学部・大学院区分
Undergraduate / Graduate
法学部
時間割コード
Registration Code
0300050
科目区分
Course Category
専門科目
Specialized Courses
科目名 【日本語】
Course Title
憲法Ⅰ(総論・統治機構)
科目名 【英語】
Course Title
Constitutional Law I
担当教員 【日本語】
Instructor
本 秀紀 ○
担当教員 【英語】
Instructor
MOTO Hidenori ○
単位数
Credits
4
開講期・開講時間帯
Term / Day / Period
秋 金曜日 3時限
秋 金曜日 4時限
Fall Fri 3
Fall Fri 4
対象学年
Year
1年
1
授業形態
Course style
講義
Lecture


授業の目的 【日本語】
Goals of the Course(JPN)
本学部の憲法関連科目の総論として、憲法の概念、近代憲法の歴史と基本原理、日本の憲法史などを取り上げ、各論として、統治機構の憲法論(天皇制度、平和主義、国会、内閣、司法、財政、地方自治)を扱う(講義時間の関係で、すべての項目を網羅的に講ずることはできない。また、講義計画の順序通りに講義をするとは限らない)。
通例の体系書にならい、日本国憲法の解釈論上の基本問題に重点をおいて講義するが、その際、憲法判例はもちろんのこと、解釈の前提となる憲法の歴史や諸外国の理論、現実の日本社会がかかえるアクチュアルな憲法問題などにも、可能なかぎり言及したい。
以上を通じて、憲法の基本概念および統治機構分野における専門的知識の修得、ならびに、それらを駆使して国家の基本問題を考える論理的思考力の涵養を目的とする。
授業の目的 【英語】
Goals of the Course
Give overviews of the current Japanese Constitutional Law (general theory and governmental system) . 
Will also touch upon actual problems of the Constitutional politics in Japan.
到達目標 【日本語】
Objectives of the Course(JPN)
現在、日本の憲法状況は激動の時期を迎えている。揺れ動く時代のただなかで、進むべき方向性を見誤らないために、憲法の存在意義を支える基礎理念とその歴史的根拠への深い洞察力を身につけることができる(専門的基礎知識の修得)。
くわえて、現実社会におけるホットな憲法問題をキャッチする鋭敏な感性と、それを高度な解釈論で読み解くクールな論理的思考力を養うことができる(総合的に判断する能力および的確に意思決定する能力の涵養)。
到達目標 【英語】
Objectives of the Course
授業の内容や構成
Course Content / Plan
1 開講にあたって:憲法学習の全体像
(1)「憲法」とは何か
(2)日本国憲法の構造と講義編成
(3)憲法学の基本文献

2 近代憲法と現代憲法:憲法の歴史と現在
(1)再び「憲法」とは何か
(2)近代国家と市民革命
(3)近代立憲主義の原理と変容
(4)現代憲法の登場
(5)グローバル化の中の立憲主義

3 日本国憲法の成立:大日本帝国憲法の歴史と日本国憲法制定史
(1)大日本帝国憲法体制
(2)敗戦と日本国憲法制定

4 天皇制度:天皇制度の構造と解釈
(1)天皇制と天皇制度
(2)天皇の地位
(3)天皇の権能
(4)天皇制度と憲法学

5 軍事によらない平和:非軍事平和主義の理念と現実
(1)日本国憲法の平和主義の特質
(2)憲法9条の規範構造と解釈
(3)日本国憲法の平和主義と国際協調・国際平和

6 国会:国民代表議会と政党制
(1)国民代表機関としての国会
(2)代表民主制と政党
(3)国会の構成と活動
(4)国会の権能
(5)国政調査権

7 内閣:議院内閣制と官僚制
(1)議院内閣制
(2)内閣の組織
(3)内閣の権能と責任
(4)「行政国家」と官僚制

8 司法:裁判所と違憲審査制
(1)裁判所と司法権
(2)司法権の独立
(3)裁判所の構成と権限
(4)違憲審査制

9 財政:財政と税制
(1)財政民主主義
(2)租税法律主義
(3)国費支出における国会中心主義
(4)国費支出の制限

10 地方自治:地方自治の理念と制度
(1)地方自治制度の存在理由
(2)地方公共団体の組織と権限
(3)住民の自治権

11 憲法の変動と保障:三たび「憲法」とは何か
(1)国法体系と憲法
(2)憲法の制定と変動
(3)憲法の保障

12 閉講にあたって:日本国憲法のゆくえ
履修条件・関連する科目
Course Prerequisites and Related Courses
履修条件:とくにないが、受講生には、マスコミやネットで報道され、または身近に見え隠れしている憲法問題に関心をもちつつ講義にのぞむことを期待する(新聞は必ず毎日読むこと)。

