しみ抜かなくてはならない、このような宿業的な矛盾へと磔にされた人間存在がたまらなく悲しく、同時に愛しい、そんな優しい心をもったあなたの講義へのご参加をいつでもお待ちしております。
本授業に関するWebページ
Reference website for this Course
担当教員からのメッセージ
Message from the Instructor
政治「思想」や「哲学」というと日常生活とは何も縁のない言葉遊びの印象を受けるかもしれませんが、実際には哲学という活動は、自らが存在していることの不可思議な謎の前におののき続けるという、多かれ少なかれ人間として生命を授かった者なら避けることのできない営みを敢えて自覚的に遂行するという単純素朴なものです。「政治」という現象をどのように理解するかは別としても、それが私たちがその中で生きている基本的な要素の一つである以上、政治について哲学するということは、私たちが自己の存在への理解をより深いものにしていく終わりのないプロセスでもあるのです。そのような旅路に興味をもたれた方のご参加をお待ちしております。耳馴染みのない概念が講義の中に登場することも多々あるかもしれませんが、思考と想像力を最大限に駆使しながら、それらの言葉と自らの人生を結びつけていく粘り強さをぜひ講義を通して養っていただければと思います。
実務経験のある教員等による授業科目(大学等における修学の支援に関する法律施行規則に基づくもの)
Courses taught by Instructors with practical experience
授業開講形態等
Lecture format, etc.
A-1)対面授業科目(対面のみ)。ほんものの学問は、現実における人格同士の生きた出会いの中にしか存在しないので、当たり前のことではありますが、本講義は「対面授業科目」となります。
対面授業の場合の講義室は、時間割B表(名大ポータル>教養教育院ページ掲載)を確認すること。