学部・大学院区分
Undergraduate / Graduate
情報学部
時間割コード
Registration Code
1001035
科目区分
Course Category
主専攻科目
科目名 【日本語】
Course Title
情報哲学
科目名 【英語】
Course Title
Philosophy of Information
コースナンバリングコード
Course Numbering Code
SIS-12-3003-J
担当教員 【日本語】
Instructor
笠木 雅史 ○
担当教員 【英語】
Instructor
KASAKI Masashi ○
単位数
Credits
1
開講期・開講時間帯
Term / Day / Period
春1期 月曜日 2時限
Spring1 Mon 2
対象学年
Year
4年
4
授業形態
Course style
講義
Lecture
開講系(学部)・開講専攻(大学院)
Subject
社会情報学専攻
必修・選択
Required / Selected
選択


授業の目的 【日本語】
Goals of the Course(JPN)
 情報技術、特にインターネットの発展は、人間の行動や社会の在り方にも大きな変化をもたらした。その結果、人間はさまざまな恩恵とともに害や問題もこの技術から受け取ることとなった。その恩恵や問題がどのようなものなのかを正確に分析し、また特に問題についてはその対処を考察することが、現代哲学の課題の一つである。
 この授業では、インターネット上で人々が果たすさまざまな役割とその役割が引き起こす害や問題について学習する。そうした害、問題には、特定の個人を傷つけるという個人レベルの害だけでなく、社会全体の知識産出や公正な社会秩序を妨げるという共同体レベルの害が含まれる。インターネットに関するこのような害と問題を正確に分析するためには、近年の哲学で提起されたいくつかの理論的枠組みが必要となる。そのため、この授業では、まずそうした理論的枠組みを学習し、次にどのようにそれらの理論的枠組みがインターネットの害や問題の分析に用いられるのかを確認する。最終的には、その理論的枠組みを用いて、他の問題について自分で分析を行うことができるようになることを目指す。
授業の目的 【英語】
Goals of the Course
 The development of information technology in general and of Internet technology in particular has brought about significant changes in individual and collective human behavior. As a result, humans have received various benefits as well as harms from the use of the Internet. One of the tasks of contemporary philosophy is to analyze precisely what those benefits and harms are, and to consider how to deal with those harms.
 In this course, we will study the different roles people play on the Internet and the harms and problems they cause. Those harms include not only individual-level harms, such as harming particular individuals, but also community-level harms, such as interfering with the practice of knowledge production and hindering the construction of just social orders. An accurate analysis of the harms and problems of the Internet requires several theoretical frameworks developed in contemporary philosophy. Therefore, in this course, we will first study those theoretical frameworks and then identify how they can be used to analyze the harms and problems of the Internet. The ultimate goal of the course is for students to be able to use those theoretical frameworks to conduct their own analyses of other problems.
到達目標 【日本語】
Objectives of the Course(JPN)
(1) インターネット上で人々が果たす役割とそれが引き起こす問題について学習する。
(2) そうした問題を分析するための哲学的な理論的枠組みを学習する。
(3) それらの理論的枠組みを用いて、他の問題についての自分の分析を述べられるようになる。
到達目標 【英語】
Objectives of the Course
(1) To learn about the role people play on the Internet and the problems they cause.
(2) To learn philosophical, theoretical frameworks for analyzing those problems.
(3) To develop skills in using those theoretical frameworks to analyze other problems.
授業の内容や構成
Course Content / Plan
 本授業は、Frost-Arnold, Karen (2023). Who Should We Be Online?: A Social Epistemology for the Internet. Oxford University Press. を教科書とする。この本は専門書であり、インターネット上の害を分析し、その対処を考察する際に、現代哲学で提示されているいくつかの理論的枠組みを前提としている。そのため、本授業では、まずこの本が依拠する理論的枠組みである、フェミニスト認識論、真理中心主義、徳認識論、認識的不正義などについての基本的な知識を身に着ける。その後、インターネット上で人々が果たす役割である、モデレーター(投稿の分類と削除を行う)、なりすまし者とトリックスター(両者とも自分のアイデンティティを偽るが、その機能は異なる)、フェイカー(フェイクを作成、流通させる)を扱った各章を読み、その内容について検討する。
 基本的に、各章の概略を講義したうえで、皆で議論するという形式で進める。授業への参加人数次第だが、一部については、講義の代わりに、受講者に教科書の一部の要約を発表してもらうことを考えている。

授業計画
第1、2回 理論的枠組み:フェミニスト認識論、真理中心主義、徳認識論、認識的不正義
第3、4回 モデレーター
第5、6回 なりすまし者とトリックスター
第7、8回 フェイカー
履修条件・関連する科目
Course Prerequisites and Related Courses
履修条件はなし。
成績評価の方法と基準
Course Evaluation Method and Criteria
授業での議論への参加(21%)、論文の要約発表(29%)、期末レポート(50%)の合計100点満点で評価する(発表形式をとらない場合は、議論への参加40%、期末レポート60%とする)。成績評価基準については全学のそれに準拠する。途中で履修の取りやめを希望する場合は,担当教員の許可を必要とする。
教科書・参考書
Textbook/Reference book
教科書として、以下の本を用いる(大学図書館経由でOxford Scholarship Onlineにアクセスすることで、読むことができる)。ただし、原書を通読するのが難しいと感じる学生もいると想定し、日本語訳(私訳)を配布する。

Frost-Arnold, Karen (2023). Who Should We Be Online?: A Social Epistemology for the Internet. Oxford University Press.

授業前に指定個所を必ず読んだ上で、授業に参加すること。他の参考文献については、授業中に指示する。
課外学習等(授業時間外学習の指示)
Study Load(Self-directed Learning Outside Course Hours)
テキストの指定個所を必ず読んだ上で、授業に参加すること。期末レポートの作成にあたっては、配布する書き方ガイドにしたがって作成すること。
授業開講形態等
Lecture format, etc.
対面授業
遠隔授業(オンデマンド型)で行う場合の追加措置
Additional measures for remote class (on-demand class)