授業の目的 【日本語】 Goals of the Course(JPN) | | 人間形成をめぐる哲学的・思想的諸課題についての関心を高め、文献の精読およびそれに基づく議論を通して高度な専門的知識を習得することを目的とする。
この授業では、教育の行為や活動の基本原理を読み解きながら、教育という事象をよりよく説明し理解するための理念、歴史、思想に迫り、私たちの人間形成をめぐる今日的課題や問題について専門的に探究する。おもには教育の哲学、思想、理論に関する基礎的・発展的なテクストと向き合い、人間形成のあり方をみずから問いなおしていくための材料や道具立てを提供する。教育実践のなかで当たり前なこととして見過ごされ、見落とされてしまう教育の事象にも光を照らしてみたい。
この春学期の授業では、ケアの倫理を取り上げ、政治思想の展開と教育哲学の接点について再考する。主には倫理・哲学や政治思想におけるケアの議論が中心となるが、文学、死生学、福祉、医療・看護、教育学、宗教思想、心理学、社会学など、さまざまな領域におけるケアの問題の扱い方、問い方についても検討の眼を向けて考えてみたい。 |
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授業の目的 【英語】 Goals of the Course | | The main purpose of this course is to cultivate students’ inquiring minds about the foundations of human development through examining classical and contemporary works of philosophy of education. Dealing with the philosophy, history, and thought of human development, this course introduces the basic principles of pedagogy and throws new light on the educational phenomena that have been overlooked in educational theories and practices. It helps students acquire knowledge of key concepts of philosophy and deepen their understanding of education through philosophizing about education. |
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到達目標 【日本語】 Objectives of the Course(JPN) | | 1.教育哲学・教育思想史における専門的な文献を収集したり、批判的に考察したりすることができる。
2.みずからの研究分野や内容にとどまることなく、積極的に議論に参加することによって、教育哲学・教育思想についての豊かな視点を身につけることができる。 |
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到達目標 【英語】 Objectives of the Course | | The goals of this course are to
- obtain basic knowledge and concepts in the philosophy, thought, and history of education,
- be able to discuss the various problems of human development, as well as to understand concepts and theories of the philosophy of education. |
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授業の内容や構成 Course Content / Plan | | 第1回 イントロダクション
第2回 ケアとは何か? ケアの倫理とは何か?
第Ⅰ部 ジョアン・C・トロント/岡野八代 『ケアするのは誰か?』を読む
第3回 第1章(ケアするのは誰か?)
第4回 第2章・第3章
第5回 まとめ
第Ⅱ部 キャロル・ギリガン『抵抗への参加』を読む
第6回 第1章
第7回 第2章・第3章
第8回 第4章・第5章
第9回 まとめ
第Ⅲ部 マイケル・スロート『ケアの倫理と共感』を読む
第10回 序論・第1章
第11回 第2章・第3章
第12回 第4章・第5章
第13回 第6章・第7章・結論
第14回 まとめ
第15回 総合考察とディスカッション |
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履修条件・関連する科目 Course Prerequisites and Related Courses | | 履修条件は要さない。本授業の内容と関連した科目として、「人間形成学研究Ⅱ」(秋学期火曜3限)を開講する。 |
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成績評価の方法と基準 Course Evaluation Method and Criteria | | (評価の方法)
1.発表資料の作成および授業内での報告(40%)
2.議論への参加状況(30%)
3.最終レポート(30%)
(評価の基準)
総点60点以上を合格とする。 |
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教科書・テキスト Textbook | | ジョアン・C・トロント ・岡野八代著『ケアするのは誰か?──新しい民主主義のかたちへ』岡野八代訳、白澤社、2020年。
キャロル・ギリガン著『抵抗への参加──フェミニストのケアの倫理』小西真理子・田中壮泰・小田切建太郎訳、晃洋書房、2023年
マイケル・スロート著『ケアの倫理と共感』 早川正祐・松田一郎訳、勁草書房、2021年。 |
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参考書 Reference Book | | 本授業で取り扱う参考文献や資料は、授業のなかで紹介する。議論の前提として、下記の図書を参照されたい。
岡野八代『ケアの倫理──フェミニズムの政治思想』岩波新書、2024年。
品川哲彦『倫理学入門──アリストテレスから生殖技術、AIまで』中公新書、2020年。
村上靖彦『ケアとは何か──看護・福祉で大事なこと』中公新書、2021年。
立山善康・中野啓明・伊藤博美編『ケアリングの視座―関わりが奏でる育ち・学び・暮らし・生』晃洋書房、2023年。 |
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課外学習等(授業時間外学習の指示) Study Load(Self-directed Learning Outside Course Hours) | | 授業時間外の課題として報告資料を作成してもらう。受講者には、報告者であるか否かにかかわらず指定の文献や資料を事前に熟読し、授業範囲を予習しておくことが求められる。 |
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注意事項 Notice for Students | | 教育についての思考を広げ,深めるために、哲学や思想から手がかりを見つけてみたいと思います。哲学や思想を参照しながら、現代の人間形成の諸課題について知的に吟味してみましょう。 |
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他学部生、他専攻生、他研究科生の受講の可否 Propriety of other undergraduate students, other major students, and other graduate students attendance | | |
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授業開講形態等 Lecture format, etc. | | 原則、対面での開講を予定するが、状況によって一部または全部を遠隔授業(オンデマンドあるいは同時双方向)に変更する場合もある。履修登録後に授業形態等に変更がある場合には、TACTの授業サイトで案内する。 |
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遠隔授業(オンデマンド型)で行う場合の追加措置 Additional measures for remote class (on-demand class) | | |
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