学部・大学院区分
Undergraduate / Graduate
医学部(保)
時間割コード
Registration Code
1753231
科目名 【日本語】
Course Title
病原微生物学I
科目名 【英語】
Course Title
Microbiology I
コースナンバリングコード
Course Numbering Code
担当教員 【日本語】
Instructor
松島 充代子 ○
担当教員 【英語】
Instructor
Matsushima Miyoko ○
単位数
Credits
1
開講期・開講時間帯
Term / Day / Period
春1期 火曜日 3時限
Spring1 Tue 3
必修・選択
Required / Selected
必修


授業の目的 【日本語】
Goals of the Course(JPN)
【背景】近年の高度先端医療の進歩に伴い、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌や多剤耐性緑膿菌などの多剤耐性菌による院内感染事例が増加している。また、市中環境においても基質特異性拡張型β-ラクタマーゼ産生菌などの薬剤耐性菌が蔓延し、公衆衛生上の問題となっている。さらに、2020年より新型コロナウイルス感染症の世界的なパンデミックが発生し、現在も尚その脅威に曝されており、我々は感染症やその原因となる病原微生物に対する正確な知識を持つ必要に迫られている。

【目的】本授業では、病原微生物の分類や構造、感染症の成立と免疫に関する基礎知識を学ぶことによって、臨床微生物学検査の基礎となる科学的な知識の習得を目指す。本授業を通じて「感染症」に対する科学的思考や創造力を養ってほしい。
授業の目的 【英語】
Goals of the Course
The aim of this course is to help students acquire an understanding of the knowledge for diagnosis and the prevention of infectious diseases. This course deals with the ecology of pathogenic bacteria and the mechanism of the establishment of infectious diseases.
到達目標 【日本語】
Objectives of the Course(JPN)
この授業では、受講者が授業終了時に、以下の知識や能力を身につけていることを目標とする
1. 病原細菌の構造を理解し、説明できる
2. 病原細菌における遺伝子の伝播を理解し、説明できる
3. 感染と発症のメカニズムを理解し、説明できる
到達目標 【英語】
Objectives of the Course
The goals of course are to
1. be able to understand and explain the structure of pathogenic bacteria.
2. be able to understand and explain gene transmission among pathogenic bacteria.
3. be able to understand and explain the mechanism of the establishment of infectious diseases.
授業の内容や構成
Course Content / Plan
【 I 】 微生物の分類・病原性と感染症

1.「微生物学の概要」
 本授業では、感染症および微生物学の歴史、感染症治療や感染予防・感染制御の歴史について解説する。

2.「細菌の分類」
 本授業では、生物分類における微生物の位置付け、微生物の分類と命名について解説する。

3.「微細構造と機能」
 細菌の構成成分の多くは抗原性を有しており、多くが病原性に関係している。本授業では、細菌の微細構造とその機能について詳しく解説する。

4.「細菌の増殖、培養と培地」
 本授業では、細菌のエネルギー産生経路(特にグルコースの代謝経路)、細菌の増殖(成長と分裂)、細菌の発育(細菌の組成や栄養素)と培養(培養の目的や培地成分、培養に必要な物理的条件)について詳しく解説する。

5.「遺伝と変異、遺伝子操作法」
 細菌は遺伝子の交換や取得によって進化している。本授業では、遺伝と変異の概念、遺伝形質の伝達および遺伝子の再構成について解説する。また、病原微生物の遺伝子検査や各種遺伝子操作法についても解説する。

6.「感染と免疫、ワクチン」
 本授業では、感染の概念と病態、宿主の生体防御機構(自然免疫、獲得免疫)について詳しく解説する。また、感染症の予防に最も有効な手段であるワクチンの種類や予防接種法についても解説する

7. 「消毒と滅菌」
 感染制御に消毒と滅菌は最も重要な役割を果たす。本授業では、消毒および滅菌の基本概念および実際の使用方法について詳しく解説する。

8. 「化学療法剤、耐性と感受性」
 フレミングがペニシリンを発見して以来、感染症治療において化学療法は必須のものとなった。本授業では、化学療法剤の作用機序および化学療法剤に対する細菌の耐性と感受性について詳しく解説する。

各授業内容は上記の予定で行いますので、授業内容を充分に理解するために予め予習をしてきて下さい。予習事項の一部をレポートとして提出して頂くこともあります。また、授業内で練習問題に取り組みながら、予習状況と授業の理解度を確認します。
履修条件・関連する科目
Course Prerequisites and Related Courses
本授業は、病原細菌の特徴および病原性などの知識の習得を目標としており、2年生春学期II期に開講される「病原微生物学II」も合わせて履修することが必要である
成績評価の方法と基準
Course Evaluation Method and Criteria
(評価方法) 課題提出状況を20%、期末試験(100点満点)を80%として総点にて評価します。
(評価基準) 総点60点以上を合格とします。
教科書・テキスト
Textbook
松本哲哉ら著『臨床微生物学』(医歯薬出版)
参考書
Reference Book
臨床微生物検査 技術教本 (JAMT技術教本シリーズ、丸善出版)
課外学習等(授業時間外学習の指示)
Study Load(Self-directed Learning Outside Course Hours)
本授業科目の単位取得にあたっては、授業時間以外に予習、復習などの時間外学習が必要ですので、授業内に提示する予習項目のみならず、指定した教科書などで授業内容を事前に確認することや授業内で行なう練習問題で解答に苦慮した部分については充分に復習してください。
授業の進め方
How to proceed with the class
基本的には教科書に沿って授業を進めるが、適宜スライドやビデオなども活用しながら理解を深めたいと考えている。
注意事項
Notice for Students
本授業に関する参照Webページ
Reference website for this Course
担当教員からのメッセージ
Message from the Instructor
この講義では病原微生物の基礎を学びます。高校で生物学を選択していない方にもわかるように講義していきますので、微生物の世界を楽しく学んでください。
使用言語
Language(s) for Instruction & Discussion
日本語
授業開講形態等
Lecture format, etc.
講義
遠隔授業(オンデマンド型)で行う場合の追加措置
Additional measures for remote class (on-demand class)