授業の目的 【日本語】 Goals of the Course(JPN) | | この講義では,数学が実際にどのようにしてさまざまな分野と関係しているかを,
各分野で活躍されている講師の方にその一端を紹介することが目的である.
現在では,計算機の進歩,情報環境の高度化により,10数年前と比較しても
大きく変化してきている.その範囲は広範である.そのため前期および後期の講義
を併せて受講することが望ましい.
以下各講師の方の講義内容の紹介を行う.
畔上:
偏微分方程式を有限要素法で解く方法と最適化法を組み合わせれば,どのような問題が解けるようになるのかを学ぶ.
塚田:
数学および数学に関連したアプローチが生命科学研究においてどのように使われ ているかを紹介し、今後の発展を考察する。
金:
企業年金制度の概要と年金アクチュアリーの役割
大学における数学専攻者が卒業後に「アクチュアリー」としてさまざまな分野で活躍しているが、その中の一分野である年金アクチュアリーの仕事の内容を紹介し、企業が退職金・企業年金に関する問題の解決する際のプロセスと,年金アクチュアリーの果たす役割について解説する
江口:
本講義では,コンピュータシミュレーションで数学がどのように活用されているかを紹介します。
吉池:
金融商品の一つであるデリバティブ商品の概要を説明し、その価格付けの際に、どのように数学知識が応用されるかを理解してもらう。価格計算に関連する諸々の事や昨今の金融環境の変化なども交えながら講義を行う。 |
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授業の目的 【英語】 Goals of the Course | | The purpose of this series of lectures is to give a glimpse into how mathematics, as a tool, is helping others develop new ideas and give practical applications. The scope of mathematical applications have widened dramatically during the past ten to twenty years, propelled in part by advancement in computers (Moore’s Law) and developments in information technology, as realised in the internet, for example. Due to the breadth of the subject matter, it is advisable to register for both semesters.
We will now give a list of topics to be covered by the lecturers.
AZEGAMI:
We learn what kind of problems can be solved by combining the method of solving partial differential equations with the finite element method and the optimization method.
TSUKADA:
Introducing the mathematics and mathematics-related approaches for life science research, and consider their perspective.
KIN:
Introduction of “Pension Actuary” explaining what they work on, including the process of solving issues for retirement programs of Companies and their roles.
EGUCHI:
This lecture will introduce how mathematics is used in computer simlations.
YOSHIIKE:
This course introduces the outline of derivatives, which are one of financial products, and how mathematics is used in pricing of the derivatives. It also includes various things related to pricing and recent changes in financial industry environment. |
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到達目標 【日本語】 Objectives of the Course(JPN)) | | 数学を他の分野で生かす能力及び態度が発揮できるようにする.そのため,他分野の講師によって提示された実際の事例に基づいて自分で調べたことをレポートを作成する. |
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到達目標 【英語】 Objectives of the Course | | For these lectures we ask you to take an in-depth look at applications of mathematics to diverse fields so that,
given the opportunity, you can make similar contributions. |
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授業の内容や構成 Course Content / Plan | | 畔上:
有限要素法の原理,最適設計の基礎,形状最適化法,実問題への応用
塚田:
生命科学の現状把握
生命科学における数理解析の必要性と役割
数理的にどのような問題を扱っているかの考察
具体例と将来展望
金:
-アクチュアリーとは何か
-日本の老後保障
-退職金・企業年金
-年金アクチュアリーの役割
江口:
シミュレーション:熱伝導方程式(拡散方程式)を例に,離散化・連立方程式求解・誤差評価について紹介します。
吉池:
デリバティブとは,株式や債券,為替といった原資産と呼ばれる伝統的な金融商品から派生し,原資産に依存して値段の決まる金融商品である。デリバティブは「原資産の価格変動から生じるリスクを別のリスクに変形する」機能を持ち,特定のリスクを回避(ヘッジ)する,あるいはリスクを取って高い利回りを求めるといった顧客のニーズを満たす金融商品を作り出すことができることから,現在の金融市場において非常に大きなウェイトを占めるまでになった。このような市場の発達は,確率論に基づく金融工学・数理ファイナンスや数値計算,コンピュータサイエンス等の技術の発展を抜きにして語ることはできない。証券会社や銀行といった金融機関ではクォンツと呼ばれる人たちがこれらの技術を駆使して数理モデルを開発し,デリバティブの適正価格計算やリスク管理を行っている。
本講義では,クォンツ業務の内容を紹介しつつ,以下の項目を通してオプション価格評価理論の初歩を解説する.
