授業の目的 【日本語】 Goals of the Course(JPN) | | 宇宙物理、天体物理は、身近な物理学を用いて、宇宙を理解しようとする学問である。本講義は、恒星や銀河、ブ ラックホールなどを題材に、その天体の性質を決定する背景の物理、さらにそれを理解する上で有用な物理法則を知り、「宇宙を物理の言葉で理解する」方法を学ぶことを目的とする。具体的には、重力で束縛されている系である恒星の熱力学的な性質や進化を学ぶとともに、その結果誕生する白色矮星、中性子星、ブラックホールといったコンパクト星につながる基礎物理を学ぶ。また現代宇宙論の基礎を導入し、インフレ ーション宇宙論の考え方を理解することを目的とする。 |
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授業の目的 【英語】 Goals of the Course | | Astrophysics aims to understand objects in the universe or sometimes the universe itself, using the basic physics we know on Earth. In this lecture, we will use star, galaxy, black-holes and other objects as an example, to understand the dominant physical process governing the object, and key physical laws needed to understand it. Also, brief introduction into cosmology as well as inflation theory will be reviewed. Our goal is to "understand our universe in the context basic of physics". |
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到達目標 【日本語】 Objectives of the Course(JPN)) | | 学生が、天体の状態と進化を支配する基礎物理の方程式を把握し、これを実際の天体に近似的に当てはめて、その性質を半定量的に理解できること。具体的には、重力、力学、熱力学、輻射圧、フェルミオンの縮退圧の基本的な方程式を利用して、天体の性質を理解し、これにより宇宙の天体進化が本質的にカタストロフィックであることを理解すること。また、膨張する時空の力学の概要を理解することで、我々が宇宙のどのような時代に生きているのかを、宇宙論的視点で大まかに理解できること。 |
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到達目標 【英語】 Objectives of the Course | | Student shall grasp the basic physical properties of star, galaxy, and compact objects in the Universe. Also, one shall understand the basic nature of the expanding universe, and the need for inflation theory. |
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授業の内容や構成 Course Content / Plan | | 自己の重力で束縛されている自己重力系の基本的性質、ガス圧と輻射圧と重力の方程式が支配する恒星の性質を理解する。次に、フェルミオンの縮退圧に支配される白色矮星、中性星の性質を理解し、そしてブラックホールとその周囲で起きること、ブラックホールのもつ独特のスケーリングを理解する。後半では、一般相対論的な時空を導入し、ビッグバンに始まる膨張宇宙とその力学、観測を説明するために必要とされる「インフレーション宇宙論」の概要を紹介する。
講義は以下の章立てで実施する。
1. 重力の性質で探る宇宙
2. 電磁放射(黒体放射と輻射圧)
3. 星の物理学(熱力学とスケーリング)
4. 星の進化と終末、コンパクト天体
5. ビッグバン宇宙論の基礎
講義では、基礎的な物理を、しかし地上とは異なる現象に当てはめてその性質を理解することに重点を置く。その理解を助けるために、毎回の小課題や、授業中に問いかける質問を解くことが重要で、講義後に復習し、必要に応じて参考書などを調べて授業内容を十分理解すること。
宇宙物理では系のスケールが地上と全く異なる一方で、それを支配する物理の基礎方程式は地上でわかるものと基本的に変わらない。本講義では、新たに暗記すべき物理公式などは少ないが、物理の方程式に実際に数字を入れて計算することで、式の意味、すなわちの物理法則の本質を、半定量的に理解することを重視する。 |
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履修条件 Course Prerequisites | | 基礎物理全般 (力学、電磁気学、熱力学、量子力学) を学んでいること。天文学の予備知識は、特に要求しない。この科目は、日本語で提供されます。(This class is taught in Japanese.) |
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関連する科目 Related Courses | | |
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成績評価の方法と基準 Course Evaluation Method and Criteria | | ほぼ毎回出す小課題(ごく簡単な計算や確認)、中間レポート、そして期末試験の点数で評価する。評価の基準は、講義で述べられた天体や宇宙の基本的性質を、概ね理解しているか否かである。例えば、期末試験は、高度な問題は必ずしも解けなくて良いが、授業中に学んだことの単純な発展問題は解けることを要求するため、そのような合格基準点とする。実際の配点、合格の基準点は、過去の実績に基づき、第1回の講義で説明する。 |
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不可(F)と欠席(W)の基準 Criteria for "Fail (F)" & "Absent (W)" grades | | 期末試験に欠席し、かつその後の追レポートも提出しない場合、自動的に履修取り下げ欠席(W)とする。
上記でない場合、課題、中間試験、期末試験を合算して、最低限の点数に達しない場合は、不可(F)にする可能性がある。 |
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参考書 Reference Book | | 宇宙物理学 高原文郎 朝倉書店
岩波講座現代の物理学 _宇宙物理学 佐藤文隆 岩波書店 シリーズ、現代の天文学第1, 2, 7, 8, 11, 12, 巻(の一部) 日本評論社 |
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教科書・テキスト Textbook | | |
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課外学習等(授業時間外学習の指示) Study Load(Self-directed Learning Outside Course Hours) | | 講義では基本概念を解説し、2-3の具体的な天体にこれを適用して、天体を支配する物理の理解を進める。毎回の課題では、その授業の理解を深めるために、授業中とは異なる天体にこれを適用するなどしたときの様子を、電卓を叩いて定量的に計算する問題などを出す。レポートや期末試験でも同様の要求をするので、日々の課題などの時間外学習で、こうした学び方に慣れると良い。 |
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注意事項 Notice for Students | | |
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他学科聴講の可否 Propriety of Other department student's attendance | | |
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他学科聴講の条件 Conditions for Other department student's attendance | | 力学の基礎をよく理解し、熱力学や量子力学の簡単な概念を理解しようとする意思があること。また、電卓などでの計算による、定量的な概算をするため、関数電卓を持つこと(スマートフォンにインストールする、無料のもので十分である) |
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レベル Level | | |
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キーワード Keyword | | |
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履修の際のアドバイス Advice | | |
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授業開講形態等 Lecture format, etc. | | 対面講義を原則とし、必要とあればハイブリッドとする。 |
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遠隔授業(オンデマンド型)で行う場合の追加措置 Additional measures for remote class (on-demand class) | | 状況に合わせてオンデマンドにも対応する。申し出ること。 |
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