学部・大学院区分
Undergraduate / Graduate
理学部
時間割コード
Registration Code
0631000
科目区分
Course Category
専門科目
Specialized Courses
科目名 【日本語】
Course Title
物理学講究
科目名 【英語】
Course Title
Seminars in Physics
コースナンバリングコード
Course Numbering Code
担当教員 【日本語】
Instructor
棚橋 誠治 ○
担当教員 【英語】
Instructor
TANABASHI Masaharu ○
単位数
Credits
20
開講期・開講時間帯
Term / Day / Period
通年(春秋) 月曜日 3時限
通年(春秋) 月曜日 4時限
Full-year course(Sp-Fa) Mon 3
Full-year course(Sp-Fa) Mon 4
授業形態
Course style
演習
Seminar
学科・専攻
Department / Program
物理学科
必修・選択
Compulsory / Selected
選択必修


授業の目的 【日本語】
Goals of the Course(JPN)
理論コースを選択する学生は、いずれかの理論系研究室に所属し、そこで行われている研究に関連する課題について、1年間にわたってセミナーなどにより学習する。
授業の目的 【英語】
Goals of the Course
Each student in theory course should belong to one of the theory groups in the Department of Physics, and study the subject related to the research of each group by seminars and other programs during the 4th year of undergraduate course.
到達目標 【日本語】
Objectives of the Course(JPN))
各研究室が指定したもの。
到達目標 【英語】
Objectives of the Course
As each Lab specifies.
授業の内容や構成
Course Content / Plan
●B研理論研究室セミナー(計算生物物理研究室)
Structure, function and dynamics of biological molecules through simulations.
Biophysics is a field of study that aims to understand biological phenomena using the principles and tools of physics. Every living organisms must be following the laws of physics, however, due to their complexity, our understanding on biological systems is still limited.
B laboratory focuses on the studies of biological molecules such as proteins and nucleotides using computational techniques, often in collaboration with experimental groups. During the first part of the year, students will become familiar with computational techniques and biological systems through literature. In the second half, student will perform research on a specific project.


●C研理論研究室セミナー(宇宙論研究室)
天体物理学の理論、特に観測的宇宙論
 宇宙のエネルギー密度の7割以上が正体不明のダークエネルギーであり、2割以上が正体不明のダークマターに担われていることが近年、観測からわかってきた。宇宙の進化や構造の形成に対して、ダークエネルギーやダークマターがどのような影響を及ぼすのかを明らかにし、観測量から逆に両者の性質に迫ること、またそれを通じて宇宙の成り立ちや始まりの理解を得ることが観測的宇宙論研究の使命である。
 このセミナーでは、半期で英文のテキストの輪講を行い、宇宙論の基礎を学ぶ。その後、与えられたテーマについて実際の数値計算やデータ解析を行い、その成果を発表してもらう。


●E研理論研究室セミナー(素粒子論研究室)
相対論的な場の量子論
 素粒子論の基礎になる相対論的な場の量子論と素粒子の諸性質について、その理解を深めることを目的とする。輪読のテキストは参加者と相談して決める。セミナー参加の条件として、量子力学 I・II・IIIの単位を取得していることを前提にする。
 セミナーの単位は、研究室で用意した複数個のテーマから各自が一つ選んでレポートを作成し、1月ごろ研究室で発表することによって認定される。


●H研理論研究室セミナー(クォーク・ハドロン理論研究室)
クォーク・ハドロン物理学の基礎
 クォーク・ハドロン物理学の基礎的事項を学ぶことを目的とする。春学期は、週1~2回、テキスト輪講ゼミを行う。用いるテキストは、ガイダンス時に参加学生と教員とで議論して決めることとする。例としては、Peskin-Schroeder著 "An Introduction to Quantum Field Theory" (Addison-Weskley Pub.) がある。秋学期は、教員と相談して決めるテーマに対しての卒業研究を行い、年度末に卒業レポート提出し、卒業発表を実施する。単位は、ゼミ、卒業研究への取り組み、卒業レポート、卒業発表に基づいて総合的に認定する。量子力学Ⅰ、Ⅱの単位を取得していることが望ましい。受け入れ可能人数としては、4人を限度とする。


●P研理論研究室セミナー(プラズマ理論研究室)
プラズマ物理学の基礎
 宇宙空間や核融合における高温プラズマには、幅広い時空間スケールにおよぶ多種多様な不安定性や乱流、衝撃波、緩和現象などが発生する。このセミナーでは、これらのプラズマ現象の研究に取り組むための基礎理論や技法の習得を目指す。春学期は、基本的なテキストを用いた輪講を行い、プラズマ物理学の基礎概念や理論について学習を進める。秋学期は、より具体的な研究テーマに関連したテキスト・文献を用いた学習、もしくは数値計算を用いた解析を行う。さらに、これらについてのレポートを提出するとともに、その成果発表を行う。