関連する科目:憲法Ⅱ(人権・憲法訴訟)、比較国制論
(憲法はほぼ全ての専門科目および多くの人文社会科学系科目と関連するが、それについては講義で言及する。)
成績評価の方法と基準
Course Evaluation Method and Criteria
成績評価の方法:学期末の筆記試験による(100点満点)。
※新型コロナウイルスの感染状況に伴う授業方法の変更次第で、やむを得ず変更することがある。その場合は、授業およびTACTで告知する。

*2020年度以降の入学者:59点以下をF(不合格)、60~64点をC-、65点〜69点をC、70~79点をB、80~94点をA、95~100点をA+とする。
*2019年度以前の入学者:59点以下をF(不合格)、60~69点をC、70~79点をB、80~89点をA、90~100点をSとする。

合格の基準:憲法(総論・統治機構関連分野)の基本概念を理解し、それを援用して、憲法学の基本問題について自己の見解を説得的に論証できること。
教科書・テキスト
Textbook
本秀紀編『憲法講義 第3版』(日本評論社、2022年)
小泉良幸ほか編『憲法判例コレクション』(有斐閣、2021年)

※テキストの使い方については、初回の講義で説明する 。
※TACTの「お知らせ」を参照し、テキストの該当箇所を予習してくること(随時、復習も行うこと)。
※毎回の授業に六法を持参すること。
参考書
Reference Book
なぜ憲法なんて勉強しなくちゃならないのか知りたい人は、 浦部法穂『憲法学教室〔第3版〕』(日本評論社、2016年)
オーソドックスな憲法理論を学習したい人は、芦部信喜(高橋和之補訂)『憲法〔第8版〕』(岩波書店、2023年)、さらに詳しく勉強したい人は、 芦部信喜『憲法学1~3[増補版]』(有斐閣、1992〜2000年)
新手の憲法理論で頭の体操がしたい人は、 長谷部恭男『憲法〔第8版〕』(新世社、2022年)
(そのほか詳しくは、初回および各回の講義の際に紹介する。 また、レジュメと資料をそのつど配付する。)
課外学習等(授業時間外学習の指示)
Study Load(Self-directed Learning Outside Course Hours)
予習・復習とも、TACTの「お知らせ」欄等で指示する。
注意事項
Notice for Students
受講生には、主体的に取り組んでこそ授業内容を身につけることができる(ただ漫然と出席しているだけでは単位の取得もおぼつかない)ということを理解していただきたい。授業内容や授業方法に対する積極的な提言をお願いしたい。
授業開講形態等
Lecture format, etc.
新型コロナウイルスの感染状況次第で開講形態の変更がありうるので、法学部のウェブサイトおよびTACTの「お知らせ」欄等に注意すること。

If there are any changes in the teaching methods after the period of course registration, it will be announced on TACT.
遠隔授業(オンデマンド型)で行う場合の追加措置
Additional measures for remote class (on-demand class)
遠隔授業を行う場合は、TACTおよびTeamsまたはZoomを用いる。教員への質問方法、学生同士の意見交換の方法は次のとおりとする。
・教員への質問は、TACTの「メッセージ」により行うこと。
・授業に関する受講学生間の意見交換も、TACTの「メッセージ」により行うこと。
(※担当教員が「フォーラム」機能を追加設定した場合は「フォーラム」も利用可。)

Remote classes are conducted via TACT and Teams or Zoom. Questions to instructors should be asked via the TACT "Message" function.
Student discussions will be conducted using the TACT "Message" function, too. (If the instructor has added the "Forum" function, the "Forum" can also be used.)