授業の目的 【日本語】 Goals of the Course(JPN) | | チベット語仏教文献を読むのに必要な文語文法を学習することによって、古代インド文化の影響を大きく受け、元朝および清朝の中国に影響を与えてきたチベットの思想・宗教を理解する基礎を築きます。 |
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授業の目的 【英語】 Goals of the Course | | The aim of this course is to help students acquire the necessary knowledge needed to read Buddhist literature written in Tibetan language. |
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到達目標 【日本語】 Objectives of the Course(JPN) | | 1.チベット文字(有頭字)で書かれたチベット語を、ワイリー方式のローマ字表記に直すことができる。またその逆に、ローマ字表記されたチベット語からチベット文字に直すことができる。 2.ラサ方言に近い発音でチベット語を読むことができる。 3.チベット文に用いられた名詞・動詞・形容詞・助詞などを識別し、辞書から文脈上最適の意味を探すことができる。 |
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授業の内容や構成 Course Content / Plan | | 古代インド思想で用いられるサンスクリットとは全く語族の異なるチベット語を用いて、チベット人は主要なインド大乗文献をほぼ網羅的に翻訳し、特に重要な文献については自ら註釈書を著した。 この授業では、チベット撰述の語法についても関説しながら、サンスクリットの翻訳語としてのチベット語に重点を置いて文語文法を学び、最後にチベット語訳『般若心経』または『維摩経』を読む。
第1回:「チベット」の範囲、チベット語の特徴、30の基字 第2回:サンスクリットの音写法、文字の組み合わせと発音(基字、下接字) 第3回:文字の組み合わせと発音(上接字、前置字、後置字、再後置字) 第4回:辞書の引き方 第5回:名詞(形容詞・数詞)と助詞 第6回:動詞の用法(自動詞と他動詞、いわゆる時制)、否定辞の用法(maとmi) 第7回:中間のまとめ 第8回:格助詞の用法(1)属格 第9回:格助詞の用法(2)具格、従格 第10回:格助詞の用法(3)la義の一般的用法 第11回:格助詞の用法(4)la義の個別的用法 第12回:接続助詞の用法(1) 第13回:接続助詞の用法(2) 第14回:チベット語訳『般若心経』読解(1)前半 第15回:チベット語訳『般若心経』読解(2)後半 |
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履修条件・関連する科目 Course Prerequisites and Related Courses | | サンスクリット語の初級文法の知識があることを履修条件とします。 |
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成績評価の方法と基準 Course Evaluation Method and Criteria | | 期末レポート60%、授業への取り組み(予復習による知識の定着度)40%の配分で評価します。100点満点中60点以上を合格とします。レポートについては、授業で扱った内容を応用して自力でチベット語文献が読めることを合格の基準とします。 |
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教科書・テキスト Textbook | | 高橋尚夫・前田亮道・倉西憲一・吉澤秀知『チベット語初等文法 新訂版』大正大学出版会 (教員によるレジュメも併用します。) |
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参考書 Reference Book | | 【チベット語に関するもの】 H.A.Jäschke, "Tibetan-English Dictionary" (日本の臨川書店からも縮小版が出版されているが、海外のペーパーバック版が安価で、amazonからでも手に入れやすい。) 『蔵漢大辞典』(上下2巻)北京民族出版社(中国語訳を伴わないチベット語による見出し語説明部分のみであれば、iPadおよびiPhoneアプリで入手可。中国語訳も伴った電子辞書もあるが、入手困難) 山口瑞鳳『概説チベット語文語文典』春秋社 星泉『古典チベット語文法:『王統明鏡史』(14世紀)に基づいて』東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所(https://tufs.repo.nii.ac.jp/records/7689 よりダウンロード可) 【チベット文化に関するもの】 山口瑞鳳『チベット』(上下)東京大学出版会 ツルティム・ケサン&正木晃『チベット密教』ちくま学芸文庫 |
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課外学習等(授業時間外学習の指示) Study Load(Self-directed Learning Outside Course Hours) | | 教科書の指定箇所(例題・練習問題)のチベット文字をローマ字表記に直し、ラサ方言で発音できるようにしてください。さらに巻末の語彙集(できれば上記「参考書」に掲げた辞書も)を参考にして和訳してください。 |
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履修取り下げ制度(利用の有無)学部のみ Course withdrawal | | 利用する。『履修取り下げ届』を期日までに提出した場合は原則「Wもしくは欠席」と なりますが、同届を提出しない場合は成績評価が行われ、合格基準に達しない場 合は「F」となります。 |
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備考 Others | | |
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授業開講形態等 Lecture format, etc. | | |
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