1).デリバティブ取引の例
2).デリバティブプライシングの考え方
3).二項モデルによるオプション価格評価
4).ブラック・ショールズモデルによるオプション価格評価
5).実務上の課題 |
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履修条件 Course Prerequisites | | 畔上:偏微分方程式に関心があることが望ましい。
塚田:必須ではないが大学教養レベルの微積分、線形代数の知識があることが望ましい。
江口:大学1~2年レベルの線形代数・微分積分の知識があることが望ましいです。
This course will be taught in Japanese. |
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関連する科目 Related Courses | | |
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成績評価の方法と基準 Course Evaluation Method and Criteria | | 毎回の講義についての感想および一つの講義について自分で掘り下げ調べた結果をレポートにまとめ,提出したものをもとに評価する. |
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不可(F)と欠席(W)の基準 Criteria for "Fail (F)" & "Absent (W)" grades | | |
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参考書 Reference Book | | 畔上:
畔上秀幸,形状最適化問題,森北出版,2016
塚田:
定量生物学 小林 徹也 編 化学同人 2018年
金:なし
江口:特になし
吉池:
S.E.シュリーブ 著(長山いづみ 他 訳), ファイナンスのための確率解析Ⅰ -二項モデルによる資産価格評価-,
2006年,丸善出版
フィナンシャルエンジニアリング[第9版] デリバティブ取引とリスク管理の総体系,2016年, きんざい |
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教科書・テキスト Textbook | | 畔上:特になし
塚田:特になし
金:特になし
江口:特になし
吉池:特になし |
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課外学習等(授業時間外学習の指示) Study Load(Self-directed Learning Outside Course Hours) | | 一コマの講義で一つのかなり大きなテーマを扱うので,自分自身でそれぞれのテーマについて調べ(予習),講義を聞いて特に興味を持ったテーマについて自分で調べ,考えた結果をレポートにまとめることが要求される. |
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注意事項 Notice for Students | | 講義担当は以下の5名です。
畔上 秀幸(公益財団法人 名古屋産業科学研究所)
塚田 祐基(慶應義塾大学理工学部)
金 海永(エーオンソリューションズジャパン株式会社)
江口 斗(株式会社アイヴィス)
吉池 遼(三菱UFJモルガンスタンレー証券株式会社)
※履修登録後に授業形態等に変更がある場合には、TACTの授業サイトで案内します。 |
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他学科聴講の可否 Propriety of Other department student's attendance | | |
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他学科聴講の条件 Conditions for Other department student's attendance | | |
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レベル Level | | |
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キーワード Keyword | | 畔上: 偏微分方程式,関数解析,最適化理論
塚田:定量生物学、生物物理、時系列解析、ビッグデータ
金:アクチュアリー, 老後保障, 退職金, 企業年金
江口: シミュレーション(数値解析)
吉池:偏微分方程式,デリバティブ, 数理ファイナンス, 金融工学, 確率過程, 測度論 |
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履修の際のアドバイス Advice | | 畔上:関数が変数になった最適化問題の構造と解法について関数解析が重要な役割を演じていることを理解してもらえればうれしい.
塚田:特になし
金:特になし
江口:特になし
吉池:線形代数や微分積分など基本的な数学を理解していることが望ましい。確率論や金融の知識等は特に仮定しない。 |
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授業開講形態等 Lecture format, etc. | | 新型コロナの状況に応じて対面及びオンラインでの開催の予定である. |
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遠隔授業(オンデマンド型)で行う場合の追加措置 Additional measures for remote class (on-demand class) | | |
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