●QG研理論研究室セミナー(重力・素粒子的宇宙論研究室)
 重力が支配的な役割を果たしている古典及び量子物理現象についての研究を行う基礎として、一般相対性理論ならびに曲がった時空における量子論などを学ぶ。春学期は主にー般相対性理論について、テキストを輪講する。また、秋学期には、テキスト以外に 適当な資料を使い、参加者と相談の上決めたテーマについて詳しく学ぶ。これに基づき作成されたレポートと発表を基に単位を認定する。参加者は、解析力学や特殊相対性理論を含む力学、電磁気学、量子力学、統計力学を習得していることを前提とする。


●R研理論研究室セミナー(非平衡物理研究室)
 春学期は、R. Zwanzig “Nonequilibrium Statistical Mechanics” (Oxford)または、R. Kubo et al. “Statistical Physics II” (Springer)の輪講を行い、非平衡・非線形物理学の基礎を学ぶ。後半は、各学生がスタッフ(宮崎・川﨑)と相談して、より具体的なテーマについて卒業研究に取り組む。 最後に、その成果を卒業レポートとしてまとめ、研究室内のセミナーで発表する。受け入れ人数は最大で4人とする。


●S研理論研究室セミナー(物性理論研究室)

凝縮系理論グループ(Sc)
 相互作用する電子系では、電子がクーパー対を組む超伝導や、各種対称性が自発的に破れる量子相転移など豊かな物性が出現し、最近の中心課題である。電子相関がクーパー対の糊を与える非従来型超伝導(高温超伝導を含む)、回転対称性が自発的に破れる電子ネマティック秩序、自発永久電流を伴うカレント秩序など、多彩な量子現象が起きる。幾何学的フラストレーションを内在するカゴメ格子超伝導体や、複数枚のグラフェンを魔法角ひねって張り合わせた多層グラフェンなどが盛んに研究されている。本セミナーでは、春学期にはテキスト(例:Feynman “Statistical Mechanics”)を輪講し、量子多体理論の基礎を学ぶ。秋学期には、各人が教員と相談して興味を持ったテーマを選択し、卒業研究に取り組む。研究の成果を卒業レポートにまとめて、卒業発表会で発表する。受け入れは6名まで。量子力学と統計物理学を取得していることが望ましい。

量子輸送理論グループ(St)
 電子のスピンの流れ(スピン流)や波動関数のトポロジーに着目した物質およびその機能の研究は、物性物理学に新しい風を吹き込んだ。このような領域に乗り出すためには、物性物理学の基礎を理解していることが必要である。春学期はテキストを用いた輪講を行い、量子統計力学の基礎を学ぶ。秋学期は、教員と相談して研究テーマを決め、卒業研究に取り組む。最後に研究成果をレポートにまとめ、発表会で発表する。受け入れは4名まで。量子力学と統計物理学を習得していること。


●Ta研理論研究室セミナー(理論宇宙物理学研究室)
宇宙物理学の基礎理論と数値解析
 基礎物理学を応用することによって、種々の宇宙物理学現象が解明される。このセミナーでは、最新の宇宙物理学のトピックスの中から興味深いテーマを選び、初等的な研究に取り組む。春学期は基本的なテキストを輪講して基礎を習得する。秋学期は、数値計算の基本的技法を学び、具体的なテーマについて解析を行い、その成果を発表してもらう。取り組む研究テーマの選択の際は、学生諸君と協議する。


●Ω研理論研究室セミナー(銀河進化学研究室)
 銀河とは、星とガスと暗黒物質からなる巨大な構造で、宇宙論的なスケールでの基本単位となる天体である。宇宙誕生当時の物質分布はほぼ一様であり、銀河のような天体は存在していなかったのに対し、現在の宇宙には数多くの銀河が存在し、豊かな構造を形作っている。また、地球のような惑星や我々の体を形作っている重元素は宇宙初期のビッグバン元素合成では生成されず、星の中心部で起きる核融合反応で合成され、星の死とともに銀河内の星間空間に供給されたものである。このように、宇宙の歴史の中で銀河がどのように形成され、進化してきたかは現在の天体物理学で最も重要な課題の一つである。当研究室は、紫外線と赤外線、および電波を中心に、様々な波長にわたる観測データを元にして宇宙年齢全体にわたる銀河の形成と進化の解明を目指している。研究手段は観測データの解析および理論モデル化である。本講究でも大学院生と同様、当研究室の国際共同研究で得られた最新の観測データを用い、銀河の星形成や重元素合成などに関する研究を行って卒業論文とする。4 年生でも到達レベル次第では学術論文化できるようなテーマを選ぶ。逆に、データに対して責任を持って研究をしてくれる学生を歓迎する。基礎物理学の知識をバランスよく身につけていることが望ましい。現在スタッフ1 名の小規模な研究室であるため、2 名を標準的人数としたい。

