学部・大学院区分
Undergraduate / Graduate
法・専学
時間割コード
Registration Code
9360600
科目区分
Course Category
展開・先端科目
Advanced/Applied Courses
科目名 【日本語】
Course Title
地方自治法
科目名 【英語】
Course Title
Local Government Law
担当教員 【日本語】
Instructor
豊島 明子 ○
担当教員 【英語】
Instructor
TOYOSHIMA Akiko ○
単位数
Credits
2
開講期・開講時間帯
Term / Day / Period
春 木曜日 5時限
Spring Thu 5
対象学年
Year
2年
2
授業形態
Course style
講義
Lecture


授業の目的 【日本語】
Goals of the Course(JPN)
 地方自治体の諸活動は、本来、住民の権利実現を目的として、全国統一的な国法秩序の枠内に位置しながらも、これらの法の自主的解釈・運用や当該地域の諸課題に有効に応えるための自主立法の取組みによって、様々な創意工夫を試みつつ、繰り広げられるべきものである。この意味において、地方自治体の行政は、国のそれと比較して、しばしば応用的・実勢tン的で創造的・先進的な活動を展開しうる点に、特徴がある。これらの点に留意しつつ、地方自治法の各項目について授業を行う。授業は、教員からの講義形式を基本とするが、とりあげる判例や制度についてあらかじめ提示する質問に解答してもらうことを中心に、双方向の質疑応答を盛り込みながら進める。                                                                 
授業の目的 【英語】
Goals of the Course
到達目標 【日本語】
Objectives of the Course(JPN)
(1)憲法第8章と地方自治法に基づいて、地方自治の基本構造が理解できる。
(2)行政手続・情報公開・個人情報保護など、地方自治法以外の個別法に基づく地方自治体の実践について、その解釈論・立法論の現状を理解できるようになる。
(3)判例をもとに、地方自治体の諸活動の法的統制の現状を理解し、種々の法的紛争解決のあり方を考えることができるようになる。
(4)地方自治体では、近年、自らの法務能力を駆使して住民の権利実現と地域的課題の解決を図るため、「自治体法務」・「政策法務」の重要性が説かれている。法曹として、地方自治体が独自の「法務」を展開できるよう、これらを支援するために必要な知識と思考枠組みが修得できるようになる。
(5)地方分権政策の特徴と、これによる立法動向を理解し、今後の地方自治のあり方について批判的・発展的に考えることができるようになる。
到達目標 【英語】
Objectives of the Course
授業の内容や構成
Course Content / Plan
各回の授業のテーマ、授業日、および各回で扱う内容は、以下のとおりである。
第1回:地方自治の基本理念と地方公共団体(4月11日)
 (1)地方自治の基本理念を理解する。 (2)地方自治の法源を理解する。 (3)90年代以降の地方自治法の変遷を理解する。(4)地方公共団体の法的地位と広域行政の仕組みを理解する。
第2回:住民の権利(4月18日)
 (1)住民の意義と、住民の権利の類型を理解する。 (2)住民の参政権に関する諸制度を理解する。 (3)外国人たる住民の法的地位を理解する。
第3回:直接民主主義の諸制度と行政手続(4月25日)
 (1)直接民主主義に関する諸制度の類型を理解する。 (2)住民投票制度について、その仕組みと法的課題を理解する。 (3)行政手続条例と行政手続法の関係を理解する。
第4回:住民参加と情報公開の制度(5月2日)
 (1)住民参加制度について、その仕組みと法的課題を理解する。 (2)情報公開条例の制定・普及の経緯を理解する。 (3)情報公開条例の基本構造を理解する。(4)情報公開に関する政策法務を考える。
第5回:情報公開条例の解釈・運用(5月9日)
 (1)情報公開条例の判例を理解する。 (2)情報公開条例の解釈・運用のあり方を考える。
第6回:自治立法権(1)(5月16日)
 (1)個人情報保護条例の制定・普及の経緯を理解する。 (2)条例の基本構造と解釈・運用のあり方を、判例とともに、理解する。 (3)事務区分と事務配分について理解する。 (4)条例制定権と憲法上の法律事項の関係を理解する。 (5)条例制定権の限界について、その問題の所在を理解する。
第7回:自治立法権(2)(5月23日)
 (1)条例制定権の限界に関する伝統的学説と、その克服課程を理解する。 (2)様々な規制条例の類型を理解する。 (3)条例制定権の限界に関する判例と、学説の展開を理解する。 (4)規則と要綱をめぐる諸問題を理解する。
第8回:議会と執行機関(6月6日)
 (1)議会の法的地位・権限・組織・運営について理解する。 (2)執行機関について理解する。 (3)議会と長の関係を理解する。
第9回:公の施設(6月13日)
 (1)公の施設の利用関係について理解する。 (2)指定管理者制度について理解する。 (3)民営化の法的統制可能性について、事例をもとに考える。
第10回:住民監査請求と住民訴訟(1)(6月20日)
 (1)住民監査請求の対象・手続を理解する。 (2)監査請求前置主義について理解する。
第11回:住民訴訟(2)(6月27日)
 (1)住民訴訟制度の類型・対象・手続を理解する。 (2)「財務会計行為」と、これと先行行為の関係について理解する。 (3)「当該職員」について理解する。
第12回:住民訴訟(3)(7月4日)
 (1)各号請求の論点を、判例とともに、理解する。 (2)議会による債権放棄議決の違法性について、理解する。
第13回:地方公共団体の契約(7月11日)
 (1)補助金交付について理解する。 (2)調達契約のあり方について理解する。
第14回:国と地方公共団体の関係(7月18日)
 (1)普通地方公共団体に対する国の関与の制度(関与類型・関与の基本原則・手続)を理解する。 (2)国と地方の間の係争処理の仕組みを理解する。
第15回:期末試験・講評
履修条件・関連する科目
Course Prerequisites and Related Courses
履修条件は特になし。
成績評価の方法と基準
Course Evaluation Method and Criteria
授業時間内に実施する1回の小テスト(10%)、授業での質疑応答から成る授業参加度(10%)、定期試験(80%)によって、評価する。
成績評価(合否判定及び成績の区分)は、名古屋大学法科大学院が教育課程方針に基づいて策定した評価基準に従って行う。
教科書・テキスト
Textbook
・テキストとして、人見剛・須藤陽子編著『ホーンブック 地方自治法〔第3版〕』(北樹出版、2015年)。
参考書
Reference Book
・参考文献として、宇賀克也『地方自治法概説〔第10版〕』(有斐閣、2023年)、『地方自治判例百選〔第5版〕』(有斐閣、2023年)。
・授業では、毎回、レジュメを提示します。
課外学習等(授業時間外学習の指示)
Study Load(Self-directed Learning Outside Course Hours)
・各回の授業前には、あらかじめレジュメを提示します。レジュメには、ところどころ、質問を設けていますので、その回答を考えながら、予習してください。
注意事項
Notice for Students
この授業は、名古屋大学法科大学院と南山大学法科大学院の教育連携科目であり、名古屋大学法科大学院生と南山大学法科大学院生の双方の履修が可能な科目です。
毎回の授業は、南山大学法科大学院(A棟)で開講されます。
授業時間は17時25分から19時5分(1コマ100分)で、授業日は、南山大学の学事暦に従います。
授業開講形態等
Lecture format, etc.
授業は、原則として、対面の講義形式で行う。
遠隔授業(オンデマンド型)で行う場合の追加措置
Additional measures for remote class (on-demand class)