●SST研理論研究室セミナー(太陽宇宙環境物理学研究室)
 SST研は太陽と地球及び惑星間空間から成る「太陽宇宙環境」を総合的に理解し、その構造とダイナミクスを包括的に探る研究を、数値シミュレーション(数値実験)、数値モデリング、人工衛星観測データ解析などを駆使して行っている理論系研究室です。SST研の研究対象は太陽フレアや黒点などの太陽活動、太陽風と惑星間空間ダイナミクス、オーロラや磁気嵐などの地球電磁気現象、磁気リコネクションなどの宇宙プラズマ現象、数値シミュレーション手法開発など多岐に亘ります。
 太陽フレアや磁気嵐などによる太陽宇宙環境の変動は人工衛星や宇宙飛行士のみならず、航空・通信・電力網などの社会インフラにも様々な影響を与え、「宇宙天気災害」を引き起こす場合があります。また、地球の気候にも影響を与える可能性があります。それゆえ、SST研では様々な太陽宇宙環境現象のメカニズムを解明するのみならず、それらの変動を予測することで宇宙天気災害を未然に防ぐための研究も行っています。詳しくはホームページ(https://is.isee.nagoya-u.ac.jp/)をご覧ください。
 SST研では下に示す研究課題などについて学生のみなさんが自らの興味に基づいてテーマを設定し、研究(講究)を行うと共に、そのために必要な太陽・恒星物理学、宇宙空間物理学、プラズマ物理学などの基礎を学ぶためのセミナーを行います。また、研究に必要な計算機利用とプログラミングに関するトレーニングも実施します。

太陽フレアとコロナ質量放出の発生機構の解明と宇宙天気予測研究
 宇宙天気災害の原因となる太陽フレアとコロナ質量放出の発生機構を、理論や数値シミュレーションなどを用いて探ると共に、観測データの解析も組み合わせた取り組みを通して事前にその発生を予測するための基礎的な研究を実施します。

太陽・恒星内部、表面から太陽風領域までの輻射磁気流体シミュレーション
 太陽・恒星内部の内部乱流、流れ場・磁場生成と恒星表面での黒点形成、彩層・コロナ・太陽風に至るまでの各領域の数値シミュレーションを実施し、磁気活動11年周期、彩層・コロナ加熱、太陽風加速など太陽・恒星物理学の大問題解決への足掛かりとなる研究を実施します。

多波長観測データ解析による太陽フレア研究
 人工衛星や地上望遠鏡で取得された多波長観測データの総合解析を通じて、太陽フレアにおける高エネルギー現象(粒子加速やプラズマ加熱)の物理過程の解明を目指す研究を行います。

太陽フレアや太陽風によるオーロラ嵐などの地球電磁環境変動
 太陽フレアや太陽風による様々な擾乱が引き起こす地球環境の変動を解明するための研究をデータ解析やシミュレーションで行います。太陽から約8分で地球に到達するX線や紫外線による地球大気の電離、数時間で到達する高エネルギー粒子による放射線量の増大、数日で到達する高速太陽風による磁気嵐やオーロラ嵐、プラズマ分布の変化などを対象とします。
履修条件
Course Prerequisites
2020年度以降入学者。各研究室に配属された学生のみが履修できる。
関連する科目
Related Courses
各研究室が指定したもの。
成績評価の方法と基準
Course Evaluation Method and Criteria
授業への参加態度、理解度などに基づいて評価し、各研究室の基準により合否を判定する。
不可(F)と欠席(W)の基準
Criteria for "Fail (F)" & "Absent (W)" grades
各研究室から指示される。
参考書
Reference Book
各研究室が指定したもの。
教科書・テキスト
Textbook
各研究室が指定したもの。
課外学習等(授業時間外学習の指示)
Study Load(Self-directed Learning Outside Course Hours)
研究を推進するとともに、発表を担当する際には発表資料(パワーポイントなど)の準備をする。
注意事項
Notice for Students
各研究室の指示に従う。
春学期履修登録期間に月曜3・4限に登録すること。
(秋学期履修登録期間には履修登録の必要なし)
他学科聴講の可否
Propriety of Other department student's attendance
不可
他学科聴講の条件
Conditions for Other department student's attendance
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レベル
Level
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キーワード
Keyword
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履修の際のアドバイス
Advice
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授業開講形態等
Lecture format, etc.
基本的に対面で実施する。変更がある場合は、TACT等にて連絡する。
遠隔授業(オンデマンド型)で行う場合の追加措置
Additional measures for remote class (on-demand class)
オンデマンド型の遠隔授業が導入される場合であっても、すべての履修者に半分以上の授業時間を対面で受講することを求める。オンデマンド型の遠隔授業が導入される場合の追加措置は各研究室から指示する。